ここで面白い地図が登場しました↓
地図をパチンコ台に見立てたもので、
ローマに発した文化が、、、
シルクロードや海の道などを通り、、、
すべて日本に落ちた、、、ということを表している図だそうです。
これは面白い、、、。
西洋にシンプルというデザインが生まれる時期から遡ること300年ほど、
日本にはある一大事件がおこります。
それが↓
応仁の乱だそうです。
これによって、京都の街は焼けつくされてしまったそうです。
そういえば、京都の人が
「先の大戦で焼けてしまってね、、、」
というとき、その「先の大戦」とは応仁の乱をさすのだ、ということを歴史の先生が話していたことを思い出します。
冗談なのかどうかわかりませんが、
太平洋戦争で戦火を逃れた京都の人たちにとって、街がメチャクチャになるほどの大きな戦争といったら、このぐらい前のことになるのでしょう。
当時の将軍は、
足利義政だったらしいのですが、この「大戦」ですべてが焼けてしまって、がっくりしてしまい、
跡目を息子に譲って、自分は出家し、
銀閣寺 に隠遁してしまったのだそうです。
そこで新しい文化が生まれたというのです。
それが、、
室町の中期までは、日本もやはり豪華絢爛たる文化を築いてきたのですが、
ここに至って「簡素の美」が生まれたそうです。
銀閣寺の義政の書斎↓
これは同仁斎 (どうじんさい)と呼ばれるのだそうですが、現代の和室の原型だそうです。
このように、日本の美意識は新たな展開を迎えたのだそうです。
では、新たに生まれた日本の「簡素の美」とはどのようなものだったのでしょうか。
ここで、二本のナイフが登場します。
一方はドイツのナイフで、、、
親指がぴったりナイフの背に収まり、手になじむそうです。
もう一方は、日本の板前さんが使う柳刃庖丁、
人に持ち方を押し付けない形が、板前さんたちの超絶技術を受け止めているのだそうです。
このデザインの違いを、原さんは、
エンプティ(空っぽ)と呼んでいるそうです。
エンプティとは、、
何もないのに、そこにすべてがあるというものだそうです。
私はこれを聞いたとき、
キタァーーーーッ!
と思いました。
シンプルなのではなく、エンプティーなデザインというものが日本の美の本質だというのです。
この表現はとても本質をとらえていると思いました。
この空っぽ(エンプティー)という考え方は、もともとは仏教の空性(くうしょう)に由来するものです。
たとえば般若心経には次の有名な個所があります。
色不異空 空不異色 色即是空 空即是色
シキフイクウ クウフイシキ シキソクゼクウ クウソクゼシキ
これは、色(シキ:姿かたちのあるもの)の本質は空(クウ)であるということを述べているのですが、
実は般若心経の主題はすべては空であるということなのです。
しかしこの空というのは単なる空っぽではないのです。
単なる空っぽでは何も生じてこないのですが、空っぽではなく、むしろエネルギーに満ち満ちた状態なのです。
色(シキ)を「秩序」と訳すなら、空(クウ)は「カオス」にあたるような意味で、
あらゆるものを生み出すエネルギーに満ち満ちた待機の状態が空(クウ)なのです。
そしてこの空(クウ)こそお釈迦さんが到達した悟りの真髄なのです。
私という存在も含めたすべてのものの本質は空(クウ)であり、確固とした実体がなく、
個として存在していると思われているものも、実は様々な関係(因や縁)によって仮に形をなしているにすぎないというのがお釈迦さんの悟りの内容でした。
お釈迦さんは、私たちが「個」という思いにとらわれること、自分たちの本質が空(クウ)であることを知らないこと(無明:むみょう)によってあらゆる苦しみが生じると観じました。
しかし誰でもが、「個」という思い込みを超えたところにある心の安らぎの境地(涅槃)に至ることが出来ると説き、
お釈迦さんは本質に目覚めた人「ブッダ」(覚者)と呼ばれるようになったのです。
少し話が逸れましたが、
このお釈迦さんが見極めたすべての現象の本質、空(クウ)、
という状態が日本の簡素の美の本質であるという見方は卓見であると思いました。
つづく、、、
参考:
高野 孟 (著) (エスカルゴ・ブックス)
『入門世界地図の読み方』(新書)
(パチンコ台に見立てた地図)
http://www.amazon.co.jp/%E5%85%A5%E9%96%80%E4%B8%96%E7%95%8C%E5%9C%B0%E5%9B%B3%E3%81%AE%E8%AA%AD%E3%81%BF%E6%96%B9-%E3%82%A8%E3%82%B9%E3%82%AB%E3%83%AB%E3%82%B4%E3%83%BB%E3%83%96%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9-%E9%AB%98%E9%87%8E-%E5%AD%9F/dp/4534010125/ref=sr_1_2?ie=UTF8&s=books&qid=1243079642&sr=1-2
銀閣寺
http://www.shokoku-ji.or.jp/ginkakuji/index.html
同仁斎(銀閣寺)
http://www.shokoku-ji.or.jp/ginkakuji/guide/togudo_dojinsai.html
ローマに発した文化が、、、
