先月の末に東京の美術館巡りをしてきた話しを載せました。そのときは絵を中心に書きましが、今回は建築について書きたいと思います。
その日はある建築士の方とご一緒させて頂いて絵を見に行ったのですが、最初は乃木坂にある国立新美術館に行きました。
ここは2006年の春に出来たばかりの新しい建物で、
地下鉄の出口から直通で外に出ることなく美術館に行けるようになっていました。
階段を上がってみると外は雪でした。いざチケットを買おうとすると、チケットブースまでの屋根がないのです!?
えっなんだこれゃ!?
ここまで傘をささずにこれたのに、わざわざ券を買うために傘をさしてそこまで行かなければならないのです。
せっかく地下鉄の出口から直通にした意味がないなぁー、などと思っていました。
またここから美術館に至る通路には、ガラス張りのスタイリッシュな屋根が付いているのですが、
この幅も中途半端な感じで両方向に通行する歩行者が雨をしのぐには少し物足りない感じなのです。
しかも雨足が強かったりしたら、確実に歩行者が濡れてしまうような感じなのです。私は思わず建築士の方に、
「なんなんですかね、この建築。使う人のこと考えてませんね。」
と言ったところ、さすがは建築士さん(というより有名なのかもしれませんが)
「これは黒川紀章さんの設計ですよ 」
とおっしゃる。あちゃー、世界の黒川紀章さんって言われてても、こんな基本的なところができていないのかぁ。
私はさらに尋ねた。
「建築って機能性がまずあってそのあとにデザインじゃないですか?これじゃただの自己満足じゃないですか。」
すると建築士さんは、
「建築家のデザインというのはだいたいこんなもんだよ 」
と。つまり機能を犠牲にしてデザインを優先させることが多いという。私は少しがっかりした。 (下は建物内部)
国立新美術館の建築の紹介 には次のように書いてありました。
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建築のコンセプト 設計者 黒川紀章氏より
国立新美術館は、世界でも有数の企画展示室・公募展示室をあわせ持つ美術館である。
10を超える展覧会が同時並行で開催できるよう、作品搬出入は、あらゆる意味で機能性を重視している。
他方で、エントランスロビーのアトリウムは21.6mの天井高で、透明で大波のようにうねる外壁面が特色である。
日射熱・紫外線をカットする省エネ設計でありながら、周囲の森と共生する建築である。
いつも人々が訪れ、レストラン、カフェ、ミュージアムショップが、新しい東京の芸術文化のサロンとなることを願っている。
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これを読むと、作品の搬出入のためには機能を重視したようなのですが、肝心のお客さんの為には機能を考えなかったのだろうか、、、。
私の中で建築というとすぐに思い浮かべるのが、スペインの天才建築家アントニオ・ガウディです。
かれは、徹底的に機能を追求した結果、美しいデザインに辿りつきました。私は新築のマンションなどを見るにつけ、時代はガウディのころから進歩したのだろうかと思うことがあります。 (下はカサ・ミラ、54歳の時の作品)
あるいはガウディが時代を先取りした思想家・建築家だったのかもしれない。そこで彼のことばをたよりにしながら、今の社会に何が足りないのかを考えてみたいと思います。
つづく、、、
参考:
国立新美術館:
ガウディ(ウィキペディア):
画像はHP上から検索し、お借りして使わせて頂きました。
m(_ _)m 有難うございます。
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