2008年12月14日日曜日

アルツハイマー


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九州、阿蘇での法事を終え、阿蘇の幣立神宮、高千穂神社、高千穂峡、天岩戸神社などをめぐって帰ってきました。様々な人と出会い、学ぶこと、感じる事の多い旅行となりました。旅のことに関してはまた機会をみて書きたいと思います。


本日のテーマはアルツハイマーです。
11月30日にNHK「サイエンスゼロ」でアルツハイマーに関する最新の研究報告をやっていました。

それによると2005年時点での患者数は117万人で、今後20年で患者数は倍増、なんと240万人にもなるそうです。

アルツハイマーは脳内に疲労物質のようなタンパク質(アミロイドβ)が留まることで発症するらしいのですが、ふつうはネプリライシンという酵素によってそれを分解することで脳の機能を保っているそうです。

しかしこの酵素も60歳を過ぎたあたりからその分泌量が急降下してしまうそうで、現在ではいろいろな薬が開発されアルツハイマーの予防・治療に役立てようとしているそうですが、有効なものはまだまだ先のようです。

しかしもっととも簡単でいますぐにでもできるネプリライシン分泌増加の方法は、定期的な運動だそうです。

ヨーロッパでの研究報告によると、1449人の人たちを20年にわたって調査したところ、日常的に運動をしているひとは、アルツハイマーの発症率が1/3だったそうです。

日常的な運動というのは、週二回、一回に20分以上、息がはずむ程度の運動ということでした。

これはひとつの目安でしょうが、運動を習慣化するというのは人間が健康を維持していく上で基本のように思います。あらゆる病、あらゆる健康法に関して、常に「運動」という項目がでてきます。

もしこれにさらに付け加えるなら、心の習慣食の習慣ということになるのでしょうか。人間は心と体で成り立っているので、両方の領域におけるエネルギーの出入りに注意しておくというのは至極当然であるように思います。

番組内でへぇーと思ったのが、徳川家康に関してのエピソードでした。

彼は自ら漢方薬をつくり、家臣などにも与えていたそうですが、その中で「八味地黄丸(ハチミジオウガン)」という漢方薬は、アルツハイマーの改善に効果があることが東北大学の研究によってわかったそうです。

これを飲むことで脳内の血流がよくなるらしいです。家康が晩年まで頭脳明晰だったのはこの漢方薬のおかげだったのではないか、と言っていました。

また他にアルツハイマーに処方する漢方薬としては「抑肝散(ヨクカンサン)」というのがよく使われるそうです。これを服用すると、アルツハイマーの患者さんがみる幻覚や興奮を抑えるそうです。


最後に、ブログの冒頭に載せた写真について説明しておきます。

これはかつてNHK「知るを楽しむ」でやっていた川島隆太氏の「脳を鍛える」のテキストから引用掲載したものです。

川島隆太氏はDSの「脳トレ」でお馴染みの教授ですが、前頭葉を鍛えるには、難しいことをやるよりも、昔から読み書き計算などといわれるような単純な作業を日常の中に習慣化したほうが良いそうです。

音読や簡単な計算、漢字の書き取り、家族との会話、料理などをすると脳の血流が良くなって真赤になるそうです。あまり安易な方向に自分をもっていくのではなく、若いうちからこういったことを意識的に習慣化したいものです。



参考:
サイエンスゼロ:アルツハイマー病 研究最前線
http://www.nhk.or.jp/zero/contents/dsp235.html

川島隆太『知るを楽しむ 脳を鍛える』NHK出版




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