2009年2月6日金曜日

神技は存在した


私は最近↑の本を読みました。

ここでは内容自体にはふれませんが、武道というのは確かに「」であり、対立を通して対立を超えていくもの、相対を通して絶対なるものへと至るひとつの道なのだということを改めて感じさせられました。



昔の諸々の剣豪が、この書を剣の修行の指針にしたというところに日本の武道の奥深さを感じます。

さて、この本に感化された私は、ふと合気道の達人である塩田剛三氏の動画を見たいと思いYou Tubeを検索してみました。

やってみるとわんさか出てくるのですが、映像を見ているとやはり塩田氏の合気道は神技の域に達していると感じました。

塩田剛三伝:神様と呼ばれた男(10:53)

http://jp.youtube.com/watch?v=eDC2MS5wozI&NR=1

(この中には故ロバート・ケネディー来日時に彼の屈強なボディーガードをクモのように地面にはいつくばらせた映像もあります。)


合気」とはなんだろうかと前からずっと考えてきましたが、やはり「」なんでしょうね。私も合気道やその源流である大東流合気柔術を習ったことがありますが、ほとんどは関節技のレベルです。しかし真の合気とは、手をひねったりとかそういうレベルではないようです。

また、意識が宇宙と一体となるとかいうのと、合気が出来るというのはおそらく別だろうと思います。合気とは本当に磨かれた技術なんだろうと思います。そして能力と人格は別だろうという気がします。


これは決して合気ができるひとに人格者がいないとかいうことをいっているのではないのです。むしろ合気の達人にはすばらしいひとが多いです。

しかし技術を磨いていく中で技を習得し、その技を使っている中で宇宙的な何かを感得するのではないかという気がするのです。だから最初は徹底的に技術を磨く事に徹するところにしか合気を獲得する方法はないのではないかと思うのです。

話を元に戻します。
塩田氏に関連する動画を見ていたら、大東流合気柔術の岡本正剛という方の映像もでてきたのですが、こちらも凄まじい。


技を掛けられると大の大人が呻き声をあげてのたうってしまうのです。まるで感電したかのように。そして人が粘土のようにかたまってひっついてしまうのです。手を放してもしばらくはエビぞりのままで動けない、、、。

岡本正剛1(1:59)
http://jp.youtube.com/watch?v=ewtzT6Dt4ZM&feature=PlayList&p=483B3A2E3F271C4B&index=19


まさに神技です。古来の武道の達人というのはおそらくこのようなレベルの方々だったのだろうと思います。あるいはそれ以上だったかもしれません。こういう日本古来の真の武道が後世にちゃんと残っていってほしいなと思います。

ウィキペディアによると↓、
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B2%A1%E6%9C%AC%E6%AD%A3%E5%89%9B

岡本正剛氏が大東流を習い始めたのはなんと38才であるというから驚きです。

また合気の原理は、円運動呼吸反射であるそうです。円運動や呼吸というのは太極拳などでもよくいわれることですが、最後の反射というのはとても興味深い発言です。

合気を発する側からすると、何かしら体の反射的な感覚、身体の芯から出る原初的反応ということになるのでしょうか。

合気を掛けられた人が感電してしまったようになるように見受けられますが、電気も漢字をよく見てみると気の一種ですよね。また反射も脊髄から戻る電気の反応だから、何か電気的な感覚というのがひとつヒントになるのかもしれません。

しかしYou Tubeはすごいですね。合気道の創始者、植芝盛平翁の動画も残ってるんですから。すばらしい。

大東流では他に佐川幸義氏が有名で、この方も不世出の達人といわれていましたが、すでに亡くなられてしまいました。塩田氏もすでにこの世にありませんが、上に挙げた中では、岡本正剛氏だけがまだ80代でご健在だそうです。一度こういう方の技を実際に受けてみたいものです。


参考動画:
岡本正剛2(2:36)
http://jp.youtube.com/watch?v=MLf5oSaFGWU&NR=1
岡本正剛3(2:06)
http://jp.youtube.com/watch?v=udiAaRDGAws&feature=PlayList&p=483B3A2E3F271C4B&index=17

