2023年12月31日日曜日

「死ぬとき幸福な人」に共通する7つのこと ~ホスピス医 小澤竹俊さんの本を読んで、、


今年の秋ごろ、職場の人から、こちらの本をお借りしました。


小澤竹俊 『今日が人生最後の日だと思って生きなさい』2016


ご自分の拠り所にされている本で、たまに読み返したりもしているそうです。


私は、このタイトルの通り、毎朝起きたときに、


今日が人生最後の一日だ、思い切ってしっかり一日を過ごそう!


と思って行動を開始しているので、特に目新しいことはないかな、、と思っていたのですが、


う~ん、なるほど、実際の死の現場に立ち会い、3000人ほどの患者さんを見送ってきた方の言葉には重みがあり、学ぶべきことがあると感じました。


そして、こちらの本を読んだ後に、続けざまに新しい本を2冊読んでみました↓



小澤竹俊『「死ぬとき幸福な人」に共通する7つのこと』2018









共通して感じたことは、人は死の際に、何かを手放したり、人にゆだねたりすることで穏やかになる、ということでした。

特に、自分の人生を自分でコントロールしてきたと思っている人ほど、死の間際に、トイレも含め自分の思い通りにならないことに苦悩し、生きる意味を失うのだそうです。

その状態にある方に、ホスピス医はひたすら寄り添い、話を聞き、本人の気づきを促すことで、患者さんがそれまでにとらわれてたことを手放し、穏やかになっていくのだそうです。

また、今までの価値観がひっくり返り、死の間際に、本当に大切なことがなんだったのかに気づく方も多くいるとのことで、そういう方は安らかな顔をして亡くなっていくとのことでした。

著者は、一般の人たちが死の間際に動揺しないように、また死の間際だけではなく、ぜひまだ健康なうちに生きていることの意味、本当に大切なことはなんなのかに気付いてほしいと思って、このような本を書かれているそうです。

死の間際には、また赤ちゃんのように何もできなくなって、人の世話になって過ごす時間があると思われ、その時に、それを無意味な状態ととらえるのではなく、それまでの価値観を手放し、人にゆだねたりすることが大切になってくるというのは覚えておこうと思いました。

また死の間際というのは、死に向けて、体が準備をするようで、歩く距離が短くなってきたり、食を受け付けなくなって、水も飲まなってきたりするので、そのような状態を観察していると、その人があとどのくらいで死ぬかが分かるのだそうです。

僧侶などで、死ぬ間際に、五穀断ちや断食をしたりするなどの話を聞いたことがありますが、もしかすると、それは自らの意思でやったというよりは、自然の摂理として体がそういう状態になった結果なのだったのかという気がしました。

私は、これらの本を読んで、自分の死の瞬間どういう状況でいたいか想像してみました。

私は出来たら、誰にも見とらわれずに、静かに死を迎えたいと思うし、死後もできたら1週間くらい遺体をそのままにしてほしいなと思います。

ま、これも一種のとらわれなのかもしれませんが、、。

というのは、死の小さい版が毎夜の眠りであり、眠る瞬間にまわりに人がいてほしいと思わないのと同じで、静かに眠りにつきたいと思っているからです。

チベット死者の書にも、死の瞬間に、周りの人が泣いたりすると、それが本人にとっては雷がなっているように感じるというようなことが書いてあり、できるだけ周りに人がいたり、死の間際に医学的な処置だとか言っては体をいじくりまわしたりしてほしくないなと思います。

チベットの最奥の教えであるゾクチェンの教えでは、眠りというのは小さな死であり、1年でいえば365回も死の練習ができるのであり、

眠りの中で修業をすると覚醒している時の9倍の進歩があると言われており、どこから9倍という数字が出てくるのかわかりませんが、眠りというのは最高の修行の機会であることはまちがいないようです。

この一年、私が大きく変えたことのひとつに、瞑想の仕方があります。それまでは、何が何でも、朝起きて、15-30分、長いときには1時間ほどの瞑想を課していましたが、

今ではそれをほとんどしなくなりました。眠りの中での瞑想というのがものすごく有効であることに気づき、遮二無二朝起きて座る必要がないことに気づいたからです。

そして、一日のすべての出来事が瞑想であり、祈りであるととらえることで、すべてを修行の機会にすることができるからで、瞑想のお時間というのをあまりとらなくなりました。

だいぶ話がそれてしまいましたが、私は魂というのは永遠の存在であり、死というのはただの状態の移行であるととらえているので、特に死を忌み嫌ったり、また神聖視もしていませんが、

一般的には、死の話はあまり積極的にはしないものとなっています。しかし、人は誰でも死ぬわけであり、死を意識してこそ、生が輝くし、生をまっとうしてこそ、穏やかに死ぬことができると思います。

一日を例にとると、体を動かし、楽しいことをして、ひとにも喜んでもらって充実して一日を過ごすとたいへんよくぐっすりと眠れるように、

人生も限られた期限つきのものであることを意識しながら生きることで輝くし、そのような人生を過ごして、なるべく後悔することなく死を迎えることで、穏やかに死に移行できるものだと思います。

したがって、たまに死の周辺のことも、このような本を読むことで、意識し、生に活かすことはとてつもなく価値のある大切なことだと私は思います。

本日は、12/31、大晦日、一年の終わりですね。

このようタイミングで、自分の死について想像をめぐらしてみるのも大切かと思い、本日はこちらの本を紹介させていただきました。

参考になることがたくさんあると思うので、興味のある方はぜひ気になる本でも手に取って、読んでみてください。


1年間、ブログを読んでいただき、ありがとうございました。

また、来年もよろしくお願致します。


<(_ _)>







参考:



小澤竹俊『「死ぬとき幸福な人」に共通する7つのこと』2018





小澤竹俊 『今日が人生最後の日だと思って生きなさい』2016





小澤 竹俊 『あなたの強さは、あなたの弱さから生まれる』2022



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