2009年4月30日木曜日
お茶でうがい 〔Gargle with Tea〕
葬式に行ってきたことは前回書きましたが、そこで熊本から来られた叔母さんに久しぶりに会いました。
叔母さんは小学校の校長先生をされているのですが、今回
豚インフルエンザ
が流行りだした事もあって、
「マスクもってきまたか?」
と聞いてみた所、さすがはこーちょせんせー、
にこっ、と笑ってカバンからウイルスもガードできるマスクの束を見せてくれました。
「ウチの学校はね、冬のインフルエンザの時期になっても、インフルエンザにかかる児童が少ないのよ」
と叔母さん。
どうしてですかと尋ねると、
地元の茶園から製造過程で出る粉茶をタダで譲ってもらって、それでお茶を出し、児童にうがいをさせているのだという。なんと贅沢な!
「え、でも粉茶って、ふつうに飲んでもおいしいですよ」
「そう、でもそれをうがい用につかってるのよ、ウチの学校では」
とのこと。
「うがい用といって茶園からタダで貰って、一部をふつうに売れば儲かりますね」
といったところ、「ははは」と笑って流されてしまいました。
さすがはこーちょーせんせー。
(当たり前です!)
そういえば、私も昔はそんな情報をどこかで耳にしていたので、緑茶を飲んだあとの茶殻でまたお茶を出し、うがいをしていたのを思い出しました。
そのときうがいをするとともに、鼻にもお茶を通していたので、お茶の香りが鼻の中にかすかに残ってさわやかだったことを思い出しました。
ネットで調べてみると、
(お茶、緑茶、紅茶、うがい、などで検索すると結構でてきます)
必ずしも緑茶でなくともよく、むしろ紅茶でやった方が効果があるという人もいるようです。
要はお茶のカテキンなどに殺菌作用があるようなので、緑茶でも紅茶でもウーロン茶でも、茶の木からとれたお茶ならなんでも良いようです。
(そういう意味でいえば、麦茶はだめですね)
飲んだ後の茶殻を捨ててしまうのでなく、もう一回熱湯でだしてからうがい用、鼻すすぎ用に使うのはとてもリーズナブルだなと思います。
そういえば、お茶の出がらしを利用して、畳や床をふくと殺菌効果があって良いというような番組をどこかでみたような気がします。
また私が働いていた旅館では、飲み残しのお茶をそのままテーブルに、ちょろろっ、とたらし、布巾で拭いてました。
こうすると、すき焼きなどでべたべたになった机もきれいになるのよ、と中居さんのおばちゃんから習いました。
話しが少しそれましたが、豚インフルエンザが広がり始めたいま、私たちが出来る事といえば、毎日のささいな習慣を継続することだと思います。
まずは前にもこのブログで取り上げた
鼻呼吸
です。ニュースで空港の映像が連日のように流れていますが、マスクもせずに、口をぽかっとあけて歩いているひとが目に付きました。
無意識にしている口呼吸をなおして鼻呼吸にするだけで、感染率はかなりさがるそうです。なんせ鼻の中には、鼻毛がふさふさはえてますからね。
その上で、マスクの着用、帰宅後の手洗い、うがい、鼻すすぎでしょう。そしてここでお茶を使えばさらに効果アップ。
うがいや鼻をすすぐのは、塩水でも効果が有るようです。特に鼻をすすぐのになれていない人は、ぬるま湯に塩を少し入れたやつの方が、やりやすいようです。
私は勤めていた旅館で夜勤の時、この塩水のうがい、鼻すすぎをしたのですが、塩水で鼻をすすぐとなぜか鼻腔のどこかにこの塩水がかなり大量にたまるようで、
修学旅行の生徒さんに何かを尋ねられてはなしている最中に、この塩水が鼻から、
たららーー、
女生徒にぷっと笑われてしまいました。
余談はさておき、私は久しぶりに緑茶でうがいと鼻すすぎやってみました。ふつうに水でやるよりすっきり、とてもさわやかです。
うちの
ダージリンティー
を飲んで頂いている方は、是非ダージリンティーでもお試しください。鼻腔が、ダージリンの香りで満たされ至福の境地、、、か?。
おしまい。
参考:
彦兵衛ブログ:鼻呼吸-博士の異常な健康より
Gargle with Tea!