塩田剛三(2:59)
http://jp.youtube.com/watch?v=hV1y9QX8-Mg&feature=related
塩田剛三(4:17)
http://jp.youtube.com/watch?v=7DiNQgAbH0Y&NR=1
塩田剛三(10:53)
http://jp.youtube.com/watch?v=eDC2MS5wozI&NR=1
塩田剛三(7:31)
http://jp.youtube.com/watch?v=SXoMyD50MG0&feature=related
塩田剛三(9:50)
http://jp.youtube.com/watch?v=SqZnHwmBDPw&feature=related

植芝盛平1(1:55)
http://www.youtube.com/watch?gl=JP&hl=ja&v=yb_aerIUS6Q&feature=related
植芝盛平2(1:55)
http://www.youtube.com/watch?gl=JP&hl=ja&v=g_CQJSCZ1To&feature=related
植芝盛平3(1:57)
http://www.youtube.com/watch?gl=JP&hl=ja&v=7Tp-iIqfNBI&NR=1
植芝盛平4(1:27)
http://www.youtube.com/watch?gl=JP&hl=ja&v=u4B7GsgQF7g&feature=related
植芝盛平5(1:52)
http://www.youtube.com/watch?gl=JP&hl=ja&v=wc-A4WuGHeU&feature=related
植芝盛平6(1:50)
http://www.youtube.com/watch?gl=JP&hl=ja&v=m-lAEX6lEAE&feature=related


参考図書:

大東流合気柔術関連―
岡本正剛『大東流合気柔術』 気天舎 1999
木村達雄『透明な力 不世出の武術家 佐川幸義』講談社 1995
木村達雄『合気修得への道-佐川幸義先生に就いた二十年-』 合気ニュース 2005
高橋 賢『佐川幸義先生伝 大東流合気の真実』福昌堂 2007
津本陽『鬼の冠』実業之日本社 1987
津本陽『孤塁の名人-合気を極めた男・佐川幸義-』 文芸春秋 2008

合気道関連―
植芝盛平 述/植芝吉祥丸 監修『合気神髄:合気道開祖・植芝盛平語録』柏樹社 1990
高橋英雄 編著『武産合氣:植芝盛平先生口述』白光出版 1986
塩田剛三『合気道人生』竹内書店新社 1985
塩田剛三『合気道修行-対すれば相和す-』竹内書店新社 1991

3 件のコメント:

ikte2 さんのコメント...

運動不足だし、
体操みたいな感じでまた習ってみたい。
バランスや体重移動、柔軟性など
自分の体を旨く操る方法としても
いいのではないかなーと思ってます。

新潟で探してみるか。

彦兵衛 さんのコメント...

ikte2さんコメント有難うございます。

また習ってみるというのはいいですね。

でも合気関係の道場ではほとんどやらせとまではいいませんが、それに近いものがあるので、本当に合気が使えて相手がいくら力んでも難なく崩せてしまう指導者がいるところはごくわずかだと思います。

しかし合気の発想や体の動かし方などを練習するだけでも、やっているのとやっていないのでは雲泥の差だろうと思います。

そういえば湘南合気道会でならっていた型はもともとの合気道の基本とは少し違ってアレンジされたものだったようです。基本として習った型がなかったりしましたから。

80代のじじいになってつまづいても、くるっと前受身で受けられたらカッコいいなと思います。

ちなみに塩田氏の道場は養神館といい、岡本正剛氏の方は大東流合気柔術六方会というそうです。

新潟にいい道場あるといいですね。

NNK さんのコメント...

岡本氏の映像を見ましたがはちょっと暗示っぽいですね。
岡本氏をつかんだある強力の人は
まったく動かされなかったそうです。

氏の力を感じるように指導されて
いるのでしょう。これは弟子を調教すればで可能なことです。

ほかのところでこういう調教動画を見ましたが、外部の強力の人には柳龍拳さんと同じく暗示合気は残念ながらかからないのです。

保江氏も同じようなことで
相手を信じこませると同じく倒れるのですが、外部の強力自慢に効くかというとまだ時間がかかるのではないでしょうか。

塩田先生はさすがというか巧いです。
エーテル体を動かしてます。