2012年12月4日火曜日

指差し確認の威力!



まず最初にお知らせ!

先月、当ブログで、

飛び抜けた日本人、、、JOI~伊藤穣一さん~

を取り上げましたが、

ナ、ナント、あさってのテレビでそのMITメディアラボが紹介されます!

NHK 地球イチバン:

地球でイチバン未来が見える研究所〔12/6木 夜10時~〕
~徹底潜入・MITメディアラボ~

http://www.nhk.or.jp/ichiban/


タイムリ~!

興味のある方は是非見てみて下さいね~!

モチロン、所長の伊藤穣一さんも出るみたいです!

私は当然、録画予約済みです!!


番組紹介(HPより):

世界大学学術ランキングのコンピューターサイエンス部門で世界1位に輝くマサチューセッツ工科大学(MIT)

コンピューターと人間との融合」をテーマに研究する『メディアラボ』は、世界十数か国から最高の頭脳を集め、電子書籍など、世界中で使われるようになったデジタル技術を次々と開発してきた。

世界を変える”最先端の技術とアイディアはどうやって生み出されるのか。

地球でイチバン未来が見える研究所に潜入する。

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さて、さて話しを本題に戻しまして、、、

私は今年度、職場でリスクマネージメントの係りをやっています。

リスクマネージメントというのは、如何に事故を少なくするかを検討するものです。

いわゆるヒヤリ・ハットを各部署から報告し、それを検討する事で大きな事故を減らそうとするものです。


職場では、ヒヤリ・ハットのかわりに、インシデントという語を用いているのですが、

まず最初に、この言葉に私はひっかかるものを感じました。


インシデント〔incident〕の語源(ラテン語)を調べてみると、

in(中に)+cadere(落ちる)= 降りかかる、起きる

で、事故、アクシデント〔accident〕の方を調べてみると

ac(-へ)+cadere(落ちる)= 身に降りかかる、起きる


つまり、インシデントもアクシデントもともに語源は同じなのです。

ちなみに、case(ケース)も同語源cadereの過去分子形、

casus(起こったこと)=事件、事例

でありました。語源って面白いですね。


話しを元に戻して、二つの語の英語の意味を見てみると、

インシデントの方は、突発的、偶発的な事件、小事故、事変

アクシデントは、事故、災害、

などとなっていて、あまり変わらないのです。


ヒヤリ・ハットなら語感的に、

「あー事故になんなくて良かった、これをみんなで共有しよう」

というプラスの気持ちが出てくるのかと思うのですが、

その同じことをアクシデントの語感に近いインシデントと表現する事で、

「やっべー、インシデントだよ、やっちまったな~」

などと、かなりマイナスのイメージでとらえがちになるのではないかと思うのです。


私はリスクマネージメントの最初の集まりで、このインシデントとアクシデントの語源を比較して、

日本人ならちゃんとヒヤリ・ハットにした方がいいんじゃないかと思う、

ということを提案したのですが、反応はイマイチでした、、。


呼称を何にするか、というのは実はかなり大きな問題なのです。

例えば、第二次世界大戦の終わりの日を、

終戦の日というか、敗戦の日というかで喚起されるイメージが相当変わってきます。

そこにはネーミングした人の意図が現われています。

終戦というと、なんだか自分と関係ない所で戦争が自然に終わっちゃった、、、という感じになりますが、

敗戦というと、勝つために頑張ってきたが、負けてしまった、、、という意味になります。

ちょっとした違いですが、ネーミングによって人間の意識にかなり大きな違いを生みます。

なので、最初のネーミングの時点で、ちゃんと考えておくということはとても大切な事だと思うのですが、

まぁ、ものごとはすぐには変わらないものですね。。。


何もしなかったらゼロなので、とりあえずイイと思われることは、手間でもやっておこうと思い、

インシデントの違和感に対して発表しておいたのでありました。


さて、今回話したいことはこのことではなく、指差し確認についてです。

職場の標語に“指差し確認”があったのですが、標語として掲げる割に、
 
どうも指差し確認の効果に関する認識がゆるいような印象をうけていました。


そこでこれも余計な事かとも思いましたが、

職場で指差し確認の歴史や効果について自分なりにまとめて発表しました。

せっかくまとめたので、本ブログでも、その内容を掲載しておこうと思います。


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私は父が外国航路の船に関わる仕事をしていた関係で、小さいころから指差し確認の大切さを教わってきました。
 
