アカデミー賞もとり、感動する、素晴らしいと言われていた映画だったので、マジメ、マジメのお涙頂戴感動映画かと思いきや、意外や意外、ユーモアが各所に散りばめられていて結構笑える映画でもありました。
私は映画を観るとき、常に三つの視点から5点満点でその映画を評価します。その三つとは、ストーリー、映像、俳優(キャスティングと演技)です。
最近のアメリカ映画は、極端に映像に偏りすぎていて内容がカラッポ、映像5点、俳優3点、ストーリー1点みたいなのが多く、
観ている最中は興奮して楽しいのですが、あとに何も残らず、せっかく映画館に足を運んだのに、、、とガッカリすることがしばしばなのです。
しかし本日観た『おくりびと』、やはりアカデミー賞を受賞しただけはありました。全体にとてもバランスが良かったです。私の評点は、ストーリー5点、俳優5点、映像4点、といった感じでした。
映像はこれといって目新しいものがなかったのですが、山形の田舎のさびれた風景や山や川などの自然の風景がストーリーのメインテーマである「死」との関連でうまく表現されていたように感じました。
俳優はほんとみんなビッタリと役にはまっていて、これ以上のキャスティングはありえないのではないかと思わせるほど素晴らしかったです。
主役の元木さんの演技は言うまでもなくスバラシかったのですが、私が特に好きだったのは、納棺師の先輩である山崎努さんの存在、そしてその演技でした。
これは彼しか出来ないんじゃないか、と思わせるほどハマリ役でしたね。いやー、渋くていい演技されていましたね。味がありますねぇ。
ストーリーの中心はやはり『死』についてなのですが、あまり深刻になりすぎず、美化しすぎず、ほどよい重さで扱われており、その『死』の周辺にあることも含めて、観た人それぞれが色々と考えさせられる問題を提起しているように感じました。
私が日本映画で映画館に観にいくといえば、宮崎アニメか、タケシ映画か、ドラえもん(いやそれはないです)ぐらいしかありませんでしたが、この映画はホント観にきてよかったなぁ、と感じさせる映画でした。
今日始めて知ったのですが音楽は久石譲さんでした。わたしが観て良かったなぁと感じる映画は、不思議と久石譲さんが音楽の担当をしていることが多いように感じます。
いやーそれにしてもいい映画だった。久しぶりにいい映画を観た。日本の映画って思っている以上にレベル高いぞ、と正直思います。ハリウッドのようなドタバタ映画だけが映画じゃないんだと改めて認識しなおしました。
それにしてもこの映画、アカデミー賞を受賞したすぐ後にクローズアップ現代で取り上げられていたのですが、もともとこの企画を持ち込んだのは、元木さんだったらしいですね。
彼がインドのガンジス河の火葬の風景を見て、最初はショックを受けたものの、死というものは生と同じく自然なものなのではないか、と感じたことがきっかけだったそうです。
このことは映画を観て充分に伝わってきました。と同時に逆に生きていることの貴重さ、生きて色々と体験できる事の尊さを改めて感じさせられました。。。
映画は名古屋で観たのですが、この映画館、トイレの表示がちょっと洒落ていて、、、
男性用はチャップリンで、女性用はマリリンモンローでした。本当は女性用のも撮りたかったのですが、誤解されて監獄に「おくられびと」になったらたいへんだと思い、あきらめました。
映画館を出て名古屋駅前に屹立するスタイリッシュな建物群を見て、
いつもだったらどちらかというと、あーあーこんなもん造っちゃって、、、という感じで見るのですが、映画を観たせいか、よい、よい、と好々爺にでもなった感じでやさしいまなざしで風景を眺めていました。
帰り道に桜が咲いていました。青い空に映える一本の桜がとても美しく感じました。
おしまい。
参考:
おくりびと
http://www.okuribito.jp/
NHKクローズアップ現代:おくりびと
http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku2009/0902-4.html
かっちさんのHP
http://ch03291.kitaguni.tv/
2 件のコメント:
私も映画館まで見に行く邦画は、宮崎映画か北野武映画かしかなかったんですが(笑)
やっぱり良いんですか~じゃあ母も「おくりびと」見たがってるので見てきます!
コメント有難うございます。
おくりびと、観て損はありません!
涙腺のゆるい方はハンカチを持っていったほうがいいかも。。。
(p_-)シクシク
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