私が毎回録画してみているNHKの番組に
というのがあるのですが、
1月は世阿弥の著した
『風姿花伝』
という書物についてやっています。
この書物は、能に関する様々な事柄、極意などが書いてあるそうなのですが、
その中で、世阿弥は特に
“花”
という語を頻繁に使っているそうです。
では、花とはなんなのか、、、
「花」と「面白い」と「珍しさ」
は同じことなのだそうです。
珍しきが花
という 言葉がありますが、
いつもまったく同じでなく、
何か変化がある、目新しさがある、
そこに、花=面白さがあり、
人はそこに興味を惹かれるのだと述べています。
これは、まさに現代でいうところの
イノベーション
そのものだと指摘されていました。
まさにその通りですね。
やっぱ伝統として残っているものには、
それなりの理由があるんですね。
また、この世阿弥の言葉に関して
私が思い浮かべたのは、
フラクタル
についてでした。
人間が
美しいとか、面白い、心地よい
と感じるのはフラクタルと関係しているといわれます。
(自然の風のリズムである1/fゆらぎを取り入れた扇風機なんてありましたね、、)
つまり、全くの規則通りではつまらないし、
また全くのカオス=無秩序でも人は落ち着かなくなりますが、
秩序とカオスの中間あたりに、
人が、美しさや心地よさを感じるポイント(フラクタル)があり、
自然はまさにフラクタルそのものだといわれます。
世阿弥は自然物の花に託して
このことを述べようとしたのではないかと思いました。
また世阿弥は、花に関して、
住するところなきを
まず花と知るべし
と述べているそうです。
自分を常に更新していくことによって
花がでてくるのだそうです。
これはとても感じるものがありました。
などを見ていても、
その道のプロと言われる人たちは、
同じことをやっているように見えても、
問題意識を常にもって、
自らのやり方を日々改良、改善していっていることが
共通しているように思います。
その毎日の小さな積み重ねが、
年を追うごとに凡人との圧倒的な差として
出てくるのだと思います。
前回のブログの内容と絡めていうなら、
人間の与えられた課題を
創造する事、
物語をつくっていくこと、
とするなら、
まさに同じところに留まっているのではなく、
新しいことにチャレンジし、
絶えず進化、変化していくことに
楽しさがあり、人が生き生きとしてくるのではないかと思います。
そして、その生き生きとした様子が、
花
として人の目に映るのではないかと思うのです。
住するところなきを
まず花と知るべし
一年の初めに、
この言葉をよく胸に刻んでおこうと思いました。
第一回はまだ再放送があります。
また次回以降も風姿花伝のキーワードを紹介していくようです。
興味のある方は、どうぞご覧くださーい。
参考:
NHK: 100分 de 名著
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