また私自身、ヘルメットをかぶって働く現場で仕事をしていたこともあり、

指差し確認の重要性は、研修などで耳にタコができるほど教わってきました。
   

指差し確認の効果を知ってから、私は普段の生活の中でも、さりげなく指さし確認をしています。

家を出る前のガスや電気を切ったかの確認、玄関を出て鍵を掛けたかの確認、

電車を降りるときに座席や網棚に忘れものをしていないかどうか、

また自転車が好きなので(笑)、

盗られないように自転車を離れる時は鍵の確認やライトなどの装備を外したかの一連の確認を、

小声でヨシ、ヨシと指差しながら行っています。

友人などには、時に

ナニやってるの?

などと聞かれますが、これは“し忘れ”に対してかなり有効なのです!

 

指差し確認とは、、、


指差し確認とは、危険予知(KY)活動の一環として、

確認する対象に対して、指差しを行い、その名称と状態を声に出して確認することです。
 
他の呼び方としては、指差喚呼(しさかんこ)、指差呼称(しさこしょう)などがあります。
 

その歴史、、、


指差し確認は、旧国鉄の運転士が行う信号確認の動作に始まった安全動作です。
 
以下の一連の確認動作を、注意を払うべき対象に対して行うことにより、
 
ミスや労働災害の発生確率を格段に下げることができることが証明されています。

 
1.目で見て

 2.腕を伸ばし指で指して

  3.口を開き声に出して「○○○、ヨシ!

   4.耳で自分の声を聞く

 
(このような動作は、列車の出発時などによく見かけますよね。)
 

また、ひとりの作業員が行った指差し確認に続いて、協働する作業員がそれを復唱すると、

差し確認の効果を更に高めるものとされています。

 

指差し確認は、ただ見て頭の中で確認するだけの場合に比べて誤り率が少ないのです。
 
このため中央労働災害防止協会(中災防)では指差し確認を有効な安全衛生対策として推奨し、
 
現在では指差し確認発祥の鉄道関係者や、

エアライン、建設業、製造業、電力、バス業をはじめ医療の現場などでも広く行われています。
 

(以上、参考:ウィキペディア:指差喚呼(しさかんこ))

  

指差し確認の効果、、、

 
下図のグラフには作業を誤る確率を載せてあります。
 

何もしない場合、作業を誤る確率が2.4%です。

それに対し、指差呼称を行った場合、作業を誤る確率を0.38%に減らすことができます。

 


 

指差し確認では、認識した対象に対して「眼で確認」、「耳(声)で確認」、「手で確認」の三つを行います。

 

これを行うことで、ミスが6分の1に減少します。

 
(以上、参考: 役に立つ薬の情報~専門薬学)

 
   検証結果の数値は実験によって異なるようですが、何もしない動作にくらべ、指差し確認した方がミスが減少することが実証されています。)

 


忙しいときこそ、指差し確認、、、

 

指差し確認をした場合としない場合で時間的な遅れはほとんどないことが確認されています。
 

忙しいとやるべきことがたくさんあります。次々に仕事をこなさなければなりません。

目の前の仕事をしながら頭は次のことを考えてしまいます。
 
はこの状態が極めて危険なのです。


今、目の前の仕事への注意が非常に手薄になっている状態に気づかなければなりません。

つまり、今にもエラーが発生する、まさにその状態にあるのです。
 

そこで、次の仕事に行ってしまった注意や意識を取り戻す方法の一つが指差し確認なのです。
 
人間は認知特性上、指で差しながら声を出している時、他のことを考えるのは非常に難しいのです。できないことはありませんが困難です。
 
ということは、その瞬間は注意や意識が目の前の仕事に集中しているということなのです。
 

(以上、参考:自治医科大学メディカルシミュレーションセンター)

 

以上が指差し確認についての概要です。

仕事の場面に限らず、普段の生活の中でも活用して頂けたらと思います。

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なぜヒヤリハットの報告をするのが事故の軽減につながるのかというと、

事故、災害の研究の中でハインリッヒの法則という有名な法則があるのです↓


 