シルクロードや海の道などを通り、、、
すべて日本に落ちた、、、ということを表している図だそうです。
これは面白い、、、。
西洋にシンプルというデザインが生まれる時期から遡ること300年ほど、
日本にはある一大事件がおこります。
それが↓
応仁の乱だそうです。
これによって、京都の街は焼けつくされてしまったそうです。
そういえば、京都の人が
「先の大戦で焼けてしまってね、、、」
というとき、その「先の大戦」とは応仁の乱をさすのだ、ということを歴史の先生が話していたことを思い出します。
冗談なのかどうかわかりませんが、
太平洋戦争で戦火を逃れた京都の人たちにとって、街がメチャクチャになるほどの大きな戦争といったら、このぐらい前のことになるのでしょう。
当時の将軍は、
足利義政だったらしいのですが、この「大戦」ですべてが焼けてしまって、がっくりしてしまい、
跡目を息子に譲って、自分は出家し、
銀閣寺 に隠遁してしまったのだそうです。
そこで新しい文化が生まれたというのです。
それが、、
室町の中期までは、日本もやはり豪華絢爛たる文化を築いてきたのですが、
ここに至って「簡素の美」が生まれたそうです。
銀閣寺の義政の書斎↓
これは同仁斎 (どうじんさい)と呼ばれるのだそうですが、現代の和室の原型だそうです。
このように、日本の美意識は新たな展開を迎えたのだそうです。
では、新たに生まれた日本の「簡素の美」とはどのようなものだったのでしょうか。
ここで、二本のナイフが登場します。
一方はドイツのナイフで、、、
親指がぴったりナイフの背に収まり、手になじむそうです。
もう一方は、日本の板前さんが使う柳刃庖丁、
人に持ち方を押し付けない形が、板前さんたちの超絶技術を受け止めているのだそうです。
このデザインの違いを、原さんは、
エンプティ(空っぽ)と呼んでいるそうです。
エンプティとは、、
何もないのに、そこにすべてがあるというものだそうです。
私はこれを聞いたとき、
キタァーーーーッ!
と思いました。
シンプルなのではなく、エンプティーなデザインというものが日本の美の本質だというのです。
この表現はとても本質をとらえていると思いました。
この空っぽ(エンプティー)という考え方は、もともとは仏教の空性(くうしょう)に由来するものです。
たとえば般若心経には次の有名な個所があります。
色不異空 空不異色 色即是空 空即是色
シキフイクウ クウフイシキ シキソクゼクウ クウソクゼシキ
これは、色(シキ:姿かたちのあるもの)の本質は空(クウ)であるということを述べているのですが、
実は般若心経の主題はすべては空であるということなのです。
しかしこの空というのは単なる空っぽではないのです。
単なる空っぽでは何も生じてこないのですが、空っぽではなく、むしろエネルギーに満ち満ちた状態なのです。
色(シキ)を「秩序」と訳すなら、空(クウ)は「カオス」にあたるような意味で、
あらゆるものを生み出すエネルギーに満ち満ちた待機の状態が空(クウ)なのです。
そしてこの空(クウ)こそお釈迦さんが到達した悟りの真髄なのです。
私という存在も含めたすべてのものの本質は空(クウ)であり、確固とした実体がなく、
個として存在していると思われているものも、実は様々な関係(因や縁)によって仮に形をなしているにすぎないというのがお釈迦さんの悟りの内容でした。
お釈迦さんは、私たちが「個」という思いにとらわれること、自分たちの本質が空(クウ)であることを知らないこと(無明:むみょう)によってあらゆる苦しみが生じると観じました。
しかし誰でもが、「個」という思い込みを超えたところにある心の安らぎの境地(涅槃)に至ることが出来ると説き、
お釈迦さんは本質に目覚めた人「ブッダ」(覚者)と呼ばれるようになったのです。
少し話が逸れましたが、
このお釈迦さんが見極めたすべての現象の本質、空(クウ)、
何もないけど、すべてがそこにある
という状態が日本の簡素の美の本質であるという見方は卓見であると思いました。
つづく、、、
参考:
高野 孟 (著) (エスカルゴ・ブックス)
『入門世界地図の読み方』(新書)
(パチンコ台に見立てた地図)
http://www.amazon.co.jp/%E5%85%A5%E9%96%80%E4%B8%96%E7%95%8C%E5%9C%B0%E5%9B%B3%E3%81%AE%E8%AA%AD%E3%81%BF%E6%96%B9-%E3%82%A8%E3%82%B9%E3%82%AB%E3%83%AB%E3%82%B4%E3%83%BB%E3%83%96%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9-%E9%AB%98%E9%87%8E-%E5%AD%9F/dp/4534010125/ref=sr_1_2?ie=UTF8&s=books&qid=1243079642&sr=1-2
銀閣寺
http://www.shokoku-ji.or.jp/ginkakuji/index.html
同仁斎(銀閣寺)
http://www.shokoku-ji.or.jp/ginkakuji/guide/togudo_dojinsai.html
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