http://www.green-tea-health-news.com/flu-prevention.html
2009年4月29日水曜日
祖父逝く
再び京都へ 。
母方の祖父が亡くなり、急遽京都へ行ってきました。
京都タワー〔Kyoto Tower〕
95歳でした。祖父は画家でした。私が8年間京都にいた間も、ちょくちゅく食事などに誘ってくれたり、師匠の堂本印象の美術館に連れて行ってもらったりしました。
今回も祖父を偲んで、堂本印象美術館によってきました。
印象さんの絵は何度見ても刺激を受けます。
≪印象代表作 交響≫
[Symphoney by Insho Domoto]
やっぱ天才です。見ているとこちらの心が浮き立ってくるように感じます。美術館を訪れた事はまた機会を改めて取り上げたいと思います。
ちょうど一ヶ月前、虫の知らせとでもいうのでしょうか、名古屋に来ていたので、ついでに18切符を使って京都まで足をのばしみるか、と思ったのです。
京都駅ビル(Kyoto Station Building)
そして、少し強引ではありましたが、寝たきりになって入院中の祖父に会いにいったのですが、今となってはあのとき会っておいて良かったなぁと思います。
もう半分意識が向こうにいっているような感じで、あまり先も長くないのかなという感じでしたが、私の顔をちゃんと認識し、別れ際に、動かない手を一所懸命上げて
「お互いがんばりましょう」
といって握手した手の感触をまだ生々しく覚えています。
95歳まで生きたわけですが、晩年はガンの再発で苦しんでいたようでした。右手が動かなくなり、最後は左手だけで絵を描いてました。
祖父は生命(いのち)を描きたいといっていたのをとても印象深く覚えているのですが、95年の人生の中で生命を描けたと思える作品があったのか聞いてみたかったなぁと思うのですが、それもかなわぬ夢となりました。
しかし彼の人生自身で生命(いのち)を描ききったなぁ、と思うのです。
戦争に行き、画家になるために苦労し、教職につき、ガンになり、と壮絶な人生だったと思います。本当に生き切ったなぁ、立派だったなぁと思うのです。
臨死体験の研究者であるキューブラー・ロス博士は、死とは、芋虫が蝶になるように単に状態が変わるだけでその人の意識が消滅してしまうわけではないということを言っていますが、
たぶん人の魂というのは、死後も肉体の無くなった別の状態で生き続けるのだろうなと思います。
だから葬式の場でも、私は亡くなって悲しいというよりは、重い身体から解放されてよかったね、という気持ちでいるように心がけました。
チベット死者の書にもあるのですが、死んだ直後の人は、意識が裸になったような状態になり、周りで人が泣いていると、その声が雷が鳴っているように聞こえるというのです。
目で見えなくなったから悲しいというのは、たとえば友人が旅行にいって目で見えなくなるから悲しいといつまでも泣いているというのと同じで、結構子供っぽいぞと思うのです。
葬式の会場では、
♪♪ わたしのー、おはかのーまえでー、泣かないで下さいーー
と例の歌が延々と流れていたのですが、祖父もおそらく“風”という目に見えない状態になってどこか私たちの知らない所を吹いているんだなぁと思います。
五月の風のように、かろやかな風となって吹いていたらいいなぁと思いました。
旅館の近くにあったお寺の置物
(猿寺正行院:SARUDERA SHOUGYOU-IN)
[Monkey Temple in Kyoto]
参考:
堂本印象美術館(Insho-Domoto Art Museum in Kyoto)
http://www2.ocn.ne.jp/~domoto/
キューブラー・ロス博士の著作
「死ぬ瞬間」など(Amazon)
http://www.amazon.co.jp/s/qid=1241051357/ref=sr_st?__mk_ja_JP=%83J%83%5E%83J%83i&rs=&page=1&rh=n%3A%21465610%2Ci%3Astripbooks%2Cp_27%3A%83G%83%8A%83U%83x%83X+%83L%83%85%81%5B%83u%83%89%81%5B%81E%83%8D%83X&sort=reviewrank
猿寺正行院(猿寺正行院:SARUDERA SHOUGYOU-IN)
http://72.14.235.132/search?q=cache:WS4mlUpOR28J:raku.city.kyoto.jp/sight/new/view_sight.php%3FInforKindCode%3D1%26ManageCode%3D1000102+%E7%8C%BF%E5%AF%BA%E6%AD%A3%E8%A1%8C%E5%AF%BA&cd=5&hl=ja&ct=clnk&gl=jp
http://tuusyou.hp.infoseek.co.jp/t018.html
2009年4月27日月曜日
聞こえないの!?
