今NHKの『100分de名著』という番組で、吉田兼好の徒然草をやっているんですが、
http://www.nhk.or.jp/meicho/famousbook/09_tsurezuregusa/index.html#box01
かなり面白いです。
内容に加え、古文を紹介しているのがなんと、受験生なら誰でも知っているマドンナ古文の先生
荻野文子さんなのであります。
荻野文子さんの本(アマゾン)
受験生なら、かつてマドンナ古文の重要古文単語集や文法書などにお世話になったことでしょう。
私もそうとうお世話になりましたね。読んでて楽しかったから。
しかし人気予備校講師をゲストに招くとは、NHKもやりますなぁ~。
番組初回の冒頭は、徒然草のあの有名な一文の紹介から始まりました。
現代語訳すると、
やることもなく暇に任せて、一日中、硯に向かって、
心に浮かんでくるどうでもいいことをとりとめもなく書いていくと、
妙に気ちがいじみた心地になってくる。
といった感じです。
ここで“ものぐるほしけれ”の部分が昔から議論になるのだそうですが、
荻野先生はそれは恍惚感ではないか、とおっしゃっていました。
心に浮かんでくるどうでもいいことをすべて紙に書いていくというのは、
想念を観察することでもあるので、
それは一種の瞑想状態に入ることであり、これは恍惚感であろうと私も思います。
また心に浮かんでくることを書きつけていくというものとして、
私はユングの奥義ともいわれる
能動的想像法(アクティヴ・イマジネーション)
を思い浮かべます。
シュピーゲルマン著/河合隼雄訳
能動的想像法―内なる魂との対話(アマゾン)
どちらにしても、普段の生活でしている心の規制をゆるめて、
心の流れを良くしてやる方法なので、恍惚感に満たされるというのが正しい解釈かと思います。
ついでながら、先日の試してガッテンで、
不眠ストレス緊張撃退 1日15分!脳の簡単トレ
http://www9.nhk.or.jp/gatten/archives/P20120111.html
というのをやっていたのですが、その中で
早稲田大学の教授 熊野宏昭という先生が出てきて簡単な瞑想法、
というかイメージトレーニングのようなものを紹介していました。
参考までに。。。熊野宏昭先生の著作 (アマゾン)
さて、徒然草のこの回の講義で面白かったのが、
以下の“友だちにしてはいけない人たち”でした。
兼好曰く、友人にしてはいけない人たちというのは、
身分の高い人、若い人、元気な人、酒飲み、武芸を身につけた勇ましい人、ウソつき、欲深い人、、、
でありました。
私は自らの周りの友人、そして自分自身を省みて笑ってしまいました。
周りに酒飲みは結構いるし、
逆に自分は結構体力があるので、一緒に遊ぶと相手を疲れさせてしまうようで、
私としてはもっとやりたいのになぁ~と欲求不満に感じることが多いからです。
これは完全に友だちにしてはいけない部類に属するんだろうな、と感じました。(笑)
兼好が言いたかったのは、
色んな面で自分とはあまり合わない人たちと無理してつき合うと疲れちゃいますよ、
ということだったようです。
ここで吉田兼好の生い立ちが紹介されました。
彼の本名は、卜部兼好といいます。
吉田という姓は自らの家系である神道を司る吉田一族に由来するもので、
そういえば、大学の裏にあった神社(吉田神社)に、吉田兼好と縁のある神社であるとの説明書きがあって
古典で読んでいた人と現実が結びついて、すげぇ~と妙に感動したことを思い出しました。
さて次に面白かったのが、吉田兼好の女性観です。
妻などというものは、男が絶対持つべきでないものである
なぜなら女性の本性はねじけているからである
と述べています。
私は番組を見ながら、かなり笑ってしまいました。
兼好さん、そうとう女性問題で苦労したんだろうな、、と。
さて番組紹介はココまでですが、
受験シーズンということもあって、ついでに彦兵衛の古文の勉強法を紹介しておきましょう。
まず大事なのは、上のように面白い古文を読んでいく、ということです。
結構昔の人って色々面白いことを書いています。それを楽しんじゃおう、という姿勢で取り組むのが一番イイと思います。
その為には、初めから日本語訳を読んで物語を楽しむ、というのもアリです。
書いてある内容を、なにそれ~、みたいな感じで楽しんでから、じゃ、原文ではどういうふうに言っているんだろうか、
と遡るのは有効な方法です。
古文は、へたに日本語と考えるより、外国語として捉えた方がいいです。
従って、なるべく毎日古文に触れ、読むのがいいと思います。
荻野先生の本をはじめ、楽しい古文を集めた本なんかも結構でてますから、そういうのを毎日ちょっとずつでも読んでいくと、実力が確実についていきます。
あとは、古文単語と文法を同時に勉強していく必要があります。
単語はそれなりに楽しんで勉強できるかもしれませんが、文法はちょっとつまらないかもしれませんね。
