2012年1月17日火曜日

思いがカタチをつくる



私は結構テレビを見る方なのですが、

見たい番組はすべて撮りためておいて、音声付きの1.5倍速で早見しています。

コマーシャルをすべて飛ばすと民放の一時間番組は35分くらい、NHKなら40分くらいで見れます。

ニュースなどは音声なしの30倍速で見て、気になるニュースや天気予報の所だけを1.5倍速にしてチェックするので、

30分のニュースは5-10分ほどで見れてしまいます。(笑)


こんな感じで、気になる番組は結構チェックしているのですが、

先日見た番組は、うむむ、と感じさせるものがありました。

その一つは、

情熱大陸:ケントモリ
http://www.mbs.jp/jounetsu/2012/01_15.shtml

です。

この番組は各界で活躍している人を紹介するものなのですが、前回はダンサーのケントモリという人でした。

マイケル・ジャクソンの追悼映画“THIS IS IT”を観た人は知っているかもしれませんが、


マイケル・ジャクソン THIS IS IT コレクターズ・エディション (1枚組) [DVD]



この人は、日本人で唯一、マイケルの“THIS IS IT”のオーディションに合格した人だそうです。

番組の中で、彼が「筋トレとかしないんですか?」と聞かれたときに、

サルが筋トレしたり、チーターがストレッチをしたりしませんよね

と言っていたのがとても印象に残りました。

これはまさに古武術研究家 甲野さんがよく言っていることと符合します。

いつ始まるか分からない生死をかけた勝負の場において、ストレッチをしてからしか体が動かないのでは話しにならない

また体の一部の筋力を増強させる筋トレをすることで、

ある運動に関して体の一部の筋力に頼ったり、体全体の動きがぎこちなくなり、しなやかな動きができなくなる

ケントモリ氏は、自らの野性的感覚から自得したのか、甲野さんのような人の言葉を参考にしたのかわかりませんが、

さすが世界で認められたパフォーマーだけあるなぁ、といたく感心しました。


もうひとつ彼に関して心に残ったのが


彼はマイケルが好きで、彼の映像を擦り切れるほど見てまねしたらしいのですが、

その時、カタチを単に真似するだけでなく、

マイケルがそのカタチ、そのポーズをとっているときにどんな感覚だったかを常に理解しようとしたそうです。

これはとても大切なポイントだと思いました。

またダンスは楽しいものだ、楽しんでやらなくちゃだめだ、

ということを番組の中でさかんに口にしていたのも印象的でした。

すごい若者がいるもんだな~と思いました。

本も書いてるようです、、、
Dream&Love(アマゾン)


もう一つ感銘を受けた番組は、

NHK プロフェッショナルの流儀:
子供を鍛える、母の給食
管理栄養士・佐々木十美
http://www.nhk.or.jp/professional/2012/0116/index.html

でした。(こちらは再放送がまだあります)

給食の鬼と呼ばれる人で、学校給食において一年で同じメニューを絶対出さないそうです。

カレーは19種のスパイスをミックスして作る。(食ってみてぇ~)

野菜は地場のものを使う、化学調味料は使わない、などものすごいこだわりをもって給食を作っている人です。

(この人の本もあるようです、、、
)

