2011年11月17日木曜日

微笑んでみよう ~アランの幸福論



今、NHK「100分 de 名著」という番組で、

アランの幸福論


をやっているのですが、これがナカナカ面白いです。

番組では、彼の残したことばを紹介しているのですが↓







もっとも興味を惹かれたのは、体を視野に入れた彼の思想でした。





精神のこわばりをほぐすために、




体操深呼吸をし、休息を取ることをすすめ、




あくび伸び、また笑ってみることをすすめているのです。






このように、人間の体、私達の存在の物質的なレベルをも視野に入れて幸せを考えるといのは、とてもバランスのとれた理にかなった考えだと思います。





私は西洋にこういった思想があることに意外さを覚えました。

西洋哲学といえば、やたら難解なことばをもてあそんでいるだけのほとんど役に立たないつまらないものというイメージがあったからです。


しかしアランの幸福論は少し違うなと感じます。




アランは、まず微笑んでみなさい

と語り、自身もまた"ほほ笑みの人"だったそうです。





私はあらゆる哲学・教えに、そこにユーモア笑いがあるかをひとつの指標にしてきましたが、

アランには笑いがあり、また心と同時に体を視野に入れているところに素晴らしさを感じます。


人間という存在には、

物質的な側面=体精神的な側面=心・魂

があり、幸せや満足というものを考えるときには、やはりこの両面から戦略的に攻めていかなければならないと思います。

逆に、どちらかを見ないようにして、どちらかだけを強調すれば、かならずその見ないようにしたレベルでつまずくことになるでしょう。

なぜならどちらのレベルも私達の"現実"であり、どちらかを見ないようにして進めば、当然そのレベルに頭をゴチンとぶつけるだろうからです。


たとえば、この世がすべて、目で見えるものだけがすべて、と信じている人は、

満足を得るために体・物質的なレベルで満足を得ようとするでしょう。

しかしそこで、心・魂のレベルをないがしろにしたら、ゆくゆく、たとえばあの世に行ってからもっとああしとくべきだった、

たとえばもっと他人の為にする事をすればよかった~

などと後悔する事になるかもしれません。



逆に精神的なこと、スピリチュアルなことに重きをおくひとは、意外と体・物質的側面を見ないようにする傾向があるように思います。

たとえば仏教僧は体を煩悩をもたらす不浄なものと見て、ないがしろにする傾向があるように思います。

前に当ブログでラム・ダスを紹介しました。最近また彼の別の著作を読んでいるのですが、







彼も体を軽視していたため、晩年は脳卒中を患い、後悔していることを綴っています。




スピリチュアルなことをやっていて脳卒中になったひととして、私は臨死体験の研究者であったキューブラー・ロス博士を思い出します。

彼女は死につつある人に寄り添い、どのように死を受容していくかを説いていた人ですが、

晩年脳卒中になって、半身不随となりました。

そこで彼女は神を呪うような発言を繰り返していました。

どうしてこんなに人に奉仕してきた私が脳卒中にならなければならないのか、、。

神はなんと無慈悲なのか、と。

また自分がそれまでに説いてきた、死の受容のプロセスについて話しを向けると、

受容!そんなのクソくらえだ!

と語っていました。


これはNHKで放映されたものですが、私はこれを見てなんでこんな考えになってしまうのか甚だ疑問でした。

人助けをすることと体の健康を保つことはまた別物だからです。

体の健康を無視して、体を酷使しすれば、それ相応の結果があらわれるは当然でしょう。

人助けをして、その恩寵をうけることと体の健康はまた別のことです。


体には体の法則があり、心には心の法則があり、魂には魂の法則があります。

ここら辺をごっちゃにして考え、魂に関して正しい行いをしていても、

物質的なレベルのことや体をないがしろにしていたら、その結果は自ら刈り取らねばならないのであって、

それこそ神の御心(自然の法則)というものではないかと思うのです。

私が当ブログでスピリチュアル的なことだけでなく、体の健康関連のことを多く書くのはそのためです。


私達は、粗大なレベル(体・物質のレベル)と微細なレベル(心・魂のレベル)の存在として生きています。

この両方のレベルで生きているのであり、もちろんお互いのレベルが影響を与えうことはありますが、

それぞれの階層にあるそれぞれの法則を視野に入れて生きていくべきたと思います。

どちらかを見ないようにすれば、当然そのレベルで失敗することになるでしょう。


最近試してガッテンでやっていたのですが、腰痛の原因もヘルニアが原因ではなく、

心の問題であることが脳科学の方から分かってきているそうです。(ここ50年来の大発見だそうです)


私たちは誰でも幸せや満足を求めて生きていますが、

アランが説くように、体と心の両方を視野に入れユーモアをもって楽しく生きていくのが正しいあり方ではないかと思うのです。








参考:

NHK 100分 de 名著:アランの幸福論
http://www.nhk.or.jp/meicho/famousbook/07_bonheur/index.html#box01

NHKで放映したキューブラー・ロス博士の晩年
http://www.nhk.or.jp/etv21c/update/2004/1225.html

試してガッテン:驚異の回復!腰の痛み
http://www9.nhk.or.jp/gatten/archives/P20111116.html



アマゾン:

アラン『幸福論』 2011年11月 (100分 de 名著)


ラム・ダス著
人生をやり直せるならわたしはもっと失敗をしてもっと馬鹿げたことをしよう

死の処方箋―人はなぜ苦しむのか?


キューブラー・ロス博士の著作



ウィキペディア:

幸福論
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B9%B8%E7%A6%8F%E8%AB%96


エリザベス・キューブラー=ロス
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%AA%E3%82%B6%E3%83%99%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%82%AD%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%BC%EF%BC%9D%E3%83%AD%E3%82%B9


彦兵衛のブログ:

ラム・ダスとその師匠ニーム・カロリ・ババ 【2011年7月20日】
http://mshiko.blogspot.com/2011/07/blog-post_20.html



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