1件の重大な事故・災害の下には、29件の軽微な事故・災害があり、

その下には300件のヒヤリ・ハットしたことがあるというものです。

このピラミッドにおける最下層のヒヤリハットを減らすことで、重大事故を減らせるのであります。



ついでながら、以前の私のある発表の中で、

本質安全制御安全についてとりあげました。

簡単に説明すると、

エレベーターにおいて挟まれても事故が起こらないように設計しておくのが本質安全で、

挟まれたら事故が起こるがそれをセンサーなどで感知して挟まれないようなシステムにして置くのを制御安全と言います。

本当に安全なシステムとは、本質安全の上に制御安全があることなのだそうですが、

これは失敗学で使われる用語なのです。

で、ついでながら失敗学とはなんのかも説明させて頂いたのであります。

 

失敗学 (しっぱいがく) とは、起こってしまった失敗に対し、責任追及のみに終始せず、

(物理的・個人的な) 直接原因と (背景的・組織的な) 根幹原因を究明する学問のことです。

 
失敗に学び、同じ愚を繰り返さないようにするにはどうすればいいかを考える。

さらに、こうして得られた知識を社会に広め、ほかでも似たような失敗を起こさないように考える。

 
安全工学などとも関係するが、工学・経営学などを網羅的に含んだ概念である。

提唱者は『失敗学のすすめ』 (20054月、講談社) の著者・畑村洋太郎

失敗学の命名は立花隆。畑村を会長に、特定非営利活動法人・失敗学会が2002年に設立された。

(以上、参考:ウィキペディア:失敗学)


こちらの本もオススメ↓

 

 


 

 
 
最近、トンネル崩落事故が起きましたが、これに引っかけて言うなら、


あのトンネルの構造はどちらかというと制御安全の部類に入るでしょう。(安全という言葉を使っていいのなら、、、)

1トンもするコンクリートの板を鉄柱だけでTの字に支えるなどというのは、素人目に見てもナンセンスな構造です。

少なくとも、合掌造りのように三角に組み合わせて互いの自重で止まるようにして置いた上で、

補助として鉄柱でトンネルの天井とつなぎ合わせるという構造をとるべきでしょう。

そもそも1トンもするコンクリ板を天上に吊るすという発想自体、かなり危ういです。


で、更に踏み込んで言うなら、

日本はかつて道路、橋、トンネル、ダムなどの公共事業をバンバンやることで、経済を活性化させてきた面がありますが、

今、これらのメンテナンスが追い付かない状況にあり、

これからもこのような事故は相当な頻度で起こってくるでしょう。


以前にも当ブログで取り上げましたが、
 
橋 〔Bridge〕〔2009年5月11日月曜日〕

このうよな建造物をつくるのは、その時だけの出費で済まず、

あとあとメンテナンスにお金がかかってきて、じわじわと財政を圧迫するのです。

従って、何かを造るにしても、そのあとのメンテナンス費というものをちゃんと勘案すべきだと思うのです。


更にもうひとつ踏み込んで言うなら、

民主党政権において、新たに高速道路や新幹線などの着工が許可されましたが、

今の日本の財政はおよそ900兆の赤字です。

http://www.kh-web.org/fin/


利息を無視して、単純に年間10兆円返済していって、90年かかる額ですが、

毎年新たに40兆とか50兆の借金をして予算を組んでいるのです。

私なんかは、

えっ、これって、今の経済ってバブル経済ってことじゃないの??

と思ってしまうのです。

いつはじけ飛んでもおかしくないです。


ドラッカーは、既に起こった未来をみる

という言い方をして、将来の経済に対して提言をしてきた訳ですが、

この危うさは誰が見ても一目瞭然、

結果は火を見るより明らかではないのか、、、

と思ってしまうのです。


選挙が近づいてきた今、

こういう本質的な所を各政党がどう考えているか、ちゃんと見極めておきたいと思うのであります。


さて、この日のリスクマネージメントの場では、

う一つ、とても有用なブロークンウインドウ理論についても発表させて頂いたのですが、

今回はもう話題がてんこ盛りになり過ぎてしまったので、

次回続きとして書きたいと思います。


とりあえず、おしまい!


 
参考:


 
 
彦兵衛のブログ:

 
橋 〔Bridge〕〔2009年5月11日月曜日〕
 
 
 
 

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