2015年1月26日月曜日

ピースとハイライト ~紅白で歌われたサザンの曲~



年末の紅白に31年ぶりに

サザンオールスターズ

が登場しました。


ですが、その歌やパフォーマンスで批判が巻き起こり、

桑田さんが謝罪するという事態になりました。


そんなに悪い曲だったっけか、、

と、私は録画していた紅白のサザンの歌を見直してみました。


以下、公式の動画もあったので、

よかったら合わせてご覧くださ~い!











まずは、ちょび髭の桑田さんが登場!




司会の中居さんに、

そちらはどうですかー?

と尋ねられて、

(桑田さんは、横浜アリーナで年末の年越しライブを行っていた)

どっちらけですよ~

といって、会場を沸かせています(笑)


で、ヒゲつけたままでいいの?

と尋ねつつ、

ヒゲをはずして歌が始まりました↓











何気なく観たニュースで






お隣の人が怒ってた、






今までどんなに対話(はな)しても






それぞれの主張は変わらない






教科書は現代史を







やる前に時間切れ






そこが一番知りたいのに







何でそうなっちゃうの?






希望の苗を植えていこうよ






地上に愛を育てようよ






未来に平和の花咲くまでは・・・憂鬱(blue)







絵空事かな?お伽噺かな?






互いの幸せを願うことなど







歴史を照らし合わせて






助け合えたらいいじゃない







硬いこぶしを振り上げても






心開かない






都合のいい大義名分(かいしゃく)で







争いを仕掛けて







裸の王様が牛耳る世は・・・狂気(insane)






20世紀で懲りたはずでしょう?







燻る火種が燃え上がるだけ







色んな事情があるけどさ







知ろうよ互いのイイところ!!






希望の苗を植えていこうよ







地上に愛を育てようよ






この素晴らしい地球(ふるさと)に生まれて







悲しい過去も 愚かな行為も








人間(ひと)は何故に忘れてしまう?






愛することを躊躇(ためら)わないで









歌詞を読むと、

もう完全な平和を願う歌ですよね。


コンサートの一部に、

2014年に頂いた紫綬褒章を後ろポケットから出して

オークション始めます、5000円から!

などのパフォーマンスがあったようです。



私は天皇を一人間として尊敬していますが、


彦兵衛のブログ:

天皇の素顔~NHKスペシャルより



桑田さんが好きだからということもあるのかもしれませんが、

まったくといっていいほど不快な感じはしませんでした。


彼は敢えて道化を演じて見せたんだと思います。


かつて中世の王侯貴族は、

傍らに道化を侍らせていたそうです。

そして、道化は唯一、その主人の批判的なことを言うことが許されていたのだそうです。


道化は、その主人の権威を認めつつも、

それが絶対的なものにならないような

バランスをとる役割を担っていたんではないかと思います。


私は、桑田さんが天皇や日本を貶めたというよりも、

その素晴らしさを認めていることを前提に

あのようなパフォーマンスがあった、

成り立ちえたんだと思います。


つまり、その根底には平和を強く願う気持ちがあり、

日本や天皇を敬いつつも、

それが絶対的なものとしてとらえられることの危険性

パフォーマンスを通じて訴えたかったんじゃないかと思います。

(ちょっと行き過ぎな面もあったのかもしれませんが、、)


桑田さんは、自分たちが大切にしているものをそれぞれが持ちつつも、

多様性を認めようよ!

ということを言いたかったんじゃないかと思うんです。


そして、こう思ったときに、

当ブログでとりあげた

 国歌の中に出てくるさざれ石を思い出しました。



彦兵衛のブログ:

鎌倉は桜が咲いていた




鎌倉の鶴岡八幡宮のさざれ石













以下、その時に書いた文を転載しておきます↓



さざれ石というのは、君が代のなかにでてくる、


我が君は 千代にやちよに
さざれ石の巌となりて
苔のむすまで

のさざれ石です。

-  中略  -

近づいてよく見てみると、小さな石をあつめてコンクリートで固めたかのような、なんとなく粗雑な感じのする石です。

なんでこれが、君が代の歌詞にあるのだろうか、、、どんな意味が、、、。

私の脳裏に浮かんだのは、このような

色々な個性のある小さな石が集まって、大きな力=巌となって国というものが成り立っている

という事がいいたいんじゃないか、、、と思ったのです。



(転載ここまで)