先日ヤフーのニュースで、公園など若者のたむろするところに、
モスキート音
[Mosquito Sound]
を発する装置を設置しようという動きがあることを報じていたました。
ニュース記事:
深夜の公園、迷惑若者はモスキート音で撃退…5月に実験(YOMIURI ONLINEより) 切り抜き
私の従弟が大学で音声の研究をしており、この高周波音を聞かせて貰いましたが、 まわりの人がまったく聞こえない事にびっくりしました。
よく庭先やガレージなどに、人が通ると
ピュイーーン
と鳴って不快な音を出す装置があって、おそらく猫よけだと思われるのですが、
通るたびにこんな音を聞いてよく住人の人は不快じゃないなぁと思っていたのですが、この音ふつうの“大人”には聞こえないんだそうです。
この高周波音を試せるHPが、ヤフーのニュースからリンクされていました。
皆さん試してみてはいかがでしょう。
モスキート音 - PCによる可聴周波数実験
[Mosquito Sound Test](アクアニアさんのHP より)
http://www.geocities.jp/aquania_sky/rabo/01.html
(ちなみに私はこのページの作成者(15才)が聞こえなくなるという17000Hzまで聞こえました。既にガラスの10代ははるか昔ですが。。。毎日顔を洗うついでにする耳のマッサージがいいのかなぁー、、、)
参考:
アクアニアさんのHP
http://www.geocities.jp/aquania_sky/rabo/01.html
ニコニコ動画の方にも投稿されているようです。
http://www.nicovideo.jp/watch/sm6970511
2009年4月26日日曜日
\( ^◇^)/自転車を買いました ♪♪
自転車を買いました!
といっても私のではありません。父が買いました。
私のは。コレ!で、いまだ健在です。
実はこの自転車、とてもキレイに見えますが中古なのです。
●●●オフという、中古商品を扱う店に陳列してあったもので、2年程前から目を付けていたものでした。
中古車ではありますが、極めて状態がよく、新品の値段からあまり値引きされていませんでした。
もう少し安くなったら買うのになぁーと父は常々言っていました。
ところがつい先日、その店をぶらっと訪ねてみると、ナントその目標価格まで下がっているではないか!!
店内を一周して心を落ち着かせてから、店員さんに話しを聞いてみると、本日中に現金で払うならということで更に●千円の値引きに成功。
これは買うしかない、ということで、自称チーリー・マイスターの私を連れだって大雨の降るなか、閉店前の夜九時過ぎにお店に取りに行ったという代物でした。
(雨にぬれてびしょびしょだったので、雑巾で
ふきふきされて玄関で一泊した自転車様)
メーカーはGIANTで、TRANCE4の2007年モデルです。
私の自転車はGTというメーカーの前後輪サスペンション付きの自転車なのですが、
悔しい事に今回ゲットした父の自転車は、さらにその上を行く性能を有していました。
性能その① ディスクブレーキ
前輪ディスクブレーキ
後輪ディスクブレーキ
私も少し乗せてもらいまたが、このディスクブレーキ、制動力が桁違いでした。ふつうはバイクについている代物なので、自転車なんか恐ろしいほど止まります。
私もディスクブレーキ仕様のものを自転車購入時に考えたのですが、後からつければいいかなぁーということで断念したシステムでありました。
性能その② 前後のサスペンション
これは私のにもついていますが、街中の段差を越える時にとても重宝します。
段差があっても常にクッションに座っているかのように衝撃を吸収してくれるので、一度その味を知ってしまうと、前後サスなしの自転車は乗れなくなってしまいます。
性能その③ ギヤ
なんと、前3段、後9段で合計27段の変速が可能なのです!
私のは3×7=21段です、、、なんてコッタイ。
翌日さっそく各パーツを分解、油を差していました。

ワシの自転車はジャマモノ扱い!
