2008年8月13日水曜日

鼻呼吸-博士の異常な健康より



私はタレント本の類は話題になってもほとんど読みませんが、ひょんなことから手にしたお笑いコンビ浅草キッドの水道橋博士の本はとても面白かったのでここで紹介しようと思います。

読んだ本は↓

博士の異常な健康』アスペクト2006
筋肉バカの壁:博士の異常な健康Part2』アスペクト2007

水道橋博士は「健康オタク」として知られているらしいのですが、彼の自らの体を張っての体験や自分が興味をもったことに対しては先入観にとらわれずに徹底的に調べる態度にはとても説得力があり、かつ納得できるものがありました。

また彼の文章は、さすがにお笑いだけあってか、掛け言葉を多用していてとても面白かった上に、文章自体も簡潔さと勢い、歯切れのよさがあってどんどん読めました。

博士の二冊目の本には、ハワイでの160キロ自転車レースに参加した体験がかかれているのですが、

そのときに鼻呼吸を実践したことが完走につながったひとつの要因であると述べていました。

アスリートでない私たちにとってもこの鼻呼吸、とても大切なことであるように思うので本の中からその部分を引用したいと思います。

----『筋肉バカの壁:博士の異常な健康Part2』--------

俺は、160キロという距離を走ったことで、自転車操業をする上での、いくつかのコツと秘訣を得ることが出来た。まず、今回の挑戦において予想以上に効果的だったのが、"鼻呼吸"であった。

<中略>

俺は格闘技番組の司会を長く務めているが、06年に行われた「PRIDE無差別級GP」で悲願の優勝を遂げたミルコ・クロコップ選手は、トーナメント優勝の要因として、なんと鼻呼吸を挙げている。

何でも、ミルコの今までの試合中のスタミナ切れは、持病である鼻詰まりが原因のひとつであり、医師の塗り薬の処方で鼻が通るようになってから、練習時間が延び、スタミナ切れもなくなったのだという。この話を聞けば、北島三郎さんが演歌界で最強なのも頷ける。

その後、さっそく俺も自転車に乗る際には、常に鼻呼吸を強く意識してみたのだが、確かに疲労度が全く違うのである。最初はただのプラシーボ効果かと疑っていたが、今回の長距離レースで実感出来たように、これは明らかに効果があったといえよう。

実際、文献に当ってみても、運動時の鼻呼吸のメリットは、吸い込む空気を加湿し、肺での吸収力を高めることが実証されている。

そればかりか、日常生活でも鼻呼吸は、雑菌の進入を防ぐ利点もあるという。また、欧米に比べ日本人に多い、普段からの口呼吸の習慣は、歯肉炎、歯周病が進みやすくなり、虫歯を助長、姿勢も悪くなり、集中力が落ちる原因にもなるそうだ。

とにかく、俺は今までノーマークだった鼻呼吸の重要性を、ハワイの地で身をもって知ったのだった。
(P.122-124)

-----引用終了-------------------------

またここの文章の注として、

日本人の多くは無意識に口呼吸が習慣化しており、その理由としては、欧米では3、4歳まで使わせることも多い赤ちゃんのおしゃぶりを、日本では1歳前後でやめてしまうからとの説もある。

というのも興味深い。

そういえば、前に紹介した新谷弘実さん鼻呼吸の重要性を述べていたので、ついでにここに挙げておきたいと思います。


-----『病気にならない生き方2 実践編』------

口呼吸は病気の引き金になるので要注意~

じつは最近、口で呼吸する人がとても増えているのです。

ある調査によると、成人の半数、子供ではなんと八割が恒常的に口で呼吸しているという結果も出ているほどです。

みなさんは大丈夫でしょうか?

試しに口を手でふさいでしばらく呼吸を続けてみてください。もしも息苦しさを感じるようなら、無意識のうちに口で呼吸している危険があります。

じつは「口呼吸」は、自然の摂理に反するとても体に悪い行為なのです。

東京大学医学部口腔外科教室の講師を務め、現在は西原研究所を開設する西原克成所長は、著書『免疫力を高める生活』(サンマーク出版)の中で、口呼吸が免疫機能を破壊し、多くの病気の引き金になっていると警鐘を鳴らしています。

事実、鼻呼吸には口呼吸で得られないメリットがいくつもあります。

まず吸い込んだ空気をきれいにする「除塵作用」が挙げられます。私たちが吸っている空気の中には小さな埃や微生物、そして微生物の死骸などいろいろなものが含まれています。

しかし鼻で呼吸をすると、鼻粘膜によって有害な病原菌の約五〇~八〇%が除去されことがわかっています。

また鼻呼吸では、鼻腔内を通るあいだに空気は適度な加湿と温度調節がなされます。これによって気管の乾燥を防ぎ、ウイルスなどの繁殖を予防することができます。

さらに、肺は乾燥しすぎていたり、温度が低すぎる空気だとうまく粘膜になじまず酸素の吸収効率が悪くなるのですが、

鼻呼吸であれば、加湿と同時に温度調節もなされるので、外気が冷たい季節でも、酸素の吸収効率が低下することはありません。

こうした鼻呼吸のメリットは、口呼吸ではすべて逆転します。
(P.240-242)

------引用終了--------


運動をするときに限らず、普段から鼻呼吸を意識するというのはとても大事なことのようです。

鳥インフルエンザの爆発的流行はもはや時間の問題といわれていますが、意外とこういう身近な単純な習慣も予防の上で大切なのではないかと思います。

『博士の異常な健康』からはあといくつか紹介したい項目があるので、何回かに分けてここで取り上げていきたいと思います。


参考:

水道橋博士(浅草キッド)
博士の異常な健康』アスペクト2006
筋肉バカの壁:博士の異常な健康Part2』アスペクト2007

新谷弘実
病気にならない生き方2 実践編』サンマーク2007



2 件のコメント:

Unknown さんのコメント...

このブログは、解りやすいですね。鼻呼吸の大切さは、昨日TVで取り上げていました。皆さんそういったことに関心を持つようになってきているのですね。

彦兵衛 さんのコメント...

博文さん、コメント有難うございます。
私自身もよく意識していみると、たまに無意識のうちに口呼吸をしていることがあり、気をつけるようになりました。