そうだよな、大切なのは色々な人がいることを認めることなんだろうな、、

と思うのです。


それの逆が、自分の大切にしているものしか認めない、

とする立場です。

で、結局この思いの衝突が色々な争いの大元にあるように思います。


それは換言すると、2000年まえにお釈迦さんが説いた、

すべての苦しみの元は、執着にある

と説いたことに行きつくのではないかと思います。


自分の思い通りにしようとすることにこだわること、

カタチにとらわれること、

(カタチがあると錯覚すること)


これによって“”が形成され、

その我同士がぶつかり合ったときに争いが起こるように思います。


今、世の中では、日本人が誘拐されて、

一人はとても悲しい結末になりましたが、

これらもすべて、

他を認めないこと

我を通すこと

から発しているように思います。


少なくとも、自分自身、そして自分のまわりからだけでも、

違い、多様性を認めるようになれたらな、、

と思うのです。



この紅白で歌われた曲の最後


悲しい過去も 愚かな行為も

人間は何故に忘れてしまう?



という箇所に、

前回取り上げた東田直樹さん


歴史から学ぶことは多いです。

戦争や差別についてなど、人が繰り返し同じ過ちを犯すことに興味があります。



という言葉を思い出しました。


ちゃんと過去に何があったかを知って

未来に生かしていきたいな、と思います。



もう一回聞きたい方はどうぞ!↓










さて、ついでに紅白で二曲目に歌われた


東京VICTORY

という曲もかなりキャッチーでいい曲だったので、

公式動画を載せておきますね!


今年は、サザンのコンサート行ってみたいな~、、









Wow

時を駆けるよ Time goes round
変わりゆく My hometown
彗星(ほし)が流れるように
夢の未来へ Space goes round
友よ Forever young
みんな頑張って
それ行け Get the chance!!

果てしない空と
海の青さに
胸が騒ぐ

幸せ求めて
人は出逢い
愛を交わす

こんな争い事や
不安に満ちた世の中だけど

時を駆けるよ Time goes round
麗し My hometown
恋の花咲く都
回る 回るよ Space goes round
明日への Winning run
風になりたくて
翔び立て One more chance!!

私を抱きしめ
守ってくれた
人はもういない

希望の灯火(ともしび)
それは金色(きん)に光る
一番星

どうせ生まれたからにゃ
生命(いのち)の限り旅を続けよう

時を駆けるよ Time goes round
変わりゆく My hometown
川の流れのように
ビルの街にも Rising sun
勝利の Final countdown
自分を追い越して
それ行け Get the chance!!

Wow

時が止まったままの
あの日の My hometown
二度と戻れぬ故郷
夢の未来へ Space goes round
友よ Forever young
みんな頑張って
TOKYO, The world is one!!


We got the victory.












2015年1月18日日曜日

自閉症者の心の世界 ~東田直樹さんの著書から~




年末から年始にかけて、

ある自閉症者の本

を読んでいました↓






著者は東田直樹さんという方です。

NHKなんかでも取り上げられてとても有名な方ですが、

本を読むのは初めてでした。


読んでみて感じたのが、

一般の人、いやそれ以上に鋭い視点をもっているということ、

そして、その文章力、表現の豊かさに驚嘆してしまいました。

凄いな、、、と。。。


以下に本の中から抜粋した文章をいくつか載せておきます。


刺すような視線↓


苦しくてたまらなくなると、空を見上げます。

目に飛び込んでくるのは、抜けるような青空と白い雲です。

見ている僕は一人ぼっちなのに、世界中の人と繋がっている気分になります。

自然はどんな時も人々に平等です。

そのことが僕の心を慰めてくれるのです。









挨拶↓


僕は上手に挨拶ができません。

(中略)

