前回のつづきです。
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市販のスープ、ビスケット、ケーキなど、いかにたくさんの食品が牛乳・乳製品を材料として含んでいるかを知って改めて驚いた。
<中略>
そのあとのことになるが、1989年に、ヨーグルトが卵巣がんの原因ではないかという論文がでていることを発見した。
ハーバード大学のクレイマー博士が卵巣がんになった人とそうでない人の食事を比較したところ、卵巣がんの女性がそうでない女性にくらべて多くとっている食品がひとつあった。
それは乳製品であった。乳製品のなかでもとくに、健康的と言われているヨーグルトの摂取量が多かった。
<中略>
私は首にできたリンパ節のかたまりの大きさをはさみ尺(ノギス)で測ってグラフにつけてきた。医師や看護師からははげましの言葉をもらったが、自分自身の観察は苦しい真実を物語っていた。
最初の抗がん剤治療はなんの効果ももたらさなかった。かたまりの大きさはまったく変わらなかったのである。
そこで私は乳製品を完全に避けることにした。数日のうちにかたまりが退縮し始めた。
2回目の抗がん剤治療が終わって2週間ほど経ち、乳製品を絶って1週間経つと、くびのかたまりが痒くなり、硬さが減った。グラフ上の線も下方に向かい、かたまりがだんだん小さくなっていった。
その線の下がり方は横軸に平行になるようなものではなく、直線的にゼロに向かっていた。
このことは、私の転移乳がんが、単に抑制されたとか緩和したというのではなく、完全治癒に向かっていることを示すものであった。
乳製品を完全に絶ってから約6週間経ったある土曜日の午後、1時間ほど瞑想を行っていた。そのとき、かたまりが少しでも残っているかどうか首に触れてみた。
かたまりは完全に消失していた。
階下に降りていって、夫のピーターに首に触ってもらったが、彼もかたまりらしきものにまったく触れることができなかった。
翌週の木曜日、チャリング・クロス病院でがんの専門医の診察を受けた。彼は最初、困惑してくびのあたりを触診していたが、
「なにもありませんね」
と言って喜んでくれた。
ごく最近(1999年)この医師の診察を受けたとき、彼は私が受けた抗がん剤治療は過去20年間行われてきた、ごく基礎的なものだったと教えてくれた。
どの医師も、乳がんが首のリンパ節に転移した段階で、私が抗がん剤治療で元気になることはもちろん、生き延びるとすら思っていなかった。
私が最初、この医師に「乳製品を止める」という考えを相談したとき、当時のことながら彼はその効果を疑った。
しかし今では、彼は「中華人民共和国がん死亡率図譜」を講義に使い、自分の乳がん患者に乳製品を止めることを勧めている。
私は今、乳製品と乳がん(おそらく前立腺がんも同じ)の関係は、タバコと肺がんの関係と同じであると信じている。事実、疫学研究では、乳がんと乳製品の関係は20年以上も前から報告されていたのである。
たとえば、1970年には、脂肪の摂取量が多くても乳製品の摂取量が少ない地域では乳がんの死亡が少ないという研究が報告されている。
乳・乳製品が多くなると、女性の乳がんリスクが高くなるという研究もあった。
たとえば、日本では脂肪摂取量が少ないのに、乳・乳製品の摂取量が多くなるにしたがって乳がんの発生率が高くなっている。
私は、乳製品を使わない食事をとることによって、自分の乳がんが治ったと信じている。
最初は、あなた方と同様に私自身も、牛乳のような「自然」の産物が健康に悪いなどという考えを受け入れることはできなかった。
しかし牛乳はほんとうに悪いのだ。次章で牛乳のどこに問題があるのかについて述べることにしよう。
p.115-123
--------引用終了----------
以上が、プラント博士が自らの乳がんの真の原因に気づき、それを克服した経緯です。本文を読むとさらに迫力があるので、興味のある方はぜひ読んでみてください。
乳製品をやめて数日で転移ガンの退縮がはじまり、一ヶ月半で完全消失してしまうというのは、まさに医食同源ということですよね。
手術でも抗がん剤でも放射線治療でも駄目だったのが、食べ物を替えただけでこれらの治療法以上の効果があるといことは、とりもなおさずいかに毎日の食事が大事かということですね。
プラント博士自身、食事は薬だということを述べていました。だから摂り方を間違えば毒にもなりうるという事です。
博士がこの発見に至ったのには、彼女の明晰な科学的思考法があったことと同時に、周囲から様々な情報(たとえば中国のことなど)を収集できたことも大きかったと思われます。
この二つが揃って初めてこのような結論に至れたのだと思います。私はこの本を読んで、失礼ながら彼女に乳がんになって貰ってよかったのではないかと思いました。
この本の主題は、
「日光を浴びすぎると皮膚がんに、たばこを吸うと肺がんになるのと同じで、乳製品をとると乳がん(前立腺がん)になり安くなる」
ということだと思いますが、もっと大きなテーマは、
正しいとされていること、特に専門家や権威のある人が正しいとしているものでもそれを盲目的に信じない。
ということだと思います。彼女にはそのような真の科学者としての反骨の精神があったからこそ、本質的な結論に至れたのだと思います。
次回は博士の自らの体験を通しての結論とともに、いかにしてそのような科学的な批判精神を育んだのか、その生い立ちに少し触れてみたいと思います。
おしまい
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