2008年8月26日火曜日

サンマを食べつつ、、、



サンマのおいしい季節になりました。

ニュースでサンマの水揚げを見ていたら、新鮮なサンマの見分け方は、口先が黄色く、全体が銀色に輝いているのがポイントだといっていました。

映像に映っている水揚げされたばかりのサンマは確かに口先が鳥のように黄色くなっていてへぇーと思いました。

本日スーパーにサンマを買いに行ってみたところ、新鮮だったのだろう、ほんとうに口先が黄色くなっていて、少し感動。

意識してみないと見えてこないものってあるものですね。


ところでふつう秋のサンマというと塩焼きが定番だと思いますが、私は圧力釜で調理します。

水を反カップほどいれ、そこに二つに切ったサンマをいれるだけ。調味料なし。15分ほどで調理は終了。

サンマはもともと塩味がついているので、このままで充分おいしいのです。頭から身から骨まですべて食べられて、最高です。大根はちゃんとすりましたけどね。


さてサンマを食べつつ、7時のNHKニュースを見ていたところ、アフガニスタンで日本人が誘拐されたという。

まさかペシャワールの人じゃないよなぁ、と思って見ていたところ、なんとぺシャワールのスタッフだという。私はえーっ、といってのけぞってしまった。


かつてNHK教育の『知るを楽しむ』という番組で、ペシャワール会代表で医師の中村哲さんについてやっていたのをずっと見ていて知っており、

またその活動に感動、共感したことから会員になることで支援もしていたのでとても驚きました。


中村医師は最初単に医師としてアフガニスタンで活動していたのですが、医療の前に水や食料が不足していることに気づき、現地に数十キロにおよぶ水路を作ってしまったという人です。

米軍がアフガニスタンに侵攻し、力によって自らの政策、自らの価値を押しつけようとしているなか、

逆に草の根から現地の住民が何を欲しているのかを汲み取って真に住民のためになる活動を続けてきたのがペシャワール会でした。

派手さはないけど真の国際貢献というものはこういうものだな、おそらく平和とはこのような地道な努力の連続によってしか築かれないのだなと思っていたので、現地の活動には会報を通じて常に注目していました。

ペシャワール会の活動は現地住民からの信頼があつく、外国人が次々と誘拐され殺されるアフガンの情勢のなかにあって、ペシャワール会の人たちがそういう被害にあうことは皆無でした。


今回は武装集団に対して、住民、軍、警察などが取り囲んでいるという情報が入っています。この種の報道で住民が率先して解放のために動くということは聞いたことがなく、

いかにペシャワール会のこれまでの活動が現地の人に支持され、信頼されてきたかということだと思います。おそらく今回の場合は早期に解放されることだろうと思います。そう願いたい。


最後に「知るを楽しむ」のテキスト

アフガニスタン・命の水を求めて~ある日本人医師の苦闘

から中村哲医師のメッセージを引用を付しておきたいと思います。

------最終章「日本の若者たちへ」より-------------

アフガン情勢に限らず、私たちの世界観や常識が、しばしばフィクションの上に成り立っていることを私は述べてきた。人為の架空に欺かれる。そして、幻の不安の影に脅える。

<中略>

虚構は虚構を呼び、不安は観念で膨らんで現実化する。持てば持つほど、不安と防衛心が私たちを支配する。悪循環である。

<中略>

アフガニスタンの実体験において、確信できることがある。武力によってこの身が守られたことはなかった

一九九二年、ダラエヌール診療所が襲撃されたとき、職員たちに「死んでも撃ち返すな」と、報復の応戦を引き止めたことで信頼の絆を得、後々まで私たちと事業を守った。

現在私が力を傾ける用水路の建設現場は、外務省によって「危険地帯」に指定されている場所である。しかし、十数名の日本人ワーカーに護衛は要らない

対照的に、用水路に沿って走る道路工事は、外国人技師を守るため、ものものしい武装兵の一団が付いている。その事務所はまるで要塞のようで、人々に威圧感を与える。

<中略>

このことは、ぜひ伝えておく必要がある。

私たちが地元の人々に何を求められているのかを汲み取り、人々の心情を察し、信頼感を得て行動する限り、武器は無用である。

道路工事技師の場合、まるでゴミの山を除くように道路脇の田畑やバザールをつぶしたりして、権柄(けんぺい)ずくの態度が目に余っていた。

襲撃された国際医療団体の場合、外国人はほとんど現場に行くことがないばかりか、旱魃であえぐ人々を尻目に、娯楽用プールを作ったり、毎晩ワイン・パーティーをしたりで、反感を買っていたのである。


私たちPMS(ぺシャワール会医療サービス)の安全保障は、地域住民との固い信頼の絆である。こちらが本当の友人だと認識されれば、地元住民が守ってくれるのである。

もし、武装した護衛をつけ、人々の苦楽と別世界に暮らしていたら、同じ憂き目にあうことだろう。


そして、「信頼」は一朝にして築かれるものではない。利害を超え、忍耐を重ね、裏切られても裏切り返さない誠実さこそが、人々の心に触れるのである。

それは、武力以上に強固な安全を提供してくれ、人々を動かすことができる。私たちにとって、平和とは理念ではなく現実の力なのである。


私たちは、いとも簡単に戦争と平和を語りすぎた。武力によって守られるものとは何か、そして本当に守るべきものとは何か、静かに思いをいたすべきかと思われる。


今、周囲を見渡せば、不安を忘れさせる享楽の手段や、大小の「権威ある声」に事欠かない。このことは洋の東西変わらない。

<中略>

人間にとって本当に必要なものは、そう多くはない。

少なくてとも私は「カネさえあれば幸せになる」という迷信、「武力さえあれば身を守られる」という妄信からは自由である。

何が真実で何が不要なのか、何が人として最低限共有できるものなのか、目を凝らして見つめ、健全な感性と自然との関係を回復することである。


戦後六十年、自分はその時代の精神的気流の中で生きてきた。

しかし、変わらぬものは変わらない。江戸時代も、縄文の昔もそうであったろう。いたずらに時流に流されて大切なものを見失い、進歩という名の呪文に束縛され、生命を粗末にしてはならない。

いま大人たちが唱える「改革」や「進歩」の実態は、宙に縄をかけてそれをよじ登ろうとする魔術師に似ている。

だまされてはいけない。「王様は裸だ」と叫んだ者は、見栄や先入観、利害関係から自由な子供であった。それを次世代に期待する。


これが二十二年間の現地活動を通して得た平凡な結論とメッセージである。

(p.131-135)---------------------

参考:

中村哲
アフガニスタン・命の水を求めて~ある日本人医師の苦闘
(NHK知るを楽しむ この人この世界 2006年6・7月 )』NHK出版 2006

NHK「知るを楽しむ」中村哲さんの放送分↓
http://www.nhk.or.jp/shiruraku/200606/monday.html
http://www.nhk.or.jp/shiruraku/200607/monday.html

ペシャワール会HP
http://www1a.biglobe.ne.jp/peshawar/

中村哲さん著書(アマゾン)
http://www.amazon.co.jp/s/ref=nb_ss_b?__mk_ja_JP=%83J%83%5E%83J%83i&url=search-alias%3Dstripbooks&field-keywords=%92%86%91%BA%93N

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