2008年7月30日水曜日

Dr.新谷さん追加情報~パワーナップとカフェイン



昼寝を習慣化することのメリットとカフェインの害についての記述が心に残ったので以下に引用しておきます。

------ 新谷弘実 『病気にならない生き方3 』 より --------------

私はもう三十年近く、昼食後の昼寝を習慣としています。

最初に昼寝をするようになったのは、あまりにも仕事が忙しく、夜に充分な睡眠をとることができなくなってしまったためでした。

食事をした後、眠気が抑えられず、ラクな体勢でほんの十五分から二十分、仮眠をとっただけでしたが、体が驚くほど回復したのを感じました


たった二十分で、と思われるかもしませんが、上手にリラックスできれば仮眠でも、充分なリカバリーを得ることができます。

さらに、昼寝が習慣化していくと、わずか五分でもぐっすり眠り、体をリカバリーモードに切り替えることができるようになります。ですから、いまでは眠いと感じたらすぐに、五分でも十分でも横になって休むようにしています

≪中略≫

最近アメリカでも、仕事の合間に三十分程度の短い仮眠をとることが仕事の効率アップにつながるとして、適度な仮眠をとることを社員に奨励する会社が増えてきています。

こうした仮眠は、コーネル大学の社会心理学者、ジェームス・マース氏によって

パワーナップpower nap)」

と名付けられ、社会的にも定着しつつあります。ただし、このパワーナップは、長くても三十分を超えないほうが効果が高いといわれています。

≪中略≫

昼寝や仮眠はエンザイムのリカバリーにとても有効です。ぜひ、みなさんも自分の生活のなかに、上手に昼寝を取り入れて、エンザイムのリカバリー力を高めるようにしてください。
(p.116-119)


第二章で、アルコールが、脳に深刻なダメージを与えることをお話ししましたが、コーヒーやお茶に多く含まれるカフェインも、脳に大きなダメージを与えるので注意が必要です。

まず、カフェインにはアルコールと同じように利尿作用があるので、飲みすぎれば体を脱水させてしまいます。しかし、カフェインが脳に与えるダメージは脱水だけではありません。

カフェインは、細胞内の情報伝達において、セカンドメッセンジャーとしての役割を果たすエンザイム「PDE」の働きを阻害してしまいます。つまり、カフェインを多く含むものを摂ると、体内の情報伝達が阻害されてしまう危険があるのです。

しかもこのPDEは、体内の情報伝達のなかでも、とくに脳で行われる学習や記憶のプロセスに関与していることがわかっています。脳の情報伝達をスムーズにするこのエンザイムは、脳の働きにゆとりをもたらす貯金のようなものですから、カフェインは脳の貯金を減らすといってもいいでしょう。

事実、最近の実験では、カフェインの摂取が生体の視覚と記憶分子にダメージを与えることがわかっています。飲水療法を提唱しているバトマンゲリジ医師も、この実験結果を受けて、アルツハイマー患者や学習障害児がカフェインの多い飲み物を飲むことの危険性を強調しています

≪中略≫

日本ではカフェインの毒性はほとんど認識されていませんが、アメリカなど海外の多くの国では、その危険性は広く認知されています。

アメリカへ旅行をしたことのある人はご存じだと思いまずが、向こうでコーヒーを注文すると「キャフェ・オア・デキャフェ?」と聞かれます。これは、カフェイン入りのコーヒーにするか、カフェイン抜き(デキャフェ)にするか確認しているのです。

≪中略≫

人は年をとると、記憶力が低下したり、うまく言葉が出なかったり、体の反応が遅くなったりします。

これは情報伝達の機能が低下していることを意味しますが、これも脳の中で働く「脳内エンザイム」とでもいうべきものが不足するからだと考えられます。

大切な脳の貯金PDEを損なわないためにも、カフェインを含む飲み物、食べ物の摂取は控えめを心がけましょう。
(p.122-126)

------ 引用終了 ------------------------

(※文中にでてくる「エンザイム:enzyme」とは生体内で生命活動を維持するために様々な働きをしている酵素のことです)

お昼寝の話題に関して、
これは言うまでもなく英語のお昼寝をする(take a nap)のナップとパワーアップを掛けた造語ですが、このパワーナップが日本の社会でも定着すればいいな、と思います。

