神託の地、デルフォイを出て、
お昼となりました↓
メニューから各自で注文するようだったので、
ギリシアの伝統料理ムサカを頂きました。
ボリュームがあり、これだけでおなか一杯になりました。
またバスに乗り、
ギリシアの地をひた走ります。。
で、着いたのが、、
テルモピュレー。
西欧世界で、300、といえば、
テルモピュレー、スパルタ、レオニダス王
と連想されるほど有名な地です。
これが、そのレオニダス王の銅像のようです。
辺りを見わたすと、結構広々としています。
そう、今は海岸線が一キロほど後退してしまっているのだそうですが、
紀元前5c頃は、海岸線が迫り、
アテネの方に行くには、山の迫った隘路を通っていかなければならなかったのです。
ギリシア世界は、アケメネス朝ペルシアと戦っていて、
一回戦は、あの有名なマラトンの戦いにおいて、ギシリア側がペルシアを追い返します。
このテルモピュレーは、第二次のペルシア戦争の緒戦に当たる訳です。
クセルクセスが20万ともいわれる大群を率いて、ギリシアに攻め入ろうとした時に通らなければならない道でした。
ここにレオニダス王率いる300のスパルタの重装歩兵と、他のポリスなどの数千の連合軍が迎え撃つことになりました。
数にものを言わせて強行突破しようとしたペルシア軍は、ここで2万ともいわれる死者を出してしまいます。
最終的には、ペルシア軍が、後ろに回り込む道を見つけ、隘路の最終地点を守っていたテーベ軍も、自分たちのポリスを破壊しないことを条件に降伏し、
最後まで残った300のスパルタ兵たちは、ここで玉砕するわけです。
こうして、ここテルモピュレーは、300のスパルタ兵が最後まで頑強に戦った地として有名になります。
その後、ペルシアはどうなったかというと、降伏したテーベを通り、アテネに入り焼き尽くすのですが、
アテネ市民は、テミストクレスの発案により、すべて疎開してあったので人的被害はほぼありませんでした。
本格的な戦いになったのは、まずは海で、
テミストクレス率いるアテネ海軍が、サラミスの海戦で、数的に劣っていたにもかかわらずペルシア艦隊に大打撃を与え勝利します。
ついで、翌年、最後の陸の戦いとなるプライタアでは、
スパルタの若き王、パウサニアスに率いられた1万のスパルタ重装歩兵を含む、ギリシア連合軍が、
これまた数的には少なかったにもかかわらず、敵を囲い込む戦略によって圧倒的な勝利をおさめ、
それ以降、ペルシアが攻めてくることはなくなったわけです。
ここで、めでたし、めでたし、みんなハッピーか、と思いきや、
アテネの英雄テミストクレスは、後に追放され、刺客まで放たれるようになり、最終的には、なんとペルシアに逃れ、そこの長官を任されます。
一方のスパルタの英雄パウサニアスは、大臣たちの奸計にはまって、死んでしまうのです。。
映画の300(スリーハンドレッド)は、このテルモピュレーの戦いを描いたもので、
多少の誇張はあるものの、おおよそ史実に基づいて進行し、
最後に、プラタイアで復讐をとげるぞぉー!
という所で終わっていました。
調べてみると、その続編があるということで見てみたのですが、
こちらは、プラタイアのシーンはなく、
サラミスの海戦の描写が中心で、
しかも史実をほぼ無視したやたらと暴力シーンが目立つだけの残念な映画になっていました。。
こうして、二回にわたるペルシア戦役がおわり、
ギリシアはアテネを中心に、平和な時期を迎えるのですが、
やがて覇権は、アテネからスパルタに移り、
スパルタは自慢の重装歩兵を、騎兵を駆使するテーベに敗れます。
その頃、テーベに人質としていたフィリッポス2世は、その騎兵の使い方と斜形陣地を学び、
マケドニアに持ち帰り発展させ、
マケドニアはテーベを打ち破り、ギリシアをほぼ統一します。
その息子アレクサンドロス大王は、更にペルシア世界に進行し、ペルシアを征服してギリシア人の悲願を達成するのです。
しかし、アレクサンドロスの大帝国も、彼が亡くなると、仲間割れが生じ、
気の滅入るような仲間内での戦いとなっていくのです。。
人の盛衰、国の興亡というのはとても興味深く、
歴史から学ぶことって多いですね。。
私はいま塩野七生さんのギリシアの物語を読んでいますが、
テミストクレスは、軍を率いることも出来たし、先見の明もあり、政治も出来た極めて優秀な人物だったと褒めています。
他のパウサニアスなどは、軍を率いることはできたが政治的な能力に疎く、
またテミストクレスの後に出てきた、ペリクレスは、政治的な能力は長けていたが、軍を率いる能力はそれほどなかったとのことで、
大抵の英雄は、軍か政治かのどちらかの能力に偏っているのですが、
その点、ローマのカエサルは、軍を率いても、政治をやっても超一流で、
しかも、彼の著したガリア戦記は、後述したものを側近が書き留めたものだそうですが、
口述した時点で、すでに完璧な文章になっていたという、驚くべき才能をもっていたようで、塩野氏も絶賛していました。
ということで、ギリシア編を読み終わったら、ローマ人の物語を一巻から、
ハンニバルとスキピオの活躍するポエニ戦争を経て、
カエサルが活躍する時代位まで読み進めて行こうとおもっており、今からわくわくしています。
いやいや、しまった、つい長くなってしまいました。。
テルモピュレーですね、はい。
ここは銅像以外は特にみるものもなく、早々に移動、
寄り道をしながら、
本日の宿に到着しました。
落ち着いた感じの、おしゃれなホテルでした。
夜はビュッフェ形式だったので、野菜をたっぷりたべ、
寝入ったのでありました。。
つづく、、
0 件のコメント:
コメントを投稿