2009年3月5日木曜日

乳がんと牛乳【Part.7:≪結論≫】


引き続き『乳がんと牛乳』から引用です。本日は結論部分を掲載します。

---------- p.146-156 --------------

ここまで「乳・乳製品が乳がんの原因となる確実な証拠」について述べてきたが、これらをまとめると次のようになる。

ヨーロッパとアメリカの乳がんの発生率は非常に高い。とくに人種が混在しているアメリカ東海岸の乳がんの発生率はヘビースモーカーにおける肺がん発生率と同じくらいである。

このことから、人種に関係なく、欧米の生活の「なにか」が乳がんを引き起こしていると考えるのは当然であろう。


*東洋では、欧米にくらべて伝統的に乳がんと前立腺がんの発生が少ない。しかし、欧米に移住した東洋人の乳がんと前立腺がんの発生率は、世代を重ねると西洋人の発生率に近づく

*東洋の国々でも、欧米流の生活様式をとりいれるようになると、乳がんと前立腺がんの発生率が高くなる。東洋でも、量は少ないが肉は食べられている。東洋人の多くは、ブタ・ニワトリ・アヒルなどの肉を食べている。

しかし、西洋にあって東洋には伝統的にない食材がひとつだけある。乳・乳製品である。


*東洋でも経済発展につれて、牛乳・アイスクリームなどの乳製品や、バーガー・ソーセージなどの乳牛肉の消費が増えるようになった。このような国々では乳がんと前立腺がんが増えている

その典型が日本である。

また中国における食生活の欧米化は都市部から始まり、いまや都会と地方の食生活は大きく異なっている。言うまでもなく、現在、中国都市部の乳がん・前立腺がんの死亡率は地方の死亡率より有意に高い

<中略>

この書物を読んで私のアドバイスを聞いても、

「自分は生涯にわたって乳製品を食べ続けてきたがなんの悪い影響も受けなかった」

と言う人がたくさんいるだろう。これは、40~60本のタバコを毎日吸い続けても100歳まで生きた人がいるという意見に似ている。

<中略>

ガンのリスクを説明するには、飛行機をたとえに使うと分かりやすい。私はタバコを止めるように説得するときに、いつもこのたとえをもちだす。

「あなたはある会社の飛行機であるところへ行くことになっている。しかし、その会社の飛行機は10機に1機は墜落する。その会社の飛行機に乗りますか?乗りませんよね」

と。私は、乳がんになったことで自分が乳がんになりやすい人間だとわかった。だから、乳・乳製品を一切口にしないことにした。食事から乳製品を完全に除いて7年になる。

乳製品をとらないことにしたら、治療不可能と言われていた首の大きな転移腫瘍が次第に小さくなって跡形もなく消えた。脆くなっていた爪はしっかり伸び、肌も最高の状態にある。骨粗鬆症の徴候はまったくない。

<中略>

最後に、私だけでなく、乳がんになった女性で私のアドバイスに従ってくれた人はみな、乳製品を避けることによって乳がんによる死をまぬがれていることをお伝えしておきたい。

-----------引用終了----------------

冒頭に挙げた資料は、この章の最後に付されていた訳者の注です。文章ともども参考になると思ったので添付しておきました。

本書内では、この章にひき続き次章において「プラント・プログラム」として、乳がんにならないための具体的かつ実践的な説明がなされていきます。

概要はいままでのブログ内で取り上げましたが、より詳しく知りたい方、興味のある方はぜひ実際に本を読んでみて下さい。


ついでながらこの本と同系統の主張をしている本を挙げておきます。

新谷弘実『病気にならない生き方』サンマーク出版 2005

→アメリカで内科医をやっている方が書かれた本で、人の腸相から病気にならないためには何を食べるべきかを説いています。本は厚くなく、字も大きく、文章も簡明なので、すぐに読めてしまいます。

ジョン・ロビンズ〔著〕 田村源二訳
エコロジカル・ダイエット―生きのびるための食事法
角川書店1992 [Diet For A New America,1987]

→ なぜ肉・卵・乳製品を食べるのがよくないのかを、環境・人体への影響・動物の飼育状況を含めた広範な視点から説いた名著です。私はこの本を読んでヴェジタリアンになりました。(正確にいうと魚も食べるペスコ・ヴェジですが)


この『乳がんと牛乳』シリーズはもうあと何回か続きます。それでは今日はこの辺で。


参考:

乳がんと牛乳──がん細胞はなぜ消えたのか




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