ちょっとパワーナップしてくるか、、

なんていってグーグー寝てるってちょっとマンガチックで面白い。

お茶に関して、
お茶は健康によいと良く言われますが、新谷さんによるとお茶をよく飲む人で腸相のよいひとは一人もいなかったそうです。(これは腸にやさしいといわれているヨーグルトでも同じです)

カフェインを多く含む飲み物は、一日に二、三杯以上飲まないようにしたほうが賢明であると新谷さんは述べています。

2008年7月28日月曜日

最近の読書より ~Dr.新谷さんの健康観



------- 新谷弘実 『病気にならない生き方3 』 より ---------

たまに、「あれほど健康に気をつかっていたのに、なぜあんな病気になってしまったのだろう」といわれてしまう人がいます。

普段から健康のための運動を心がけ、食べ物は有機栽培の野菜、水は浄水器を通し、サプリメントを何種類も飲んで、ひたすら病気にならないようにしていた「健康オタク」のような人が、ガンになったような場合です。

私の患者さんのなかにも、一生懸命取り組むあまり、「そこまで神経質にならなくても大丈夫ですよ」とアドバイスしてしまう人がいます。

こうした人が病気になってしまうのは、生活習慣や食生活における不摂生が原因ではありません。彼らが病気になってしまった原因は「心の不摂生」です。

心に問題を抱えている人は、いくら体をしっかりとメンテナンスしても、本当の意味での健康にはなれません。心配、不安、悲しみ、ねたみや怒りといったマイナス感情は、エンザイムパワーを低下させてしまうからです。

人が健康になるためには、「幸せ」を感じることが必要なのです。アンチエイジングも同じです。体のケアも大切ですが、心のケアはそれ以上に大切です。

ですから私は、嫌なこと、やりたくないことはいっさいしません。それは仕事でもプライベートでも同じです。

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新谷さんはアメリカで活躍されている胃腸を専門とするお医者さんですが、彼の著作を読むにつけ、健康に関する考えがケイシーの健康観にきわめて近いことにとても興味を覚えます。

普通医者というとそれぞれが専門分野をもっていて、その分野に関してのみどうこういう人は多くいますが、こうして「こころ」のあり方も視野に入れた人間全体の健康について語ることができるというのはすばらしいことだと思います。

サイエンス(SCIENCE)の語源は「スキーレ」というラテン語(切ること、知ること)に由来します。

日本語の訳も「科学」、すなわち「分科した学問」となっていますが、まさに科学は分化していく宿命にあるのだと思います。

生命の系統図がひとつの原始生物から発してさまざまな種へと枝分かれしていくように、分化は学問に限らず、生命の宿命・本質のようなものなのかもしれません。

しかし分化したところに立って再び全体を俯瞰する視点をもつということが必ず必要になってくるのであって、それをできない分派はおそらく廃れていくのだと思います。

人間の個という視点からいえばそれは宗教で語られるような悟りということになるのでしょうか、
人類という種で見た場合は地球環境という視点になってくるのでしょうか、
そして医学でいえば新谷さんのような立場にあたるのだろうかという気がします。

いずれにしても本物の道を究めていくと、医学を通じて得た知見も、ケイシーのようなスピリチュアルなところから発した見解も一致してくるのだなと感じます。


話を元に戻すと、新谷さんは人間が健康な生活を送るためには、

「正しい食事」「よい水」「正しい排泄」「正しい呼吸」「適度な運動」「上手な休息・睡眠」「笑いと幸福感」

の七つを挙げています。
ここでいう「正しい食事」というのは、おおざっぱにいうと乳製品や肉、嗜好品(コーヒーやお茶、お酒)を控え、玄米菜食を中心にした食事です。これを一か月するだけで腸相がガラっとかわってくるそうです。

ケイシーも穀物は精製したものでなくなるべく全体(全粒)を食べるようにいっており、肉(特に豚や牛)を控え、野菜をたくさんたべるように指示してます。

また水を頻繁にとること、運動や体操をすること、洗腸をすること、休息を十分にとること、そして心のありようの大切さに関しては何度となく繰り返し強調しています。

ただ呼吸に関してはそれほどケイシーは語っていないのではないかと思います。
(単なる私の勉強不足かもしれませんが、、、)

新谷さんは今回の本を次のようにして締めくくっています。


-----------------------------------

私は胃相・腸相と食歴の関係を調べることによって、胃相・腸相をよくする食習慣と生活習慣が健康維持に役立つことを学びました。

<中略>

動物食や乳製品が体によくないという意見をもつ医師は、私のほかにもじつはたくさんいます。私が住むアメリカでは、そのように考える医師が多数派となりつつあることをぜひ知っておいてほしいと思います。