こだわりのある自転車屋さんによると、自転車に差すオイルは通常使われるようなドロドロのオイルではなく、スプレー式のシリコンオイルが良いそうです。
このオイルは細かい粒子が主成分でさらさらなので、普通のオイルのようにチェーンが泥を付着させて黒くなったりしないそうで、その分ロスも少なく、とても良いそうです。
(価格もこれで298円でした。at フィル内ホームセンターロイヤル)
そういえば、バイクもチェーンにはこのようなサラサラのオイルを使っていのたので、自転車にも当然いいんでしょう。
自転車をすべて分解してどうするかというと、、、
輪行(りんこう)バッグという自転車を持ち運びできる袋に入れて、電車で名古屋まで持って帰るというのです。
2009年4月25日土曜日
マクガヴァン・レポート~『ガンに効く生活』より
今回で『ガンに効く生活』のシリーズは最後にしようと思います。
最後に取り上げるのは、知る人ぞ知るマクガヴァン・レポートについてです。
著者はまだ幼い時に、父親に連れられ上院議員ジョージ・マクガバン本人にあったそうです。


このように、マクガヴァンは当時正しいと思われることを発表したにもかかわらず、食品業界からの猛烈な反発にあい、政治家として相当追い詰められていた様子が語られています。
マクガヴァン・レポート自体は食に関する本を渉猟するなかでちょくちょく目にしてはいましたが、それを発表した当人がこれほどの窮地に追い込まれていたとは知りませんでした。
かつてこのブログでも取り上げましたが、このような現象は対岸の火事ではなく、まさにこの日本で戦後一貫して行われてきたことなのです。
アメリカが自国の余剰農産物を売るために、日本の食事を西洋化し、それによって日本人のガン罹患率、血管系の疾患が急上昇してきたのです。
いまやマスコミが司法・立法・行政に次ぐ、あるいはそれを凌ぐ程の力をもっていますが、そのマスコミ自体はスポンサー、つまり産業界によって支えられています。
ということは容易に想像のつく事ですが、産業界に不利な事は情報として流されない、あるいは産業界にとって都合が良ければ私たちにとって良くない事も平気で連呼される可能性があるということです。
また冒頭に紹介した文章にあったように、研究者もその資金を提供してくれる側に不利な事は研究できず、またスポンサーに都合のいいような一部を誇張したような結果を出し、真実の情報が捻じ曲げられる可能性が十分にあるのです。
放送業界では唯一NHKだけが産業界からは独立しているので、少なくともNHKだけにはガンバってもらいたいなぁと期待しているのです。
前に取り上げた食糧危機の特集で放送したような内容を、もっと多角的に他のNHKの番組でやってくれないかなぁと思うのです。
前に『乳がんと牛乳』の訳者のことばで、自ら火を放っておいて、自分でそれを消す
マッチポンプ
という言葉を紹介しましたが、医療費が膨大となった現在、本来は行政がもっと事の本質に目を開いて、予防医学に力を注いでくれたらなぁと思うのです。
しかし日本にこれほど西洋食が浸透したのは、アメリカによる外的な政策だけでなはなかったようです。
爆笑問題のニッポンの教養(3/24)
の中で、戦中を軍国少年として過ごした世代のある教授がいっていたのですが、
「日本が戦争に負けたのは米を食ってたからで、我々も肉や牛乳をとらないとだめなんだ」
と戦争が終わって思ったのだそうです。
そういう想いがあったところに、アメリカが官民挙げて日本の食を西洋化する政策をとり、それが見事にハマってしまったということなのでしょう。
1972年までアメリカに占領された沖縄において、その後アメリカ食をとるようになった若い世代の寿命がどのように変わっていったか、
アジアの人がアメリカにいって同じ食生活をするとどうなるかという研究結果を知れば、乳製品や肉の摂取がどのような結果をもたらすかは明らかです。
私はだいぶまえのにこのブログで
生命は爆発だ!
