いまNHKの「100分 de 名著」 http://www.nhk.or.jp/meicho/
という番組で、
サン=テグジュペリ 『星の王子様』
を取り上げているのですが、
これがどうして、ナカナカ深い内容で、とても面白く見ています。
で、4回シリーズの第3回は「本当の絆のつくり方」というテーマでした。
----〔番組HPより〕----------------------------------
7つめの星・地球で、王子は5千本のバラが咲いている庭を目にする。
世界にひとつしかないと思っていたバラがこんなにある。自分が愛したバラが、何の変哲もない花に過ぎなかったことを知り、王子はショックを受ける。
すると狐が王子に声をかけた。
狐は王子に、愛は時間によって育まれると言う。
共に過ごした時があるからこそ、かけがえのない唯一の存在になるのだと。
王子は、狐との出会いを通して、幸せとは時間をかけて自分で作り出すものだと悟るのだった。
第3回では、本当の絆のつくり方について語る。
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番組の中で、
人は自由というものを求めるが、
なんの束縛もないというのは、実は繋がりがない状態で、それは寂しいということなんだ、
ということが言われていて、ちょっと色々考えさせられました。
震災以来、「絆」という言葉を頻繁に見受けられるようになりましたが、
それは日本に昔からあった絆というものが薄くなったからで、
震災を被った今、人と人の繋がりで乗り越えましょう!
という事なのだろうと思います。
日本にはもともと和の思想があり、ムラやマチといった地域共同体が機能していました。
しかし高度成長期以来、核家族化が進行し、人と人の繋がりは薄れていきました。
それは、日本人の多くが、そういった繋がりをうっとおしい、嫌だ、と感じたからでしょう。
絆というものも、度が過ぎると、しがらみ、束縛ということになってきます。
また和というものが、強調されすぎると、人を縛る“輪”となり、
大和(ヤマト)などといって大砲を備えた戦艦を造ることに繋がってまうと思うのです。
和というのは、本来、調和の和であり、平和の和であり、それは和音であり、
訓読みでは和やか(なごやか)と読みます。
私のイメージでは、
それぞれが自律しつつ、ゆるやかな協力関係
にあるのが“和”かなと思っています。
そこには、笑いと思いやりがあるように思います。
私は、あらゆることに対して、
所有しない、依存しない、支配しない
というのが楽に生きるキーワードかなと思うのですが、
実際生きるというのは、
物を仮にでも“所有”すること(=預かること)であり、
色んな人、生き物、物に“依存”することだし、
ある程度の“支配”というものがないと、体をはじめ、あらゆるものの規律がとれなくなります。
要は、ほどほど、バランスという事なんだろうと思います。
和も“いい加減の”和が大事であり、
所有、依存、支配
ということに関しても、どちらの方向に行き過ぎることのない、ほどほど感が良いのだと思います。
これは仏教の説く中道ということですね。
欲なんていうのも、完全に無くそうなどと夢想しないことが大切だと思います。
例えばもっとも根源的な、呼吸欲を止める
などということを考えれば、如何に欲をなくすという事が可笑しなことかがわかります。
それはもはや死体ですよね。
ですが、欲や執着が大きいと、また心が騒がしくなって悩み事が多くなるのも事実です。
欲も程よくあると、生きる目標ができて、人生が生き生きとしてくる側面があります。
煩悩即菩提という言葉もありますし!
結局は、バランス、匙加減という事だと思うのです。
絆というものが問い直されている現在の日本にあって、
人と人との絆を新たに模索していこうとするのは大切なことだと思うのですが、
そこでは常に、束縛の輪、にならない、ほどよい匙加減の和というものを
どこか頭の隅にでもおいて探っていくべきないのかな~、と思うのであります。
最近、人との繋がりって大切だよなぁ~、とつくづく実感する彦兵衛は、
この機会に、超久しぶりに『星の王子様』読んでみるのもいいかな~と思っているのであります。
おしまい
天河の続きは、(たぶん)次回載せまーす(写真の整理とか大変なので、、、)
参考:
NHK 100分 de 名著
http://www.nhk.or.jp/meicho/
http://www.nhk.or.jp/meicho/famousbook/18_le-petit-prince/index.html
アマゾン:
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