人間の体を診たこともない人たちがたとえば「牛乳は完全食品である」と声高に叫んでいるのは、医師の私から見れば滑稽そのものです

食がその人の健康を作っている

今後は、この考え方をできるだけ多くの人に知ってもらい、「病気にならない生き方」を実践することが、「地球が病気にならない生き方」にまでつながることを願っています。

--------------了---------------------



参考:

病気にならない生き方3 若返り編』
新谷弘実 サンマーク 2008


2008年7月26日土曜日

吐く息

先日のNHK解体新ショーという番組で

「運動で息切れしない方法ってあるの?」

というテーマをやっていました。
人間が運動をしていて息苦しくなるのは、
酸素が足りなくなるからではなく、二酸化炭素が増加することが原因だそうです。

実験の中で、苦しくなったときでも確かに呼気の中にはまだ酸素が十分に含まれていました。

マラソン選手が普通の人と違うのは、
ろっ骨の筋肉が運動と連動して肺の中の空気をうまく換気し、二酸化炭素をうまく輩出しているからだそうです。

その中で、シンクロナイズドスイミングのコーチをしている先生がでてきたのですが、水中で息を長続きさせるには、単に空気をいっぱい吸ってから潜るのではなく、潜る前に息を完全に吐き切る、いっぱい吸い込むという深呼吸を三回ほどすることだそうです。

そうすることによって、普段は喚起されずに肺の中にたまっている二酸化炭素が完全に吐き出され、酸素濃度の高い空気で肺を満たしてから潜れるので息が長く続くのだそうです。

ゲストの人たちも試してみていましたが、その三回の深呼吸後は普段の1.5倍ぐらい長く息を止めていることができるようになっていました。

こう見てくると、日常の生活の中でこのように完全に息を吐ききるという深呼吸をするのはもしかしたら結構大切なのかもしれないと思います。

最近読んだ

『〈気〉と呼吸法』鎌田茂雄著 帯津良一著 春秋社 1999

という本の中には、気功でも武術でも瞑想でも、吐く息を意識することの大切さが共通項になっているということが述べられていました。

本の中で、身体を視野に入れたユニークな教育学で一時話題を集めた斎藤孝氏の研究発表の話題があったのですが、
彼は、呼吸をするときに「今息を吐いてるぞ」と吐く息に意識をやると気持ちが落ち着き、逆に「今息を吸ってるぞ」と吸うことに意識をおくと興奮してくるということを発表していたそうです。

確かに瞑想においても、 初めのうちは吐く息に意識を合わせることを指導しているものが多いように思います。 マントラ(真言)や聖音、念仏を唱えるというのもその流れなのでしょうね。

他には、密教的な身体観から、身体の左右には太陽と月という陰陽があると考えられていて、右の鼻孔から吸って左の鼻孔からだすと活気がでてきて、逆に左の鼻孔から吸い右からだすとリラッスクしてくると言われますが、実際にやってみると確かにその通りだと感じます。

体操などをやっている人は、動きのなかで吐く息、特に息を完全に吐ききるという意識をもってやってみるのはいかがでしょうか。
私がチベット体操をする時は、完全に吐くこととともに、肛門の筋肉を締めることを意識しています。これをやると体に元気がみなぎってくるように感じます。

お試しあれ。

参考:
NHK解体新ショー
http://www.nhk.or.jp/kaitai/archive/p_archive_20080718.html

『〈気〉と呼吸法』
鎌田茂雄著 帯津良一著 春秋社 1999

2008年7月24日木曜日

アーモンドとエドガー・ケイシー

毎日アーモンドを二粒から三粒食べている人は、癌を恐れる必要はない。週一度ピーナツ油のマッサージを受けている人は、関節炎を恐れる必要がない。(1158-31)

もし毎日一個のアーモンドを食べつづけるならば、決して身体のどこにも腫瘍やそのたぐいのものを築きあげない。日に一個のアーモンドは、りんごよりももっとはるかに医者知らずにする。特にある科の医者には用事がなくなる。 (3180-3)