という文章を書きましたが、
私のイメージでは、病気の発現というのもまた生体内での爆発、それも異常な爆発であるように思います。
建物の中でダイナマイトを爆発させると、ガラスは割れ、壁や柱は崩れ、内部は粉々になりますが、そのダイナマイトが爆発する前に、導火線をピッとつまんで火を消せば、これほど簡単な処置は有りません。
千里の道も一歩から
で紹介したように、老子のこの言葉
「千里の行も足下より始まる」
の本来の意味は、
「大きな問題もその兆しは小さなことから始まっているので、賢い人はそれに注意し処置をする」
というものでした。
毎日食べる食事だからこそ、正しい情報にしっかりと目を開いて、何を食べるべきかよく注意していたいなぁと思うのです。
おしまい。
(今回は前に書いた文章の引用が多くなってしまいました。書いていたらすべてが頭のなかでつながってしまったのです。読みにくくなってしまったかなと思い、少し反省しています。)
参考:
マクガバン・レポート〔はてなキーワード〕
http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DE%A5%AF%A5%AC%A5%D0%A5%F3%A1%A6%A5%EC%A5%DD%A1%BC%A5%C8
ジョージ・マクガバン(ウィキペディア)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%83%BB%E3%83%9E%E3%82%AF%E3%82%AC%E3%83%B4%E3%82%A1%E3%83%B3
がんに効く生活〔彦兵衛のブログ〕
http://mshiko.blogspot.com/2009/03/blog-post_23.html
がんに効く食事(グーグルアルバム)
http://picasaweb.google.co.jp/mshikon/JmIThD#
2009年4月24日金曜日
チベット医学~『ガンに効く生活』より
引き続き『ガンに効く生活』から心に残った箇所を引用したいと思います。
私はこの本の第四章 “効果のある食べ物”から読み始めたのですが、出だしが
チベット亡命政府のダラムサーラ
での話から始まったことにとても驚きました。


ここにも書いてあるとおり、チベット人の間では、急性の疾患に対しては西洋医学が有効ですが、慢性病に対しては圧倒的にチベット医学が信頼されているようですね。
それもその筈、チベット医学は症状をなくせばいいという対症療法ではなく、
その人の思考や食習慣などの生活全般にわたる指導を行い、病が発生した原因そのものを改善し、病の根治を目指すからです。
チベットに関してはご存じの方も多いかと思いますが、「チベット」という独立国は現在存在しません。
1959年以降、中国の一部とされてしまっており、チベット人による反乱が起こると、内政問題として扱われる状態にあります。
指導者であるダライ・ラマ法王は20代のころ陸路ヒマラヤを越えインドに渡り、現在北インドのダラムサーラに亡命政府を構え、多くのチベット人もここに住んでいます。
実は私はチベット語を学ぶために一年間ダラムサーラに住んでいました。
(去年久しぶりに訪れて写真を撮ってきました。ベランダから見た景色を左から右へ連写しました↓)
住んでいたアパートから見えていた景色1
(市街地方面:pictures of Dharamsala, India)
住んでいたアパートから見えていた景色2
(向こうに万年雪を頂く山が見えていました)
住んでいたアパートから見えていた景色3
よく谷間をハゲタカが滑空していて、鳥は三次元の空間を移動しているんだなぁと実感しました。
嵐になると山の向こうからどす黒い雲がもくもくと湧いてきて、ものすごい雷が落ちました。
住んでいたアパートから見えていた景色4。
ダラムサーラはアッパーダラムサーラとロウワーダラムサーラからなっていますが、右下へ行くとロウワーダラムサーラにでます。チベット語を学んでいた学校も坂を下っていったところにありました。
チベット語を学んでいた建物。坂を下って行ったところの崖の下にありました
チベット語を学んでいた建物正面
私はこんな感じの町に住んでいたのですが、調子の悪いときは幾度となくチベット医のお世話になりました。
一番最初に訪れたのは、住み始めて数カ月してお腹を壊した時でした。何日も水のような便が続き、食欲もなく、私はひたすら寝ていました。
持ってきた正露丸を飲んではいたのですが、まったく効きません。
まるでお腹の中でインドの病原菌たちが、
ナニコレー、こんなんで俺たちを倒そうってか、ウケケケ、、、
とせせら笑っているようでした。かなしいほど効果がありません。
3日が過ぎ、げんなりしたまま症状に改善が見られなかったので、重い体を引きづりながら、どうにでもなれという気持ちで、チベット医のところへ行きました。
病院に入ろうとしたところで、赤い僧服を身にまとった年配のお坊さんとすれ違ったのですが、彼がニコッとして、どうぞという感じで道を開けてくれたのですが、その動作とまなざしが病んだ体にとてもあたたかく感じられ、嬉しかったのを覚えています。
街中にはお坊さんがふつうに歩いています
部屋に入ると白衣を着たアムチ(チベット医学のお医者さん)がいました。私は椅子にすわり、症状を話すと、アムチは私の脈を三本の指でじっと診ます。
それで大体の症状がわかったのか、薬の処方箋をもらいました。
この治療費はいくらだろうか、、、とおそれつつ部屋を出て受付に行くと、診察料はタダだということでした。
必要なのは薬のお金だけで、それも数十ルピー〔数百円〕でした。
ええーー、そんなんでいいのぉーー?
