私は毎週木曜日は、アンビリーバボーという番組を録画して見ているのですが、先月下旬に放送された回を見た時は衝撃を受けました。
中村久子(1897-1968)
Hisako Nakamura who was deprived of her four limbs
なんと、二歳の頃に両手・両足を切断するはめになった女性、中村久子さんという方がいたというのです。
そんな境遇にも拘わらず、自分の身の回りの事はすべてこなし、
また裁縫や編み物、字を書くことなどなんでもやってしまうというのです。
日本にそんなすごい女性がいたのか、ととても驚きました。
番組内では本が紹介されていたので、図書館で彼女の自伝を借りてみました。
The autobiography of Hisako Nakamura
この本を読むと、中村久子さんの人生がどれだけ壮絶なものであったのかがよくわかりました。
幼くして両手両足をなくした上に、父親も無くなってしまう。
母は貧しい中で懸命に子供を育てるが、家計が成り立たないので再婚することになる。
しかし新しい家では、両手両足が無い子は人様に見せられないと、人が来るたびに二階に閉じ込められたりしたそうです。
そんな中、自分のことは自分でできるようになりたいと、散々迷った末に見世物小屋の世界に入っていったそうです。
見世物小屋でお客さんに様々な芸を見せる中、結局4人の男性と結婚するのですが、なぜか男性が病弱で次々と亡くなってしまうのです。
読んでいて、え゛ーっどうして?
って思ってしまうのですが、それほど不幸が重なるのです。
本に載っていた中村久子さんの写真↓
結婚生活の中で子供もできるのですが、ふつうなら自分のことで精一杯のはずなのに、
病床に伏せる夫を看病し、子育てもし、そんな中で芸も続け、自ら家計を維持したといいます。
下の写真は、人形に自分で作った服を着せ、ヘレンケラーの来日時にプレゼントした時のものだそうです。
She made this doll's dress and presented
this to Helen Keller when she came to Japan.
目の見えないヘレンケラーでしたが、中村久子さんの体を手でさぐりながら、手もなく足もないことを知り、涙を流したそうです。
三重苦のヘレンケラーをして、
「私より不幸な人がいた」
と言わしめたそうです。
番組の最後では、中村久子さんの次のような言葉を紹介していました。
すなわち、、、
ということだそうです。
すごい人がいたんですね。
こういう人はもっと教科書なんかでもとりあげるべきだと思います。
乙武さんの『五体不満足』
も素晴らしい本でしたが、
中村久子さんの時代は身体障害者に対して、まず周囲の理解は無い上、国からの補助も無い、
親戚に冷遇されるは、見世物小屋では利用されるは、関東大震災に会うは、太平洋戦争になるはで、
その大変さは乙武さんの数十倍ではないかと思われました。
この人の人生は本当に凄すぎます。
それだけに、彼女が晩年に残した言葉はとても重いものがあると思いました。
どんな境遇にあってもただ生かされていることに感謝する
これが地上に生きる私たちすべてにとっての原点なのかもしれません。
参考:
アンビリーバボー
http://www.fujitv.co.jp/unb/index2.html
The Life of Hisako Nakamura
http://www.nakamura-hisako.co.jp/english/
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