これはエドガー・ケイシーという人が催眠中に語ったリーディングと呼ばれるアドバイスです。エドガー・ケイシーの食事療法を実践している人にとって、毎日の食事に二、三粒のアーモンドを食べることはあまりに有名であり、かつとても実行しやすい健康法です。
(おいしくてつい食べ過ぎてしまうのも問題ですが、、)
アーモンドを食べることに関しては、他に

一日二個のアーモンドを食べつづけるならば、決して皮膚にしみができない、、、

など、ケイシーのリーディングによるとアーモンドには細胞が腫瘍などに変質するのを防ぐ効果があるものと思われます。しかしつい最近まで私自身も誤解していたのですが、ここでいわれているアーモンドは生のアーモンドであり、一般にナッツとして市販されているローストされたアーモンドのことではないのです。

そうだったんだ、と思い「生アーモンド」をネットで探してみると、楽天などでとても安く売っている店があるものですね。でもさすがに「有機の生アーモンド」となると、それなりに高いみたいです。

前回の写真のようにアーモンド自体は、実の中のそのまた種の中身(仁)にあたるのであまり有機にこだわる必要もないかとも思いますが、環境のこと、前回のミツバチさんたちのことなども考えるとやっぱ有機かなぁ、などと思ってしまいます。


つい買い物というとどこの店で売ってるかなと家の近所に思いを巡らせがちですが、このネットの時代、全国区の一番安い店で買物ができるので送料も考慮しつつ、ネットショップを選択枝に入れて考えるというのは賢い消費者になる条件かと思います。

特に電化製品などは、近所の安いといわれる家電量販店よりさらに安く買えるので、私は近所のお店でまず品物を見て、ネットショップで買うようにしてます。


さて話がすこし横にずれましたが、ケイシーのリーディングとして語られた健康観を眺めてみると、とても理にかなっていると思わされるところが多く、現代の医学もようやくケイシーのレベルに近づいてきたのかと思える点を少なからず感じます。

ケイシーの健康観をひとことで述べるとするなら、以下のリーディングに集約されているといえるでしょう。


私達が考えたこと、私達が食べたもの、それらが合わさって今の私達を作っている。肉体的にも精神的にも。(288-3)


私たちの普段の思い、普段の食事が私たちを作っているということは、逆にいうと病の多くはこれら心と食事の間違った習慣によってつくられるということになります。

ちょうど事故や災害などがいくつかの要因が重なることによって初めて生じるように、病というのもいくつかの柱となる要因に支えられて初めて顕現するものだと思います。

だからある意味病は、家を建てるのと同じで私たち自身が造りあげているのでしょう。なぜなら身体自体には何重かの防御機能がもともと備わっているからです。それを敢えて突破させて病を顕現させているのだから、身体にとってすごく不自然なことをいくつもやらないと病としてはそうそう現れてこないと思います。

ということは、病というのは私たちの生き方が
自然なあり方からすこしずれてますよ、というメッセージなのかもしれません。


最近になってようやく統合医学、ホリスティック医学と呼ばれる心身の関連も含めた人間全体を見る医学が提唱されるようになってきましたが、ケイシーはこれらのことを第二次世界大戦前に述べているのですから驚きです。

他に、心のあり方と健康に関しては以下のようなリーディングもあります。


実のところ、この実体の態度が身体の状態に影響を及ぼしている。周囲の人を嫌わなければ、胃や肝臓を痛めることはない。ねたまず、他の人の怒りを許す人は消化器の具合を悪くしないし、心臓の変調をおこさない。 (4021-1)

誰しも、胃や肝臓を患わずに隣人を嫌うことはできません。消化力をめちゃめちゃにし、心臓を不調にせずに隣人に嫉妬したり怒りの矢を向けたりすることはできません。 (4021-1)

心は建築家である。つまり「考えるが如くに人は在り」と言われるごとく、その心、その身体、その魂は同類を求めて広がってゆく。(564-1)

人生に対する正しい考え方が健全に保たれていれば、食事と運動によってほとんどの病気は鎮静され、克服される。 (288-38)

建設的な考え方を持つように心がけなさい。憎悪を抱いたり自分を嘆いたりしてはなりません。他の人たちは違っていて当然なのですし、万事それで良いのです。あなたはあなた自身の持てるものを楽しみなさい。自分がどんな立場にあろうとも、創造主の力を賛えなさい。 (578-13)


