前回紹介したデール・カーネギー氏の二冊目の本、
題名は『道は開ける』ですが
原題は
HOW TO STOP WORRING AND START LIVING
如何に悩むことをやめ、生活を始めるか
です。
実際、自分を押しとどめているのは周りに起こる現象と言うより、
それらの現象に対する自分のマイナスな反応
すなわち悩みです。
如何に多くの人が悩み、自分で自分の首を絞めているかに気づいたカーネギー氏は、
ではどうやったら悩みを克服できるかを当時のあらゆる文献をひも解いて調べたそうです。
しかし、学問も含め、そのような本は当時皆無だったそうです。
それでは自分でやるしかないと、悩みの克服法についてまとめたのがこの本です。
読んでみると、実に実践的で、役に立つものばかりで、いま読んでもとても新しい!
それもそのはず、当時の著名人から一般の人に到るまで、
あらゆる人々の悩みの克服法を調査、収集したからです。
現代の誰が読んでも、自分にうってつけの方法をひとつは見出すことが出来ることでしょう。
目次はこんな感じです↓
特に第一部に書かれている三原則はとても大事だと感じました。
① 今日を生きる
② 最悪を想定し、受け入れる
③ 悩みが及ぼしている影響を思い起こす
まず一番最初の、"今日を生きる"というのは、実に重要かつ有効な方法です。
日本にも、
一日一生
という言葉があります。
今日一日を人生の最後の一日と思って、精一杯味わい、生き切る
というものです。
私は禅の言葉かと思っていたのですが、どうも原典ははっきりしないようです。
私も常にこのことを心がけて一日、一日を過ごしています。
今日出来ることは、明日に延ばさない
ようにも心がけています。
仏教の目標は、
いま・ここ
ですが、それを少し押し広げて一日という単位で捉えるのも、心を散漫にしないとても有効な方法です。
本書にも挙げられていましたが、キリストも次のことばを残しています。
明日のことまで思い悩むな。
明日のことは明日自らが思い悩む。
その日の苦労は、その日だけで十分である。
マタイ6-34
野原の花がどのように育つかを考えてみなさい。働きもせず紡ぎもしない。しかし、言っておく。栄華を極めたソロモンでさえ、この花の一つほどにも着飾ってはいなかった。
今日は野にあって、明日は炉に投げ込まれる草でさえ、神はこのように装ってくださる。まして、あなたがたにはなおさらのことである。信仰の薄い者たちよ。
あなたがたも、何を食べようか、何を飲もうかと考えてはならない。また、思い悩むな。
ルカ12-27~29
今日一日に焦点をあてるというのは、思い悩まないためのとても有効な方法です。
興味のある方はどうぞ、1日だけでも、実践してみてください。
第二原則の"最悪を想定する"というのは、前にもブログで紹介した
河合隼雄氏の著作の中にも書かれていました。
河合隼雄『無為の力』
世の中のプラス思考というのは、どうも最悪のことから目を背ける傾向にあるように思いますが、
本当のプラス思考とは、最悪のことを想定し、それを受け入れ、
いったん腹を決めたうえで、如何にそうならないようにするかを一つずつ組み上げていく
というものであるように思います。
最悪の状態から目を背けると、無意識の内にそちらに対するエネルギーが高じてきて、
結局その最悪の状態が現実のものとなってしまう、ということがあるようです。
河合氏のどの著作か忘れてしまいましたが、
ある不安の強い患者がいて、その人はいつも火事にならないか、盗まれたりしないか、
などの思いに駆られ、その状態から逃げる事ばかりを考えているからか、
不思議とそのような不運な状態が次々とその人の現実となった、
と書いていたのを思い出します。
最悪の状況を想像し、そうなってもいいや、といったん腹を決めると、
不思議とそうならないし、仮にそうなったとしても、
対処の仕方を考えているから、大変な事にはなりにくいのだそうです。
逆説的で、とても面白いと思います。
悩みというのは、本当に自分で自分の首を絞めているようなものですから、
その心の習慣に気づき、修正出来たら、
これほど自らを開放することはありません。
第三則の悩みが如何に自分の足を引っ張っているかに気づけば、
悩みの習慣と取り組むことが如何に有効であるか分かると思います。
他に、本書の各章でまとめとして紹介されてあった悩みの解消法を載せておきます↓
昼寝をしようということをこの時代から提唱してるなんて、
昼寝愛好家の彦兵衛としてはうれしい限りです↓
参考:
道は開ける
無為の力―マイナスがプラスに変わる考え方
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