前回の中村天風さんの本
から、笑いと感謝以外に印象に残った言葉を挙げておきます。
言葉ほど暗示力をもつものはない
常に言葉に慎重な注意を払い、
いかなるときにも、積極的以外の言葉は使わぬよう心がけることである。〔p.36-37〕
夜の世界だけは、特に寝がけは、寝床の中に入ってからは、
この精神のアンテナというものは、無条件に、よいことでも悪い事でも、もうすべてが、差別なく入りこんでしまう。
だからいいことを考えるんだ。
夜の寝床の中だけは、神の懐の中にはいったような、おだやかなきもちになってごらん。
今夜から、寝がけだけは絶対に尊い人間になるんだ。
どんなに体にいい結果が来るか、
やってみたものだけが知る味だ。やってごらんなさい。今夜から。〔p.38-39〕
精神の栄養
口から肉体に入れる食い物は用心していながら、
精神に外界の印象を受け入れるときには、この半分も注意しないで受け入れてる人が多かない?〔p.93〕
肉体を自分だと思って生きていくと、命の生きる力が衰えてくるんですよ。
だから、まず何をおいても、第一に肉体を自己と思うような間違いは厳格に訂正しなきゃいけませんよ。〔p.104〕
病になったならば、病をむしろ忘れるくらいなきもちになりなさい。
病は忘れることによって治る。〔p.109〕
心の置き所を常に積極的にするために、「自分は力だ」ということを、断じて忘れてはならない。〔p.113〕
夜の寝がけは、それがたとえ嘘であってもほんとうでも、
その考えた考え方が無条件に、われわれの潜在意識の中に、すっとはいって来る。
そういう作用がどんな人間にでもあるのです。〔p.117〕
私は毎晩の寝がけに、
「今日一日、本当にありがとうございました。本当に嬉しく、ありがたく、これからやすませていただきます」
と一言いって、床の中に入る。
これが何十年来の私の習慣である。
そして、朝起きると、まず第一に、ニッコリと笑う。〔p.140〕
とにかく一日の人生を生きるときに、
お互いの気持ちに勇気をつける言葉、喜びをわかち合う言葉、
聞いても何となく嬉しい言葉をいい合おうではないか。〔p.178〕
いのちの力の使い方-結論からいうと、これは極めて短い言葉で表現することができる。
すなわち、「力を入れることに重点をおかずに、力を働かすことに重点をおく」
-これである。〔p.188〕
私が事業家にいいたいのは、ここだ。
宇宙の真理に背いた、自分本位の欲望でもって、しようとしたことは、そう滅多に成功するものではない。
事業に成功するのは、自分が欲望から離れて、何かを考えたときに、
また、その考えたことを実行したときに成功するのだ。
同じ事業家でも、欲の塊でやるものと、
「この仕事で、背の中の人のために、本当に役立つものを提供しよう」
という気持ちでやるのとでは、その結果が全然違うのである。〔p.250〕
心の本来の姿は、八面玲瓏(れいろう)、磨ける鏡のように清いものだ。
その清い心にいろいろ汚いものを思わせたり、考えさせるのは、それは心本来が思ってるんじゃない。
「きょう一日、怒らず、怖れず、悲しまず」と、言っているじゃないか。
この「怒らず、怖れず、悲しまず」こそ、正真正銘の心の世界の姿なんだ。
おしまい
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