おそらく健康でいることはそんなに難しいことではないと思います。
なぜなら体自体が健康であるようにもともと設計されていると思われるからです。
だからケイシーの述べるように思いと食の習慣、
もうすこし広げて考えるならそれらにおける流れ、心なら普段の思い、休息、祈りや瞑想、食事なら食べる物、食べ方、消化(運動)、排泄までを視野に入れて考えればだいたいいいのではないかと思います。

おおざっぱにいうと私たちは自然にあったことを心がけていればいいと思うのです。
しかしその何が「自然なこと」なのかという本来もっていただろう感覚がもうだいぶ壊れてしまっているのだと思います。
そういう意味でケイシーの残した言葉は、私たちに「自然である」ための良きヒントを与えてくれているのだと思います。


参考:
エドガー・ケイシーの人生を変える健康法
福田高規 たま出版 1993

賢者たちのメッセージ:エドガー・ケイシーに学んだこと
光田秀 編 PHP 2006

眠れる予言者エドガー・ケイシー 新版―あなたの魂をみがくスピリチュアル・メッセージ
光田 秀 総合法令出版 2007

≪アーモンドのお店≫
上野 アメ横 小島屋(生アーモンド)http://www.rakuten.co.jp/kojima-ya/259245/259247/
スローフードキッチン(有機生アーモンド)http://www.rakuten.co.jp/slow-foods/820653/

2008年7月21日月曜日

アーモンドとミツバチ

さて、この花はなんの花でしょう?














とうぜん桜でしょう、、、、と思いきや実はアーモンドの花なのです。びっくりですよね。

少し前にNHKクローズアップ現代でアメリカで今ミツバチが大量に失踪しているという放送をしていたのですが、その中でミツバチがいなくなることによって受粉の困難になる作物がたくさん紹介されていました。


えっこんなのも? とびっくりするほどたくさんの農産物が紹介されていた中に、アーモンドがありました。

が、その花として紹介されていたのがどうみても桜だったのです。
あれ、画像まちがえているんじゃないの?
とおもって見てたのですが、調べてみるとあの桜のような花が実はアーモンドの花だったのです。



ミツバチの謎の大量失踪に関してですが、番組では単一植物の花粉だけを摂取し続けることによる栄養不足、また農薬による免疫の低下などが挙げられていましたが、数千万匹ものハチが短期間の内にいなくなっており、その死骸もみつかっていないというのが不可解です。

この現象は蜂群崩壊症候群(CCD)と名づけられ原因の究明にあたっているそうですが、いまだはっきりしたことはわかっておらず、有効な対策の立てようがないそうです。

旱魃などの異常気象、原油の高騰、穀物のバイオ燃料への転換に加わえ、今回のミツバチの大量失踪は、食物の高騰にさらに拍車をかける要因になりそうだと報告していました。


さて、アーモンドですが調べてみると、
バラ科サクラ属ということで、ほとんど桜と同じ品種といってもいいくらいの近さです。

ナッツとして食べるアーモンドは、
その実の種(正確にいうと仁:種の殻の中身)だそうです。



和名は扁桃(へんとう)というそうです。
そう、あの扁桃腺の扁桃です。
扁桃線は形がアーモンドに似ているからつけられたそうです。

英語のalmondの語源をたどると、ラテン語のamygdalaに由来するそうですが、このamygdalaという語は現在でも人体のアーモンド状の構造をさす専門用語として医学や解剖の分野で使われているので、発想は同じですね

扁桃腺もamygdalaなのですが、ふつうはtonsilという語が用いられるようです。
語源もずばり扁桃腺そのものを意味するラテン語から来ておりアーモンドとは無関係でした。

amygdalaといった場合、専ら脳のアーモンド状の構造、
側頭葉の奥にある扁桃体や小脳の扁桃をさすようです。


この側頭葉の内側にある扁桃体、調べてみるととても興味深いことがいろいろとわかりました。

扁桃体は人間の恐怖や快楽、好き嫌い、食欲、性欲などを司っているそうで、
脳の中心に近いところからもわかるように、旧い脳で、動物的、本能的な機能を果たしているそうです。

サルの扁桃体を破壊すると、ふつうヘビを怖がるサルが平気でヘビにさわり、あるいは噛り付いたりして恐怖とか危険の観念が全くなくなってしまうそうです。
生物の教科書か何かにサルがビニールのヘビのおもちゃをかじっている写真が載っていたのをとても印象深く覚えているのですが、あぁ、あれはこの扁桃体の破壊実験だったんだといまさらながらに認識を新たにしました。

