インドのコルカタ(Kolkata:旧称カルカッタ)に私の大好きな植物園があります。
今回のインド旅行でもよってきたのですが、
この植物園に足を踏み入れると、コルカタ市街の混沌や喧噪がうそのようで、
花や緑の香りが漂い、やさしい風がふいて、静けさのなか小鳥がさえずり、
まるで天国の庭園を散歩しているかのような気になります。
この植物園はイギリス統治時代につくられたものと古く、
存在感のある巨木がをあちこちに生えていて驚かされるのですが、
中でも入口から20分ほど歩いて行った所にあるバニアン樹は圧巻です。
道の先にある鬱蒼とした森のようなものが一本のバニアン樹です↓
一本の樹であるにもかかわらず、
あまりに大きすぎて写真に収まりきれません。
説明にもあるように、
樹齢およそ250年、
周囲の長さは1キロを超えており、
ギネスにも載っているそうです。
この樹、実は表示のように1925年にモンスーンによる破損により
幹の部分が取り除かれており、
現在は幹から四方八方に延びた枝とそこから生えてきている太い根っこのみが残り、
幹なしでそれぞれが自立しているという状態です。
私が十年前にここを訪れた時、この樹を見て、
「ああ、生命って爆発なんだ、、、、」
としみじみと感じました。
中心で爆発が生じ、200年たって中心がなくなり、爆発の余波が徐々に広がっている
その過程を今みてるんだなぁ、、、と思いました。
そして人間もまた爆発なんだなぁと感じました。
人間の生体も受精という一点から始まって、
何十兆という細胞にまで広がって、やがて80年ぐらいたって消えていくという点で
やはり爆発なんだろうと思います。
そして生体がなくなっても、このバニアン樹のように
多かれ、少なかれ何かしらの余波をこの世に残していくのだと思います。
臨死体験をした人の話などによると、
死後自分が生前にしたあらゆる行いを再体験し、
また自分の行いが社会全体にどのように波及していったかをつぶさに観察するといいます。
おそらく誰でも死んだあと、残されたバニアン樹の枝のように、
自分のなした行いを如実に目にすることになるのでしょう。
特にこの再体験においては、ただ観察するというよりも、
完全に相手の立場に立って再体験するようで、
悪い行いをしたときの追体験はとてもつらいそうです。
シャーロック・ホームズ シリーズの著者であるコナン・ドイル氏は
晩年スピリチュアリズムの普及に尽力していたことで有名ですが、
自分のある一部の恐怖をかきたてるような著作が、
あちらの世界から見たときに社会に悪い影響を与えてしまったことを
後悔していると述べているのはとても印象深いものがありました。
『 人にしてもらいたいことを他者に施しなさい 』(マタイ7-12)
というイエスが弟子に与えた山上の垂訓の一節は
黄金律(The Golden Rule)としてよく知られていますが、
臨死体験やスピリチュアリズムの観点をふまえると、
このことばをよりよく理解できるようにおもいます。
道徳ってこういう視点からシンプルに見る必要があるのかなと思います。
参考:
未来からの生還―臨死体験者が見た重大事件
ダニオン ブリンクリー (著), ポール ペリー (著), 大野 晶子 (翻訳)
同朋舎出版 (1994/10)
コナン・ドイルの心霊学
アーサー・コナン ドイル (著), 近藤 千雄 (翻訳)
新潮社 (1992/02)
コナン・ドイル―人類へのスーパーメッセージアイヴァン クック (編集), Ivan Cooke (原著), 大内 博 (翻訳)
講談社 (1994/11)
光の彼方へフィリス アトウォーター (著), 角川 春樹 (翻訳)
ソニーマガジンズ (1995/09)
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