先日のNHK爆問学問で
ロボット バカ一代
http://www.nhk.or.jp/bakumon/previous/20101116.html
と題して、ナノテクの研究者(生田幸士氏)が紹介されていました。
この先生の授業が面白くて、
ひとつは厚紙とボンドのみを使って、生卵を屋上から落として如何に割らないようにするかというのをやっていました。
なんとこれに成功するのは、大学生で14%、小学生で25%(くらいだったかな、、)
とにかく小学生の方が成功率が高いのだそうです。
見ていて、自分だったらどんな形に厚紙を細工するかな、、と色々考えてしまいました。
また面白かったのが、
バカゼミ
と称して、どうでもいいくだらないことを真面目に研究し発表するゼミをやっているとのこと。
学生も先生もとても楽しげで、一見本当にくだらないことのように思えましたが、
こういうカタにとらわれない発想から、新しいユニークな研究が出てくるんだろうなということを見ていて感じました。
私はこの楽しそうな雰囲気こそ、
学問の原点なのではないか!
と強く感じました。
school や scholar の語源は、ギリシャ語の余暇、ヒマから来ています。
なぜ余暇やヒマが学ぶことに繋がっているかというと、
ヒトは何もせずに居続けることがツライ、すなわちヒトには本来知的好奇心、
何かを知りたい、学びたいという衝動が備わっていて、ヒマになるとその衝動が疼いくるからでしょう。
その疼きから学び、学問が発展してきたといえます。
日本語の学びの語源は、まねび、すなわち何かを真似する、模倣することに由来すると言われますが、
この何かを真似したいという気持ちも、ある手本となる行為を自分のものにしたいという衝動が本来ヒトに備わっているからだと思います。
人間にはもともと"学びたい"という気持ち、知的好奇心が備わっており、
それを満足させることは本当は"楽しい" ことなのです。
そういう意味で、この番組で紹介された授業は、生徒に学ぶ楽しさを実感させる素晴らしいものだと感じました。
本当は、大学の授業に限らず、義務教育の段階から、
この学ぶことの楽しさ、自分で色々工夫して、施行錯誤して何かを作り出し、発見する楽しさを実感させるべきなのではないかと思います。
また普通の授業に限らず、受験勉強などにおいても、この人間の本来もっている学びの楽しさを
"流れ"
として有効に利用することがコツなのだと私は思います。
過去にも何度かふれた「彦兵衛の勉強法」はまさに、この流れをうまく利用することなのです。
運動にしろ、ダイエットにしろ、英会話にしろ、何かを続けるにはそれをやるときの主観(自分がどう感じているか)が大事なのであって、
つらい、大変と感じるのはダメで、そういう流れに反しているときは、逆風に向かって歩くのと同じで大きな努力を要し、
結局は揺れ戻し、大きなリバウンドを経験する事になり、まったくやらなくなってしまう事が多いように思います。
心の負担が少なくともゼロ、出来たら心の勢いがプラス、すなわち楽しい、気持いいと感じることが、その習慣を継続するためのコツだと思います。
そして自分の主観をよりどころとしながら、自分のカタチ、自分のリズムを模索していくと、自分流のスタイルが確立し、ものごとが順調に進んでいくように感じます。
勉強法において、15分位を一単位としたり、飽きたら次の科目を勉強したりすることは、勉強を楽しむための私なりのコツで、
逆に、頭で計画した分量を毎日こなそうと自分に強いたり、睡眠を削って眠気と闘いながら勉強したり、
体を動かしたい、見たいテレビがあるのに、それらに気を取られながら勉強するのは、まったく理に反していると感じます。
私が人間のもっている知的好奇心を痛切に感じたのは、インドを旅行しているときでした。
何十時間も列車の中で何もやることが無い、宿で何日間も何もすることが無い、
空港、駅で延々と待たされているとき、
こういったときに、ヒトって知的好奇心の塊なんだなぁということを痛感しました。
そして逆にこの勢いをコンスタントにうまく利用していけば、そうとう色々なことを学んでいけるだろうと感じました。
一方で、いまの教育は植物に栄養を与え過ぎるのに似て、このような個々の人間がもっている学びの意欲=流れをあまり考慮せずに、
ただやみくもに与えること、詰め込むことに焦点を当てているので、学ぶ側が食傷気味で、勉強が嫌い、つまらないという事になっているんだと思います。
インドやネパールの子どもたちは、目がきらきらして、みんな学校が好き、学校に行きたい、といっているのに、
今の日本は、これだけ教育の機会が普及しているにもかかわらず、不登校が増えているのは皮肉なことです。
もっとヒトの持つ学びの意欲、流れを信頼していいと私は思います。
さて話しがそれましたが、最後にこの番組を見ていて
へぇ~
と思ったのが、この研究者がロボットの研究者になろうと思ったのは、小さいころに見いてた鉄腕アトムにあこがれたからだそうです。
またまわりの同じような研究者の実に4割ほどの人たちもが、鉄腕アトムの影響でロボットの研究者になったのだそうです。
これはすげぇーなー、と正直感じました。
私はふだんフィクションは読みませんが、それは所詮、想像上のこと、作り話じゃん、という思いからです。
しかし多くの人を惹きつけ、時代を画する物語というものには、どこか普遍的なものが描かれていて、
多くの人がそれに共鳴し、
そんな現実がこの世に実現したらいいなぁ~という気持ちが土台となって、この世界が作られていく。
そういう点で、フィクションの果たす役割と言うのは、ノンフィクション以上に大きいのではないかという気がします。
今のロボットの研究者の多くが鉄腕アトム世代だとすると、
その後の、宇宙戦艦ヤマトや、ガンダム、エヴァンゲリオンを見て育った世代が、
どのような現実を創造していくのか、楽しみだなぁ~と思いました。
というより、すでにその動きはあるのかも、、、
また海外に輸出されている日本のアニメが世界中の子供たちにどのような影響を与えているのか、とても興味のある所です。
この回の爆問学問を見ていない方で、教育に興味のある方は是非再放送を見てみてください。
色々刺激、参考になる点があるかと思います。
(と思ったら、大相撲中継のため再放送はされないとHPに書いてありました、、、NHKオンデマンドで有料で見るしかないですかね。。。)
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