僕には、人が見えていないのです。

人も風景の一部となって、僕の目に飛び込んでくるからです。

山も木も建物も鳥も、すべてのものが一斉に僕に話しかけてくる感じなのです。

それらすべてを相手にすることは、もちろんできませんから、その時、

こころに関心のあるものに心を動かされます。






植物↓

頭をからっぽにしたとき、僕の目に映るものは、

まぶしいお日様と風にそよぐ木々たちです。

僕も草になったような錯覚に陥ります。

誰かが僕を呼ぶ声が聞こえます。

声のする方に振り返った時、

自分が人間だったことを思い出すのです。







空いっぱいの青↓

何度注意されても、なぜ自閉症者は、こだわり行動をやめないのでしょう。

僕が青空をみて泣けてくる気持ちは、

こだわり行動をしている時の気持ちに似ています。

せつなくて、寂しくて、どうしようもないくせに幸せなのです。






水が恋しい↓

水に執着する自閉症者は多いです。

(中略)

ふつうの人たちにはわかりづらいかもしれませんが、

水は僕たちにとって、故郷のような存在です。

水を見ているだけで、幸せな気持ちになります。

みんなが「好き」という感覚とは違い、心の奥から湧き出るような喜びを感じるのです。

つらいことも悲しいことも全て忘れ、幸福な気分にひたることができます。

水を触っていると「大丈夫だよ」という地球からのメッセージが聞こえてくる気がするのです。

(中略)

静寂で言葉も存在しない世界なら、自分も生きているだけで十分に幸せだと実感できます。

そこには、僕を縛るものは何もなく、時間さえ超越したかのような世界が広がっているからです。







魂↓

広い原っぱで、腕をぐるぐる回しながら、好きなだけ走り回っているとき、

僕は本当に幸せな気分にひたれます。

風と同化したように、身も心も軽くなります。

僕の魂は、肉体に閉じ込められているのではないかと思う時があります。

(中略)

ふと下界に目を向けると、ひとり騒がしい人間がいます。

困ったやつだとよく見ると、僕だと気づき、慌てて戻ってくるのです。









インタビューにて↓


歴史から学ぶことは多いです。

戦争や差別についてなど、人が繰り返し同じ過ちを犯すことに興味があります。

(中略)

人生にとって重要な学びはふたつあるのではないでしょうか。

ひとつ目は、勉強して、考える力を身につけること。

ふたつ目は、自分の幸せに気づくことです。

外から知識を吸収するだけでなく、

自分の内面を豊かにするのも大事なことだからです。







どうですか?

すごくないですか?

自閉症者でこれほど自分の内面を表現できるケース、

極めて異例です。


自閉症者は外見から見ると、

なんでそんなことするの??

と、つい思ってしまうのですが、

これほど豊饒な世界を生きていることを知って

驚嘆してしまいました。


これは、仏教などが理想とする

心の原初の境地、無分別の境地、悟りの境地

ともいえそうです。

本当の心の豊かさ、

人間にとっての幸せってなんなんだろう、

と考えさせられてしまいます。


私は東田さんの文章を読んで、

かつてブログで取り上げた

左脳を損傷した数学者テイラー博士の話を思い出していました。


彦兵衛のブログ:

選択のちから ~ ある脳科学者の涅槃体験 ~



選択のちから ~ ある脳科学者の涅槃体験 ~ ≪続≫




もしかすると、知能が高くなって分別がつくほど、

人は幸せを感じにくくなってしまうのかもしれないな、、

などと思いました。



私は、今回、この東田さんの本を読んで、

深く深く感動しました。

そして障害者と呼ばれている人たちがやっている

一見奇妙な行動に対して、

自分たちの一方的な見方、価値観を押し付けてはいけないんだな、、

と、これまた深く深く反省した次第です。



実は、この東田直樹さんの講演会が極めて近くであって、

参加できる機会があったのですが、

本で読めばいいや、、

と参加しなかったのです。。。

いかんなーー、、

なんとももったいない!!

こんなすごい人だと知っていたら、参加したのにぃぃ、、。

今になって悔やまれます。

今度機会があったら絶対に参加します!!



東田さんの最初の本は↓






というタイトルで、

これは、アメリカやヨーロッパのアマゾンの売り上げでトップだったそうです。

凄いですね。

でもわかる気がします。

実は私もこの本を最初に読もうと思ったのですが、

図書館で予約してみると、気の遠くなるような予約数だったので、

とりあえず予約数の少ない最新刊の方を、

リクエストして借りたのです。

最初の本も読んでみようと思ってます。


こういう人たちも、ちゃんと生き生きと生きていける社会であってほしいな、、

そういう社会をつくっていかなきゃな、、

と思った次第でありました。


おしまい