2018年12月18日火曜日

ロシアの絵画、おそろしあ、、 ~ 富士美術館に



先日の休みに、東京、八王子にある富士美術館という所でやっている




国立ロシア美術館所蔵ロシア絵画の至宝展 夢、希望、愛アイヴァゾフスキーからレーピンまで



を見に行ってきました。

NHKのアートシーンで上の絵を紹介されており、

その光の使い方に一瞬で魅了され、会期中に是非行きたいと思っていました。

まず八王子にそんな美術館があること自体、初めて知りました。

八王子駅からバスに乗って10分くらいのところで、自然がたくさんあっていい感じの所でした。

降りたところは、創価大学のキャンパスの門前で、どうやらこの美術館も創価大学の一部のようでした。

創価大学なるものもあることも初めて知り、驚きでした。


さて、キレイな建物に入り、さっそく絵を鑑賞。

数としてはそう多くないのですが、質が圧倒的に高い!

以下、私が感銘を受けた絵を出品順に紹介しておきましょう。




サンクトペテルブルクの中庭


取り立てて素晴らしい構図という訳ではないのですが、

寒さの中で力強く生きるロシアの人たちの生命力のようなもの、

また大地に根差して、しっかり地に足をつけ、質素な生活を送る人間の力強さのようなものを感じました。





第九の怒涛 イワン・アイヴァゾフスキー


こちらは、今回の目玉!

実物が巨大、そして圧巻の光の描写。

本当に向こうから光が照っているのでないかと思わせる輝きがありました。

波の飛沫や、海に反射した光も素晴らしく、神々しさを感じさせる絵でした。





海辺の朝、スダック


こちらも緻密な描写が素晴らしい絵でした。

霞がかかった向こうに、うっすらと崖が聳えていて、

その幻想的な光景に心惹かれました。






キリスト降誕祭の占い ニコライ・ピモネンコ


ロシアの庶民の人たちがこういう占いをするんでしょうか。

こちらも実際に真ん中に明かりが照っているかのような

光の描写が巧みで、なんども見直してしまいました。

写真でもないのに、この一瞬の光景を絵画として切り取ってしまう

というのは、ただただ舌を巻いてしまうばかりです。






虹  アルヒープ・クインジ


実際にこういう光景がロシアの大地で展開されたんでしょうか。

大地、そして自然に対する畏敬の念を感じます。





雪解け  フョードル・ワシーリエフ


荒涼とした大地に雪が積もっていて、車の轍がみえます。

不毛と思えるような大地で生きていこうとする人間の力強さを感じます。






草花の生い茂る池  ワシーリー・ポレーノフ


ロシアの夏の水辺の景色でしょうか。

静寂とした風景の中に、女性の姿があり、

なにかただならぬものを感じさせる風景になっています。






白樺の森の小川  イワン・シーシキン


今回、いちばん自分のフィーリングにあった絵でした。

土と緑の匂いがしてきそうな風景です。

ただ、単なる風景がではなく、

何か重みのようなものを感じました。


今回素晴らしい絵がたくさんあったのですが、

ポストカードは一枚も買わずじまいでした。

それは、すべての風景が、単純な風景ではなく、

そこに神秘性や、生活の重み、大地への畏敬の念のようなものが

強烈に込められてられているような気がして、

普通のヨーロッパの風景画のようにただみて楽しむということができないように感じたからです。

見ていて、重いんですよね。


それはそれで素晴らしいのですが、

単なる風景画のように部屋に飾って毎日見たい

と思わせるようなものではありませんでした。


あとは、ロシアの絵画を見て感じたのは、

単なる風景描写に終わらず、そこに観念を載せてくるというところに、

自然科学に対しても、本来は現象を観察し、そこから法則を導き出してくる

というよりは、少しそれると、現象に自分の思いを投影して

セオリーを導き出してしまいそうな危うさのようなものを感じました。


しかし、絵というもの一つにしても、

そこに凝縮されている物には深いものがあるのだと、

強く感じさせられました。

たまにこうして異国の物にふれてみるのって大切だな、、

と改めて感じた次第でありました。


余談でありますが、美術館のショップでポストカードは買わなかったのですが、

ロシアの綿の花からとった白い蜂蜜というのが置いてあったので、

蜂蜜好きの彦兵衛は、その蜂蜜を購入してしまいました。

2000円ちょっとしました。チケットより断然高いです(笑)。

寒さもあってか、蝋のように固まっており、

スプーンでほじくってはパンにこすり付けて食べています。

滋味深く、美味しいです。


ロシアの絵画、おそろしあ、、

の話しでした。


おしまい





嵐の前  イワン・シーシキン



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