2009年3月2日月曜日
乳がんと牛乳【Part.5:原因をつきとめた!】
先月に引き続き、『乳がんと牛乳』から引用していこうと思います。
今回と次回で、著者が乳がんの原因が牛乳にある事をつきとめた本書のクライマックスともよべる部分をとりあげようと思います。
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私は夫のピーターに言ったことを覚えている。
「ねえ、ピーター。あなたは中国から帰ったばっかりでしょ。中国人の生活で私たちと一番違っているのはなんだと思う?中国人はどうして乳がんにならないのでしょう」。
<中略>
中国人はアメリカ人より多量のエネルギーを摂取しているのに、アメリカにくらべて肥満者がずっと少ないということが明らかになった。
これは、1つは中国人の身体活動量が多いということ、2つ目は食べているものがまったく違っているということであった。
調査時には、中国人の平均的食事の脂肪カロリー比はわずか14パーセントで、西洋人の食事の36パーセントにくらべて圧倒的に少なかった。
とうことは、中国人の食事はほとんど炭水化物で占められていたのである。
中国人の食事は低脂肪食である。しかし、私も同じであった。私が乳がんになる前の食事は、脂肪が少ない繊維の多い食事だった。
かつては乳がんを脂肪の摂取量と結びつける研究者がいた。しかし今にいたるまで、大規模の疫学研究で、脂肪摂取量と乳がんのあいだに明らかな関係があるという証拠は得られていない。
ピーターと私は、中国や日本に乳がんが少ないのは、彼らがたくさんの大豆を食べるからだという学説について論議した。大豆に含まれている成分が女性を乳がんからまもっているという説である。
大豆は数千年以上にわたって中国人のタンパク質源であった。大豆からつくられる食品は、豆乳、豆腐、醤油など、種類が非常に多い。大豆が発芽したもやしを食べることもある。
大豆が乳がんの発生を抑える物質を含んでいるという証拠はたくさんある。とくに、大豆に豊富に含まれている、エストロジェンに構造が似た植物エストロジェンが、乳がんの予防に一役買っていると考えられている。
<中略>
遺伝子組み換えでなく、有機栽培された大豆はすばらしいタンパク質源であるから、私も自分の食事にとりいれていた。大豆はそのほかにも幾多の利点があるが、とくに更年期の女性にとって利点が大きい。
<中略>
それからさらに2週間ぐらい経ったある日、ピーターが先に言ったのか私が先だったのかわからないが、「中国人は乳製品を食べない!」ということに気がついた。
このとき私をおそった感覚を言葉でほかの人に説明するのはむずかしい。バラバラになっていたジグソーパズルのたくさんのピースが、一挙におさまるべきところにおさまって絵が完成したような感じだった。
このような不思議な感覚は、私の研究歴のなかで何回もあった。最初は、おかしい、あり得ないなどと言われたが、この感覚をともなった着想はあとになって常に正しいことが証明された。獲物を捕まえた!
真犯人は牛乳だったのだ!
私は牛乳・乳製品の愛好者だった。身体によいと信じていたからである。
乳がんになる前には、低脂肪牛乳を大量に飲み、たくさんの乳製品を食べていた。料理には脱脂粉乳を使ったし、低脂肪チーズとヨーグルトもよく食べた。
牛乳・乳製品は私の主要なタンパク質源だった。それに、安価で脂肪の少ないひき肉を使ってハンバーグやスパゲッティ・ボロネーゼをつくって子どもたちとよく食べていた。今にして思えば、この安いひき肉は乳牛の肉であった!
乳がんと診断されたあとでも、首のリンパ節に乳がんが転移するまで(最後の乳がん)、ブリストル食事療法が許容していたから、私はヨーグルトを食べ、沸かした脱脂粉乳を飲んでいた。
<中略>
しかし、乳がんの真犯人に気づいたとき、私は一切の牛乳・乳製品をただちに止めることにした。チーズ、バター、ヨーグルトはもちろん、乳製品を含むほかの食品もすべて流しとごみ箱に捨てた。
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≪次回につづく≫
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