2009年11月6日金曜日

エンデの遺言:新しいお金のシステム ― Ende's Last Will ―



友人からある動画を見るように薦められました。

それは、あの『ネバー・エンディング・ストーリー』や『モモ』の著者ミヒャエル・エンデさんがその晩年に遺した言葉だそうなのです。

私はてっきり、ファンタジーの重要性人間の想像力などについて次の世代の人たちに遺した言葉なのかなぁ~と漠然とイメージしていたのですが、

この動画を見てとても驚きました。

なんと現在の世界経済の根源的な問題お金のあり方をテーマにしたものだったのです。

どうやらこれに関しては本も出ているようです↓



エンデの遺言―「根源からお金を問うこと」



私自身はあまりこちらの方面の勉強はしてきませんでしたが、現在のお金のあり方にはずっと疑問を感じていました。

特に株のような実体のないお金がお金を生み出し、膨張していく様子には強い警戒感をもっていました。あまりに不自然すぎました。

まだ日本のバブルがはじける数年前、私はある経済学部の友人と議論をしていました。

こんな実体のないお金がどんどん膨らんでいくような社会はいずれ破たんするはずだという私に対して、

その経済学部の学生は、株はお金を銀行から貸してもらえない企業家が一般からお金を集める有効な方法であり、

いまの経済はいたって正常だと自らが大学で習ったのだろう知識を引用して滔々と主張していました。

私は彼に対して自らの印象を述べるだけに終始し、彼を言い負かすことが出来ませんでしたが、結局日本経済ははじけてしまいました。

私は内心、「やっぱりな、あんな状況が続くはずないんだ」と1人勝ち誇ったつもりでいましたが、一抹の寂しさも感じていました。

私のような素人でさえ、あの異常な状況が分かったのに、専門家や現場にいる人たちは気付かなかったのだろうか、、、と。

あるいは、薄々気づいてはいたけどあまりのオイシサにやめるにやめられなかった、というのが真実かもしれません。

かく言う私自身も、20才そこそこで株を買い、濡れ手に粟のようなお金を手にしてしまい、後ろめたさを感じてはいました。

お金はサービスに対する対価であるはずなのに、何もサービスを提供していないものがお金だけをどんどん増やしていくといのは、

明らかにおかしいなと常々感じていました。

今回の動画は、そこらへんの事をどう解決していくかを取り上げたもので、

童話作家のミヒャエル・エンデが社会のことをここまで具体的に考えていたことに驚愕するとともに、とても目を開かされました。

この動画の存在を教えて下さったHHさんには感謝です。

またHHさんは、
安部芳裕氏の著作を読むことも薦めて下さいました。いずれ読んでみようと思っています。

それでは、当のエンデの動画【NHK BS特集】(全60分)をどうぞ↓




Ende`s Last Will 2/6~6/6



参考:

NHKアーカイブス

2 件のコメント:

なんじゃもんじゃ さんのコメント...

早速、動画1-6を見ました。

「お金」に、こんな意味が有るなどと今まで考えた事がなかったので、吃驚・感動して見ました。

今迄、投資などに対する考えとしては、これらのシステムを構築する時の問題、とか、これらを利用する人間の人間性の問題と言う様な視点でしか、考えて見た事が無かったので、とても新鮮な理解を得ました。

早速、図書館に安部芳裕氏の著作の予約三種類ほどしましたが、蔵書が少なく、予約順番は、6番くらいでしたので、読めるのは、大分先になるかな。

その間に、自分なりに、もう一度動画を見ながら「お金の意味・考え方」を噛み締めて見たいと思いました。

彦兵衛 さんのコメント...

老いるお金という概念は新鮮でした。お金が不変の価値をもつというところにメスを入れた画期的なアイデアですね。

地域通貨というものに、これほどの深い意味があるとは初めて知りました。

番組内ででてきたシルビオ・ゲゼル氏のことがウィキペディアにも載っていましたので貼り付けておきます。

シルビオ・ゲゼル【ウィキペディア】
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%AB%E3%83%93%E3%82%AA%E3%83%BB%E3%82%B2%E3%82%BC%E3%83%AB