他にこの扁桃体は認知症との関連が言われており、
危険に対する認知力の低下あるいは過剰な恐怖反応、異食(食物と非食物との違いがわからなくなる)や清潔・不潔に対する観念の欠如など、この扁桃体の機能が損なわれたことによる症状と推測させているそうです。


またNHKのためしてガッテンではこの扁桃体と関わりで、「夫婦喧嘩」と「振り込め詐欺」をとりあげていましたが、この場合は扁桃体の働きすぎが問題となったものとみることができると思います。

特に振り込め詐欺にあっている最中は、この扁桃体が活発にはたらいているそうで、向こうから与えられる恐怖や不安そして時間がないといった情報によって扁桃体が活性化し、一種のパニック状態になってしまい、そこからぬけられなくなって、どこかで詐欺ではないかと思いながらもついつい振り込んでしまうそうです。

最近読んだ江原さんの本のなかで、
振り込み詐欺にひっかかるのは、現代の日本人の特徴として、
体面を保つためにその場を取り繕う、臭いものにふた、
といった小我(エゴ)にもとづく心性があり、
振り込め詐欺はこの現代日本人の習性をうまくついた犯罪だという趣旨のことを
述べていたのですが、ああ、なるほどそうだろうなぁと思いました。

確かに扁桃体が過剰に働いてパニック状態になるというのは有ると思いますが、
それ以前に不正などを明るみにしたくない、お金で収まるならそれで解決してしまいたい
といった江原さんのことばでいうなら物質主義的価値観がその根底にあるように思います。

ためしてガッテンでも振り込め詐欺の対処法として、自己破産してもいいんだというような
ある種の開きなおりを提示していましたが、 はじめからそのような気持ちをもっていれば、そもそもパニック状態に陥ることもないわけで 、こういった類の犯罪は確かに世相を反映しているといえるのかもしれません。

アーモンドの花の写真からあれこれと話が発展してしまいましたが、
アーモンドに関してはあと一つ書いておきたいことがあるので次回かくことにします。


参考:
NHKためしてガッテン
初公開! 脳力が決め手・オレオレ詐欺最新対策
http://www3.nhk.or.jp/gatten/archive/2006q2/20060517.html
一触即発!夫婦ゲンカ 怒りの心理学
http://www3.nhk.or.jp/gatten/archive/2007q4/20071107.html

『人間の絆』 江原啓之 小学館 2007

2008年7月17日木曜日

これからの地図はミウラ折りだ!



これは今回のインド旅行で使っていたデリーの市街地図です。


( 空港のツーリストインフォメーションにて無料で貰えます。『地球の歩き方』に載っていないようなメトロの郊外の駅などもしっかり載っていて非常に便利。インド旅行をされる方は是非ゲットしましょう )


どうして地図はこのように破れてしまうのでしょうか。

確かに使う頻度が高いから自然にこすれて破れてしまうというのもありますが、実は「折り目」が問題なのです。

普通に紙を折っていった場合、外側の「折り目」、特に外側の角に一番ストレスがかかります。

たいてい破けてくるのはここからです。この問題を克服したのが「ミウラ折り」です。

(左:普通折 右:ミウラ折 ともに同じ大きさの大学ノートで折ってみました)

このミウラ折りの折り方ですが、
御覧の通り、一方向は平行線、もう一方はギザギザに折ります。














こうして折りたたむと、角がギザギザにずらした分だけずれていくので、どこかの角のみにストレスがかかることがなく、破れにくくなるのです。


また一瞬で開き、一瞬で閉じられるというのもミウラ折りの利点です。ギザギザの折り目がバネの役割をしているようです。


この技術はすでに市販の地図に応用されているほか、衛星のソーラーパネルの開閉にも取り入れられているそうです。

百聞は一見に如かず!

是非ご自分で作って試してみてください。
感動しますよ。




参考:

地図をミウラ折りにしてみよう


ミウラ折り公式サイト

『巻き貝はなぜらせん形か:「かたち」を科学する』
高木隆司 講談社ブルーバックス 1997










2008年7月15日火曜日

生命は爆発だ!



