2020年6月14日日曜日

一隅を照らす ~ 最澄から中村哲医師へ



NHK歴史秘話ヒストリアで、

最澄のことが紹介されました。





いくつか感じたことがあったので紹介しておきましょう。


1つは修行に関してです。













常行三昧という修行が紹介されました。







これは、念仏を唱えながら、

ひたすら本尊の周りを歩くものだそうですが、









90日の間、食事と沐浴の時以外、休むことが許されない、というものだそうです。


ただし、本当に意識がなくなって、どうしようもなくなったら、、






↑このように、木の間にぶら下がって、休んで良いとのことでした(笑)。


また更に過酷な修行として、

あの有名な千日回峰行も紹介されました。












千日の間、ひたすら山中を歩き続けます。

そして、700日を越えるころ、もっとも厳しい修業が課されます。







それは、飲まず食わず、不眠不休で9日間祈り続けるのだそうです。。







仏になる、ということは、

慈悲の心を常にもち、

心平らかに、心安らかになるということだと思います。

果たして、このような苦行が、心の平安につながっているのでしょうか。


私は疑問でなりません。

そもそも、お釈迦さんは、苦行を止めて、瞑想をすること、中道を行くことを説きました。

創始者のお釈迦さんが違うといっているのに、どうしてわざわざ苦行をするのでしょうか。


目的と手段がごっちゃになっていないでしょうか。

目的のために手段があり、

手段がすでに間違っている可能性があるのに、

その手段自体が目的になっていないでしょうか。

伝統のあることに関しては、時に立ち止まってここら辺のことをよく熟考する必要があると私は思います。


大川隆法氏の本に、以下のようなものがあります↓








大川氏は、亡くなった方、あるいは守護霊などの言葉を伝えること、

霊言が出来るとされています。

それが本当なのか、どの程度真実なのか、私にはわかりませんが、

大川氏によると、亡くなった千日回峰行を達成した阿闍梨が現われて、

あの世で苦しんでいる様子であったそうです。


心の平安を得たであろう人が、どうして霊になって彷徨ったりするのでしょう。

私は、この本を読んでいませんし、その霊言というものがどこまで本当の事なのかはわかりませんが、

かなり核心をついているのではないか、かなり真実に近いのではないか

と感じています。

苦行を志すような人は、参考として、一度は目を通しておく必要があるのではないか、

という気がします。


どうしてこのようなことを書くのかというと、

私も真言宗の僧侶になるために、100日間の加行という苦行に近いようなことをやった体験があるからです。

食事を少なくして、睡眠も取らなくして、

など極端なことをやっていると、逆に体が騒ぎ出して、

心も騒がしくなり、寂静の境地などとは程遠いものになることを体験的に知ったからです。


もし寂静の境地を見出そうとするなら、

食事は減らしたりすることなく、食べすぎることなく(笑)

普通に摂り、睡眠も十分にとる、

というのがベースとして必要ではないか、という気がします。

体を追いやって、心が、食べたい、寝たい、と騒がしいままというのは、

これは仏の境地というよりは、餓鬼の境地です。

苦行が良くないことであることを知るために、

敢えてやってみる、というのはいいと思いますが、

お釈迦さんが説いているように中道の道が一番の近道だと思います。


世の中というのは、常にバランスを取るように働いているので、

一方に極端にバランスを崩すと、必ず反動というものが生じます。

なので、食にしろ、睡眠にしろ、極端にならないようにうまくバランスを取りながら、

というのが理想だと感じます。


バランスをとることでしか、うまくいかないようになっている、というのは、

天から、何をやるにしても、バランスをうまく取りながら、やりなさい、

と課題を出されているような気がしてなりません。



さて、話が少しずれてしまいましたが、

唐に渡った最澄は、

法華経を教えの中心に据える天台山の寺に行き、

唐を代表する僧から直接学ぶことが出来ました。

そこで、一つの言葉に巡りあいます。





一隅を守り、千里を照らす

自分の立っている場所を懸命に守れば、

社会を遍く照らすことになる。






暗い社会の隅っこにおいても

自分がその明かりとなりなさい、






人の力によって、人の心によって

世の中を良くする、それしかないと思われた。





ひとりひとりができることをする

それこそが、仏になる道だ

と、最澄はすべての人が仏になれる道を見出したのだそうです。


番組の最後で、なんと、あの中村哲医師が紹介されました。

この一隅を照らすに駆り立てられた人こそ、

中村哲医師だったのです。

















世界中を豊かにするだとか、

全人類を救うだとか、そういうことではなく、






一隅 自分の身の回りから照らしていってください







別に大きなことはせずとも、ひとつひとつ

できることをしていく以外に

何かを実現する方法は無い






このように中村哲医師は仰っていました。


自分の身の回りから、自分の出来ることをする

いいですね、心がけていきたいと思います。









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