先週のクローズアップ現代で、
よみがえる"経営の神様" ドラッカー
というのを放送していました。
ピーター・ドラッカーという人の存在をこの番組で初めて知りましたが、
実はこの方、題名の通り、
経営の神様 あるいは 現代社会最高の哲人
などと称されているそうで、グーグルの創設者をはじめ、
IBMやSONYなどといった世界の名立たる企業が、彼の経営哲学を実践してきたことで有名なのだそうです。
一般に経営のノウハウというと、如何に利益を増やすか、コストを如何に削減するかといったことに終始しがちですが、
彼の哲学はそういった小手先のことではなく、
人々が幸せに生きるために何が必要か?
というもっとも根本的なことを説いているのだそうです。
彼は5年前に95歳で亡くなったのだそうですが、彼の遺した言葉の一端を見ると、、、
○ 人こそ最大の資産である
○ 利益は目的ではない
○ ワクワクドキドキしない仕事は捨てよ
○ 顧客の創造
○ 企業は社会の道具である
○ 強みを生かす
など、とても考えさせられる言葉であふれています。
彼のこのような哲学は如何に生まれたのでしょうか?
それは彼の生きた激動の時代と関わりがあるそうです。
ドラッカーは1909年オーストリアに生まれ、
世界恐慌やナチスの台頭などを目の当たりにし、
利益の追求やイデオロギーは人を必ずしも幸せにしない
という結論に至ったのだそうです。
そして社会や組織はどうあるべきかの追求が始まったそうです。
アメリカに渡ったドラッカーは、
よりよい社会を築くには、組織の運営、マネージメントこそが重要であり、
世界で初めて組織をいかに運営すべきかを体系化し、
以来世界中にその教えを説いてきたのだそうです。
番組の中では、彼のいくつかの言葉が実例とともに紹介されていました。
人は問題を起こす
費用であり驚異である
しかし、人こそ最大の資産である
強みを基準に据える
組織とは人間の弱みを中和し、
同時に人間の強みを成果に結びつけるための、
特殊な道具である
企業の目的は何か?
利益は、目的でなく手段である
企業とは社会の道具であり、
社会のための組織である
ここでドラッカーの大ファンという糸井重里さんと、ドラッカーの著作を翻訳されている上田惇生氏が登場。
糸井さん曰く、
ドラッカーの思想は、横を見るのではなく、先を見るものだそうです。
つまり何かずるいことをして、人を出し抜く、生き馬の目をくりぬくような競争に勝ってこそ利益が出ると言うのではなく、
人の役に立つことこそが飯のタネになるのだと教えられたといいます。
上田氏によると、組織、会社が良いかどうかを見極める幾つかのチェック項目があるそうです↓
○ 会社で敬意を払われているか?
○ 仕事上の能力を高めようと思ったとき会社は応援してくれるか?
○ あなたが貢献してくれることを会社は知っているか?
人を最大の資産と考えるドラッカーの視点からみた良い組織とは、
所属する個人に対して上の三っつの項目を満たしているのだそうです。
上田氏によると、ドラッカーを勉強しているひとたちに共通していのは、
みなニコニコしている
ということなのだそうです。
それは、自分たちが文明をつくっている、いい世の中をつくっているのだという想いがあるからで、
ニコニコせざるをえない、とおっしゃっておられ、
淀川長治氏にちょっと似ているご本人も、すごくニコニコしていることがとても印象的でした。
こんな思想を説いている人が、アメリカにいたなんて初耳でしたが、
驚きと同時に嬉しく思いました。
いまドラッカーの思想が日本に受けている理由は、
何のために働いてるのか?
といったもっとも根本的なことがあやふやで、社会が少しおかしくなっているからではないかと言っておられました。
最後に上田氏は、
いい事を教えてくれているのだから、知った方が人生楽しくなる
とおっしゃっていました。
私は今回、ピーター・ドラッカーという人の名前を初めて聞き、また当然彼の著作も読んだことはありませんが、
これを機会に彼の本を何冊か読んでみたいなぁ~と思いました。
こんな人が世の中にいたんだー、
と、前にエンデの遺言のところで触れたゲゼルというひとを知って以来、ちょっとうきうきした気分です。
本を読んでまた何か感じることがあったら、このブログで扱いたいと思っています。
おしまい
参考:
クローズアップ現代:よみがえる“経営の神様”ドラッカー
http://cgi4.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail.cgi?content_id=2864
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ドラッカーに関する著作一覧
ピーター・ドラッカー〔ウィキペディア〕
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%94%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%89%E3%83%A9%E3%83%83%E3%82%AB%E3%83%BC
シルビオ・ゲゼル〔ウィキペディア〕
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B2%E3%82%BC%E3%83%AB
エンデの遺言:新しいお金のシステム ― Ende's Last Will ― 〔彦兵衛のブログ〕
http://mshiko.blogspot.com/2009/11/endes-last-will.html
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