私は身体的にも、精神的にも参っていたので、このシステムには涙が出るほどうれしかったです。
病によって体も心も弱っている人が高額なお金を払わなければならないというのはたいへんな重荷ですが、チベットの社会は弱者にやさしいなぁと感じました。
さすが仏教の教えが日常生活に生かされている素晴らしい社会だなと感じました。
出口には、ドーネーションBOXという寄付金入れが置いてあったので、私はそこに100ルピー札を数枚(それでも5、6百円ぐらいですが、、)を入れたように思います。
頂いたチベットの丸薬をその晩お湯と一緒に飲みました。そして一日寝ると、なんと翌日には体調が回復していたのです。
スゲー、チベット医学すげーよ!
私はこの時以来、体調を崩すと必ずチベット医のところに行きました。そして頂いた丸薬を飲むと必ずなおったのです。
この丸薬は日本の漢方薬のように、さまざまな薬草を調合したもので、噛むと独特の香草の香りがします。
いまでもチベットのハーブティーを飲むと、その時の味がよみがえってきて気力が充実してくる感じがするのです。
(たまにはお店の宣伝。下の写真をクリックすると、お店の商品情報へとリンクします。)
ついでなので、ここでダラムサーラで撮ってきた写真を載せておきます。
お香の香りがどこからともなく漂ってきて、お坊さんの読経が聞こえてきます。ああ俺はダラムサーラが好きだな、とこのときほど強く思った事はありません。
精神的な教えと経済活動とがうまく組み合わさった人にやさしい町ってどうやったら実現できるのかなとつくづく思います。
ダラムサーラには野生の猿がたくさんいました。一度部屋を開けっ放しにしていたら、猿が入り込んで、リンゴを持って行かれました。
滝といっても小さなものですが、近づくととても涼しくてつい長居してしまいました。
写真を見ていたらまた強烈に行きたくなってしまいました。
今回はここらへんでおしまい。
おまけ
この床屋は営業許可とか取っているのだろうか。私はこのようなインド人の生活力の強さが好きですね。いいなぁー。
参考:チベット関係のお薦め本〔一部〕
≪チベット医学関係≫
『チベットの精神医学 チベット仏教の概観』テリー・クリフォード著/中川和也 訳 春秋社 1993
『チベット医学入門 ホリスティック医学の見地から』トム・ダマー 春秋社 1991
『明るいチベット医学』 大工原弥太郎 情報センター出版局 1988
『チベット医学:身体のとらえ方と診断・治療』 イェシェー・ドゥンデン著 三浦順子訳地湧社 2001
『ダライ・ラマ14世の主治医が語る心とからだの書』 ロプサン・ワンギェル 法研 1995
≪チベット仏教・哲学≫
『タントラ - 狂気の智慧』チョギャム・トゥルンパ めるくまーる 1983
『タントラへの道 -精神の物質主義を絶ち切って』 チョギャム・トゥルンパ めるくまーる 1981
『チベットに生まれて』 チョギャム・トゥルンパ 人文書院 1989
『心の迷妄を断つ智慧:チベット密教の真髄』チュギャム・トゥルンパ/宮坂宥洪 春秋社 2002
『智慧の女たち:チベット女性覚者の評伝』 ツルティム・アリオーネ 三浦順子訳 春秋社 1992
『虹と水晶 チベット密教の瞑想修行』 ナムカイ・ノルブ/永沢哲 訳 法蔵館 1992
『ゾクチェンの教え チベットが伝承した覚醒の道』 ナムカイ・ノルブ/永沢哲 訳 地湧社 1994
『チベットの瞑想法』 ナムカイ・ノルブ/永沢哲 訳 法蔵館 2000
『夢の修行 チベット密教の叡智』 ナムカイ・ノルブ/永沢哲 訳 法蔵館 2000
『叡智の鏡:チベット密教・ゾクチェン入門』 ナムカイ・ノルブ/永沢哲 訳 大法輪閣 2002
『ゾクチェン入門』 ダライ・ラマ14世テンジン・ギャツォ 春秋社 2003
『チベット死者の書:仏典に秘められた死と転生』 河邑厚徳/林由香里 日本放送出版協会 1993