おうちで給食ごはん―子どもがよろこぶ三つ星レシピ63




この人が、献立を何にしようか迷っている新米の栄養士にアドバイスしている中で、

「メニューを考えていて、これは美味しそうとかいう感覚を大事にしなさい

そういう思いが、食べる人に伝わっていくんだから」

という趣旨のことを語っていました。


この人が作る給食は、映像で見ていてもとても美味しそうなのですが、

それは子供たちに安全で栄養のある美味しい食事を食べて欲しい

子供たちの幸せな笑顔がみたい

という思いに駆り立てられて作っているからだと感じました。


私が常々思うのは、すべてのカタチには意味があるということです。

カタチとして現われているものは、内的なチカラが作用してそのようなカタチをとる訳です。

従ってカタチを理解するには、単にカタチを模倣するだけではなく、

そのカタチを形成するにいたったカラの方を理解しようとする必要があると思うのです。

カタチはチカラから成る。

と私は考えています。

今回の番組の場合で言うと、

ダンスとして現われているのはカタチですが、

そのダンスを単なるカタチだけでなく、そのカタチを生み出すにいたった感情を理解しようとすること、

また給食作りで言うなら、

単に献立をどれにするとか、一年中違うメニューを作るというのはカタチですが、

そういうカタチを生み出すに到った思いを理解すること、

これが大切なポイントとなってくるのではないかと思いました。

このようにカタチを学ぶためには、それに至るチカラを同時に理解しようと努めること、これが大切なのだと思います。

それでは、カタチを生み出すチカラはどこから生まれてくるのか。

それは言葉そのものがあらわしているように、

”から生まれてくるのだと思います。

チカラは“”から発する

“ち”というのは、いのちの“ち”であり、智(知)であり、血であり、地であります。

大いなる心、大いなる愛、生命の源、神と呼ぶこともできるかもしれません。


カタチに“ち”が抜けると、カタだけのもの、すなわち形骸化したものと呼ばれます。

上で紹介したものでいうと、カタチとして現われているのは、ダンスであり、給食でありますが、

チカラに相当するのが感情や“思い”ということになるでしょうか。

ではその強烈な感情や“思い”(想い)はどこから発しているのでしょう。

おそらくそれは、喜び・笑い・思いやり・大いなる満足ということになってくるのかと思います。

それがいのちの“ち”の属性であり、すべてを生み出す本源の智(ウィズダム)なのだと思います。

自分がやってて楽しい、またそれが周りの人たちの喜びにつながる

これが自分にとっての正しいカタチを生み出す鍵なのかなと私は思うのです。


仏教では、身・口・意の三業(しんくいのさんごう)というのがありますが、密教ではこれを三密(さんみつ)といいます。

更にゾクチェンにおいては、身・口・意は単なる体・言葉・心をあらわすものではなく、原初のエネルギーの展開を意味します。

すなわち、

身は法身(原初の心)の物質的側面

口は物質と精神の中間にある気のようなエネルギー、チベット語でルンと表現されるもの、

そして意は表層の心だけでなく、すべての本源たる原初の心(菩提心)を意味します。

原初の心(慈悲・光)→口(気・ルン・振動(音))→物質的形象

となっており、口のレベル=気を、思い(念)・感情と捉えると、

身・口・意がカタチ・チカラ・ち

と対応するかな、などと自分は考えています。


これを英語ではどうなっているのかと考えてみたのですが、

Form(カタチ)は、Force(チカラ)から生まれ、

Forceは、Source(源)から生まれる

と考えると、音の響きも良いのかなと感じています。

特に、Forceは、ジェダイの騎士が使うチカラなのでピッタリだなと思います。(笑)

Form←Force←Source


話しがだいぶ逸れてしまいました。訳わからなかったらスミマセン。

世の中には色々な分野があり、それぞれの世界でその道のプロフェッショナルという人たちがいます。

私はそういう人たちの言葉や動作に対して尊敬の念を持っています。

分野は違えども、そういう人たちは核となる部分(コツ=骨)を掴んでいて、それは皆共通していると感じるからです。

今回同じ時期に、ダンスと給食の達人の番組を見てブログで取り上げましたが、

また心の琴線にふれるような人たちがいたら、随時紹介していきたいと思います。

(って、いつもここで紹介してるのは、そんな人ばっかかな、、、)


おしまい




参考:

情熱大陸:ケントモリ
http://www.mbs.jp/jounetsu/2012/01_15.shtml

NHK プロフェッショナルの流儀:
子供を鍛える、母の給食
管理栄養士・佐々木十美
http://www.nhk.or.jp/professional/2012/0116/index.html

アマゾン:

Dream&Love(ケントモリ著)

おうちで給食ごはん―子どもがよろこぶ三つ星レシピ63(佐々木十美著)






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