インドのコルカタ(Kolkata:旧称カルカッタ)に私の大好きな植物園があります。



今回のインド旅行でもよってきたのですが、

この植物園に足を踏み入れると、コルカタ市街の混沌や喧噪がうそのようで、



花や緑の香りが漂い、やさしい風がふいて、静けさのなか小鳥がさえずり、





まるで天国の庭園を散歩しているかのような気になります。





この植物園はイギリス統治時代につくられたものと古く、

存在感のある巨木がをあちこちに生えていて驚かされるのですが、




中でも入口から20分ほど歩いて行った所にあるバニアン樹は圧巻です。
 
 
 道の先にある鬱蒼とした森のようなものが一本のバニアン樹です↓
 
 





 
 
 
 












 










 
 




一本の樹であるにもかかわらず、
 
あまりに大きすぎて写真に収まりきれません。

 




説明にもあるように、

樹齢およそ250年

周囲の長さは1キロを超えており、

ギネスにも載っているそうです。





この樹、実は表示のように1925年にモンスーンによる破損により

幹の部分が取り除かれており、







現在は幹から四方八方に延びた枝とそこから生えてきている太い根っこのみが残り、

幹なしでそれぞれが自立しているという状態です。




私が十年前にここを訪れた時、この樹を見て、

「ああ、生命って爆発なんだ、、、、」
としみじみと感じました。

中心で爆発が生じ、200年たって中心がなくなり、爆発の余波が徐々に広がっている


その過程を今みてるんだなぁ、、、と思いました。

そして人間もまた爆発なんだなぁと感じました。

人間の生体も受精という一点から始まって、

何十兆という細胞にまで広がって、やがて80年ぐらいたって消えていくという点で

やはり爆発なんだろうと思います。


そして生体がなくなっても、このバニアン樹のように

多かれ、少なかれ何かしらの余波をこの世に残していくのだと思います。

臨死体験をした人の話などによると、

死後自分が生前にしたあらゆる行いを再体験し、

また自分の行いが社会全体にどのように波及していったかをつぶさに観察するといいます。


おそらく誰でも死んだあと、残されたバニアン樹の枝のように、

自分のなした行いを如実に目にすることになるのでしょう。



特にこの再体験においては、ただ観察するというよりも、

完全に相手の立場に立って再体験するようで、

悪い行いをしたときの追体験はとてもつらいそうです。


シャーロック・ホームズ シリーズの著者であるコナン・ドイル氏

晩年スピリチュアリズムの普及に尽力していたことで有名ですが、

自分のある一部の恐怖をかきたてるような著作が、

あちらの世界から見たときに社会に悪い影響を与えてしまったことを

後悔していると述べているのはとても印象深いものがありました。



『 人にしてもらいたいことを他者に施しなさい 』(マタイ7-12)
というイエスが弟子に与えた山上の垂訓の一節は

黄金律(The Golden Rule)としてよく知られていますが、

臨死体験やスピリチュアリズムの観点をふまえると、

このことばをよりよく理解できるようにおもいます。

道徳ってこういう視点からシンプルに見る必要があるのかなと思います。





参考:

未来からの生還―臨死体験者が見た重大事件
ダニオン ブリンクリー (著), ポール ペリー (著), 大野 晶子 (翻訳)
同朋舎出版 (1994/10)

コナン・ドイルの心霊学
アーサー・コナン ドイル (著), 近藤 千雄 (翻訳)
新潮社 (1992/02)

コナン・ドイル―人類へのスーパーメッセージアイヴァン クック (編集), Ivan Cooke (原著), 大内 博 (翻訳)
講談社 (1994/11)

光の彼方へフィリス アトウォーター (著), 角川 春樹 (翻訳)
ソニーマガジンズ (1995/09)



2008年7月13日日曜日

サボテンの花が咲いた

ウチワサボテンの花がはじめて咲きました。


鉢にクローバーみたいなものも一緒に生えていますが、
自然に生えてきたもので放っておいてあります。




これは二年前、片瀬海岸を散歩していたときに拾ったもので、
そのときは海水につかっていたこともあってかほぼ死にかけていました↓。



私は何かサボテンと縁があるようで 、
下の金鯱(キンシャチ)というサボテンは20年程前に
引地川の砂州に落ちていたのを拾ってきて育てたものです。


植物が育っていく様子を見るのは楽しいものです。

風水的にみるとサボテンのようなトゲのある植物は

旺気ラインといって家の中心から北東-南西を結ぶ線上に

あまり置かない方がいいそうです。

他には、ツルの絡まる植物、水、止まった時計、鏡なども置かない方が良いそうです。

参考: 木津龍馬 『オーラ・スキャン 病気になる人、ならない人』
竹書房 2007