『原典訳 チベットの死者の書』川崎信定 訳 筑摩書房 1989
『【ゲルク版】チベット死者の書』 平岡 宏一 訳 学研 1997
≪チベット体操≫
『若さの泉:5つのチベット体操』 ピーター・ケルダー 渡部昭子訳 河出書房新社 1993
『奇跡のアンチエイジング・エクササイズチベット体操&アーユルヴェーダ・ヨーガ』 西川眞知子 PHP研究所 2005
『魔法のチベット体操-ヨガの原型(ルーツ)-』 岡本羽加 主婦の友社 2005
2009年4月23日木曜日
血管新生~『がんに効く生活』より
だいぶ前にここで『がんに効く生活』という本を紹介しましたが、内容に関して印象的だったことをとりあげたいと思います。
まずとても興味深かったのは、ガン細胞が行う
血管新生
という現象でした。


ガン細胞は、タガが外れたように急速に増殖し始めますが、このために大量の栄養を必要としてします。
その栄養を自らに取り込むために、ガン細胞は血管を新たにつくり、血液を自分の方へ取り込もうとするのです。
実際PETというガンを発見する機械は、細胞の中でブドウ糖をもっとも消費している部位を見つけ出す事で、ガン細胞をみつけだすのだそうです。
下表は欧米人の砂糖の消費量の推移↓



ガンになる条件として、上に挙げた血糖値を急激に上昇させる食物の他に以下のものが挙げられていました。

より詳しい内容をスキャナでとってグーグルアルバムにのせておいたので、興味のある方は見てみてください。
(アルバムが開いたら、キーボードのF11キーを押して全画面表示にし、スライドショーのボタンを押し、勝手に進んでいかない様に停止ボタンを押してキーボードの矢印でページをめくっていくのが一番見やすい方法です。)
私が先の血管新生の図を見て感じたのは、これはまさに地球上で人間が行っている活動そのものではないか、ということでした。
人間は、自分たちの生活を豊かにするために人工的に水の流れを変え、その変えた流れをさらに各家庭に分配するというシステムをとっていますが、
まさにこれはがん細胞がやっている血管新生そのものではないかと思ったのです。
人間もこのようなガン細胞的なふるまいをやめないと、いずれ自らをほろぼすことになるのではないか、私は血管新生をみてそのように感じました。
そして、効率や快適さ、安楽なことばかりを追求するのではなく(ガンはその増殖においてとても効率的にふるまいます)、スローな生活スタイルに移行させつつ、ある程度の節制をし、「足るを知る」という方向に私たちの意識をもっていくことなのではないか、と私は思うのです。
地上で時に疫病が流行することが有りますが、あれはもしかすると地球が抗がん剤を使用しているようなものなのかもしれません。
人体において不必要な細胞などなく、すべてが全体の活動の為に必要な働きをしているように、この地上におけるすべての生命もおそらくそれぞれが欠くべからざる重要な役割を果たしているように思うのです。
だから人間も他の生き物と調和して生きていく必要が有り、それが結局人類の存続につながっていくのだと思います。
私もできるだけ、地球にとって正常な細胞に近いふるまいができたらなぁと思います。
うーん、いまのところはこれぐらいかなぁ。まぁ無理なく出来ることを続けていこうかなと思っています。
参考:
アマゾン :
『がんに効く生活-克服した医師の自分でできる「統合医療」-』
がんに効く食事(グーグルアルバム)
http://picasaweb.google.co.jp/mshikon/JmIThD
がんに効く生活がんに効く生活〔彦兵衛のブログ〕
http://mshiko.blogspot.com/2009/03/blog-post_23.html
“おやき”に惹かれて善光寺参り〔彦兵衛のブログ〕
http://mshiko.blogspot.com/2009/03/blog-post_29.html