でもエジプト象形文字を解読するのに、その規則を知る必要があるのと同じで、
古文という未知の言語(?)を読み解いていくには、やはりそのルールを知っている必要があるのです。
面白い古文を読んでいく・単語・文法、この三本柱で進めていくと、古文はいつのまにか読めるようになっていきます。
特に、自分なりの楽しんで学習できる方法を見つけられたら最高ですね。
ちょっと余談になりますが、だいぶ前の「世界ふしぎ発見」で、
万能の天才、レオナルド・ダヴィンチの勉強法の一端が紹介されていました。
食べたくないのに食べるのが健康によくないように、
意欲のない時に勉強しても、覚えが悪いし、効果がない。
これはふしぎ発見の中で出された問題でした。
「食べたくないのに食べるのが健康に良くないように、
ダヴィンチは何をしてもダメだと言っているのでしょう?」
という三択問題でした。
他には「運動をしたくないときにしてもダメといっていた」だとか、そういう選択肢だったとおもうのですが、
なんと誰も正解出来ませんでした。
私は問題を見た瞬間、ああ勉強法についてだろうとすぐに直感しました。
意外と多くの人は、何かを大成した人は努力に努力を積んでその道で成功したと思っているようですが、
実際、本人たちは、楽しいことをやる、楽しいから夢中になってやる、
逆に興味の湧かないことはしない、やりたくないときはしない、
というごく自然の流れにそって学んでいるんだという気がします。
博物館の館長はダヴィンチの勉強法に関して、
とおっしゃっていましたが、私もそう思います。
楽しいから学ぶんだと思います。
さて最後になりましたが、
前回、無農薬のりんご作りに成功した“りんごのおじさん”(木村秋則氏)
のことを取り上げました。あの本を読み終えたのですが、
単に龍を見たとか、UFOに連れ去られて宇宙人に会ったなどということ以上に、
とても含蓄のある、深いメッセージが綴られていました。
私がとりわけ感銘を受けたのは、
植物に語りかける
というくだりでした。
植物や物に語りかけることで、それらが応じてくれる、というものです。
前にテレビ番組で見た、米作りの達人というひとも、
毎朝たんぼを前にラジオ体操をして、稲に話しかけるのだと述べていた事を思い出しました。
私達は、言葉が通じるのは、人間、あるいは高等な動物たちぐらいだと思いこんでいますが、
心が通じるのは、森羅万象すべてなのかもしれない、
と改めて感じました。
真言密教の宇宙観からすると、すべては法身大日如来の心の顕れなのです。
すべては心から出来ているともいえるでしょう。
それはすなわち、こちらが語りかければ、それが植物であれ、物であれ、それに感応するということです。
りんごのおじさんは、植物だけでなく、
職人なら普段使う道具を大切にして、よく手入れするだけで仕事がまったく違ってくるというエピソードも述べていました。
おそらく、普段当たり前に使っている道具なども、「ありがとう」などと語りかけていると、
動きが良くなったり、長持ちしたりするだろうという気がします。
ちょっとこの感覚は忘れかけていたので、これから注意していこうかなと思ってます。
まずは、部屋に置いている観葉植物たちに話しかけ、
普段お世話になっているパソコンや自転車などにお礼を言うようにしようと思いました。
そういうことをしていくと、身の回り、感謝せずにはいられないものばかりだな、と気づかされます。
有難いことであります。
木村秋則さんの本からは、まだまだ学ぶことを発掘できそうなので、
を読んでいこうと思っています。(というより読んでます)
またご報告する事がありましたら、取り上げたいと思います。
おしまい
参考:
NHK 100分de名著:徒然草
http://www.nhk.or.jp/meicho/famousbook/09_tsurezuregusa/index.html#box01
吉田神社
http://www5.ocn.ne.jp/~yosida/
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%90%89%E7%94%B0%E7%A5%9E%E7%A4%BE
不眠ストレス緊張撃退 1日15分!脳の簡単トレ
http://www9.nhk.or.jp/gatten/archives/P20120111.html
世界ふしぎ発見:
頭の良くなるグルメ紀行
天才たちが愛したおいしいトスカーナ
http://www.tbs.co.jp/f-hakken/mystery1212_1.html
アマゾン:
荻野文子さんの著作
木村秋則さんの著作
能動的想像法―内なる魂との対話
熊野宏昭先生の著作
1 件のコメント:
おもろい!!
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