先日NHKスペシャルで放送された
は、期待に違わず、知的好奇心をかき立てられるとても面白い番組でした。
おおざっぱにですが、ここで内容をかいつまんでとりあげておきます。
まずリーマン予想とは何かというと、、、
ゼータ関数の非自明なゼロ点はすべて一直線上にあるはず、、、
ああ、そういうことなのねぇ~、ナルホドって、
わかるかぁーーー!!
でもさすがはNHK、分かりやすい映像を交えながら段階を追って順に説明してくれました。
まずこれは素数に関しての予想です。
素数とは、2,3,5,7,11,13,17、、、という1とそれ自身以外では割れない数のことですね。
数の配列の中において出現してくる素数の配置に何か規則があるのではないか?
このことを考えたのがオイラーという数学者でした。
まず彼が考えたことは、数を一直線に並べ、素数が出たら一段上がるという素数階段なるものをつくり、
素数の配置がどうなるかを概観してみたそうなのです。
するとあるところでは固まってでてくるのに、あるところでは、ずっとでてこなかったりと、かなりばらつきがあることに気づきました。
この素数のばらつき具合に何か規則があるのだろうか?
周囲が、その配列には何の意味もないといって取り合わない中、オイラーはひとりその規則性を探ろうと研究を続けていたのでした。
そんななか、ある問題を考えているときに、以下のような式を考えたのだそうです。
素数を順番に代入していって掛けていったこの式の結果がなんと、、、
このような式になってしまったというのです!
つまり一見無秩序に見えた素数も、円周率πとこのような式で結ばれたというのです。
これはスゴイ!!!
式を見てみると分かる通り、各項は1より小さくなるので、掛ければある値に収束するだろうことは予想されます。
オイラーはどのような問題を考えている最中にこのような式を思いついたのか知りたいところですが、
素数と円にこのような式で結びつきがあることを発見してしまったのです。
(こんなすごいこと、どうして学校で教えてくれなかったんだろうか!もったいない、、、)
余談になりますが、前に博士の愛した数式をとりあげたときに紹介した
eπi+ 1 = 0
という自然対数eと、虚数iと円周率πともっとも基本となる数1、0が組み合わされた数学の中でもっとも美しいとされる数式も、オイラーが発見したものです。
彼は"超"のつく天才だったんでしょうね。
さて話しは戻ってオイラーの発見によって、素数の配列には何かしらの意味があるらしいということが予想されるのです。
時代が下り、主役のリーマンが登場します。
彼はオイラーの考えた数式をより一般化したゼータ関数というものを考えます。
数式で書くと難しく見えますが、実は先のオイラーの式の中で2乗していたところの2の値をxに置き換えただけの関数です。
この関数を立体のグラフに書き込んでいくことを考えたのですが、
そこで、関数の値がもっとも小さくなる「ゼロ点」の位置がどういう配置になるかを求めてみたのだそうです。
はじめは、素数の配列が無秩序だから、ゼロ点の位置もバラバラになるだろうと予想していたのですが、、、
試しにゼロ点の位置を求めてみると、、、(手計算というのが凄いですね)
試しに求めてみた4っつのゼロ点の位置がなんと、、、
一直線になってしまったのです!!
そこでリーマンはこう考えたのです。
すべてのゼロ点の位置は一直線になるのではないか、、、
これがいわゆる「リーマン予想」というやつです。
ここにきて、素数の問題は別の問題に焼き直されることになりました。すなわち、、、
素数の並びに意味があるのか?という問題は、すべてのゼロ点が一直線に並ぶのかという命題に置き換えられたわけです。
もしゼロ点が一直線にならぶなら、一見ランダムに配列している素数の並びにも意味があったということになります。
リーマンはこの予想を今からちょうど150年前の1859年に打ち立てました。
しかしこの予想の解明に挑戦する天才と呼ばれる数学者たちは、悉く跳ね返されてしまうことになるのです。
その一人として紹介されていたのが、
ジョン・ナッシュ博士(現在81歳)。
彼は、アカデミー賞を受賞した映画 ビューティフル・マインド(2001) でも取り上げられた人物です。
若かりし頃リーマン予想に取り組み、彼ほどの天才ならあの難問も解けるかもしれないと周囲から期待されていたのでした。
しかしいまから50年前の1959年の講演会において、
以下「ビューティフルマインド」の中の映像(ラッセル・クロウ主演)↓
支離滅裂な講演となってしまったのだそうです。
それ以来30年彼は統合失調症(いわゆる精神分裂病)と格闘することになるのです。
私はこの映画を見たことがあるのですが、今回の番組を見てはじめて彼が何に取り組んでいたのかを理解できました。
(この映画、実話をもとにしているだけあって迫力があり、とても面白かったです。おススメです!)
リーマン予想は、それに関わる数学者のキャリアを一撃で粉砕してしまうと噂されるようになり、次第に敬遠されるようになって行ったのでした。
つづく、、、
参考:
リーマンゼータ関数〔ウィキペディア〕
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%9E%E3%83%B3%E3%82%BC%E3%83%BC%E3%82%BF%E9%96%A2%E6%95%B0
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