私は、最近読んだピーター・ドラッカーの本の一文を思い出しました。
事業の目的は、顧客の創造であり、顧客への奉仕である
今回私が読んだ本は、ドラッカーさんの最晩年をインタヴューしたものだそうで、智慧の凝縮した珠玉の一冊となっています↓
驚くべきことに、この本の中にGMに関する話しがチョロッと出ていたのですが↓
GMが世界の一流企業から姿を消すだろうとすでに10年前に予想しているくだりがありました。
もしかしたらすでにその時期に、顧客重視から外れていく様子が見て取れたのかもしれません。
大きい企業でも、いやむしろ大きい企業だからこそ、かじ取りを間違えると、その修正は容易でないのだろうと思います。
ドラッカーはその危険性をGMのなかに感じ取っていたのでしょう。
ついでなので、この本の中で私の印象にのこった個所をのせておきますので、興味のある方何かの参考にしてください。
専門化しつつも 統合化しなければならない
このブログで再三にわたってとりあげてきた、「分化と統合」の視点をドラッガーも唱えていました。やはりすごいお人であります。
死体を腐らせないことほど面倒で難しいことはない
面白い例えですが、とても分かりやすい。
自立・自動・自発性の大切さとしても見ることが出来ると思います。
人と共同するとは、強みを引きだし、弱みをなくすこと
組織の優劣は、平凡な人間をして非凡な事をなさしめる否かにある
人の長所短所をどう見るか、どう扱うかに関しては、
前にもブログで取り上げたホンダの元副社長が書いた本『カイより始めよ』にもかいてあり、そちらの方がナルホドと感じさせるものだったので、近々とりあげたいと思います。
人は理念と価値観によって動かされ、信じがたい成果をあげる
企業とは人であり、その知識、能力、絆である
人材ではなく、人財という言葉がありますが、人を大事にしない所は結局長続きしないだろうと思います。
私の学んだ空海の言葉に、つぎのようなものがあります。
物の荒廃は必ず人に由る。人の昇沈は定めて道に在り。
『綜藝種智院式』綜藝種智院式并序
すべての組織は人を基本単位にして成り立っているわけであって、目先の利益に目がいって、1人ひとりの人間をおろそかにし出すと、その組織は荒廃してくのだろうと思います。
また空海はあの時代にすでに一人ひとりの教育の大切さも説いており、やはりスゴイひとだったのだろうと思います。
ドラッガーの先の言葉に戻って、人はホント理念によって動かされると思います。それを痛烈に感じたのは、ソフトバンクの孫社長です。
前にテレビ東京で取り上げられていたので、その一部でも当ブログで紹介出来たらと思います。
テレビ東京 カンブリア宮殿
http://www.tv-tokyo.co.jp/cambria/list/list20100712.html
http://www.tv-tokyo.co.jp/cambria/list/list20100719.html
次回8/30も、孫氏を取り上げるみたいです。見なくては!!
http://www.tv-tokyo.co.jp/cambria/yokoku.html
ドラッカーは日本美術に造詣が深いそうです↓
これは意外でした。こういう人の前世がわかったら相当面白いだろうなぁと思います。
今生の自分の趣味や、部屋の装飾などを見ると、前世の影響が少なからず出ているそうなので、ドラッカーもかつて日本人だった事があるのかも、、、なんて想像してしまいます。
企業とは利益のためのものではない
これは経営者の法外な報酬について言及しているところです。
アメリカでは、トップがひとりで何億もの報酬を受け取るのが当たり前の様ですが、ドラッカーはそれを戒めています。
マイケル・ムーアの『キャピタリズム』の中に、アメリカの企業で経営者も従業員もみな給料は平等にしている会社が紹介されていました。
そこは従業員が働けば働くほど報酬に繋がるので、会社自体とてもうまくいっているのだそうで、アメリカにそんな会社が有る事にビックリしてしまいました。
でも多くの会社は、経営陣が普通の従業員よりも多くの報酬をとるのが当たり前です。
ではどの位だと正常なのでしょうか。
私は人間の体がひとつの参考になるのではないかと思いました。
人間の脳は、成人で1.2-1.4kgで、およそ全体重の5%ほどです。
しかしその5%の脳が消費するエネルギーは、体全体が使うエネルギーの20%ほどらしいです。
ということは、脳は、それ以外の組織がふつうに消費するエネルギーの5倍ほどを与えられているので、
経営陣の報酬は、平均的な従業員の5倍というのがひとつの目安になるのかな、なんて思ったりしました。(多いのか?少ないのかな?)
つづく、、、
参考:
アマゾン:
P.F.ドラッカー―理想企業を求めて
彦兵衛のブログ:
経営の神様 ピーター・ドラッカーの経営哲学
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