2016年12月12日月曜日

どんな困難を抱えていても幸せをみつけることができる



日曜に、障害者関連の番組をふたつ見ました。

一つは、バリバラで、

相模原の津久井やまゆり園でおきた障害者殺傷事件についてでした。

番組では、容疑者に共感がもてるというひとが顔を出して、自分の意見を述べている場面もあり、

おぉ~、すごいな、顔出して話をするって、勇気のある人だ、、

と思いました。

彼は、障害者にかかるお金や労力を考えると、障害者はいらないんじゃないか、

生産性という観点からすると、何も生み出していない障害者は不必要なんじゃないか、

ということを述べていました。

そして、彼自身が高齢者になったとき、自分が切り捨てられる覚悟をしている

ということも述べていました。

私はまず、こうして、社会としては認められない意見を

匿名ではなく、しっかりと顔をだして意見している、ということに好感を覚えました。

ただ、彼のいう所には、賛成できかねました。

それはまずもって障害者というものを知らないで話をしている、と感じたからです。

世の中には、生産性がなくても、直接的、間接的に社会に十分貢献している存在がたくさんあります。

障害者と実際にふれあってみることなしに、そういう発言をしてしまうというのは、

少し知識不足、経験不足かな、、という気がしました。

私は彼の話を聞きながら、五木寛之氏のことばを思い出しまた。

インドにいくと、乞食がたくさんいますが、彼らに小銭を渡しても、ニコリともせずにそそくさと去っていく。

施しをしたのにナンナンダ!?

ということを言う人がいるが、施しというのは、

布施をする側に徳をつませて頂いているという利益があるので、

乞食は礼をいわなくてもいいんだ、

というような趣旨の事が書かれていました。

私は障害者、特に重度の障害者についても同じことが言えるのかもしれない、

と思いました。たとえ、一見社会的にはなんの役にも立たない、

ただのお荷物のように思えても、実はお世話をさせて頂いているだけで、

お世話をする側が、徳を積ませて頂いているという側面があるのではないか、ということです。

また障害者に限らず、一般的に障害、あるいは困難があるからこそ、

人が集い、絆ができ、知恵が生まれ、そこにひとの優しさや協力が生まれのであって、

それは間接的に社会に貢献しているということが言えそうです。


また番組の中では、障害者自身が容疑者に共感するという方も出ていました。

彼女の発言の中に、池田小学校の事件では、世間が猛烈に怒っていたが、

今回の事件にそれに匹敵するほどの熱意がなかったのは、

世間が容疑者の考えを暗黙のうちに認めているからではないか、

という発言がありました。

私は、そうなのかもしれない、、という思いを抱きました。

私はどちらかというと現場サイドなので、とんでもない事件が起こってしまった、、

という感覚を持っていたのですが、番組の冒頭でインタビューされていた人たちの中には、

えーと、なんの事件でしたっけ、、

と言われている方が何人もいて、自分の中では驚きでした。

まぁ、意図的に編集されてはいるのでしょうが、世間の感覚はそんなものなのかもしれない、、

と思わされました。

今回のバリバラは、どちらに偏ることもなく、現場にも足を運び、

かなり深くまで今回の事件について切り込んでいて、

いい番組に仕上がっているな、と感じました。

どちらか一方の意見が絶対的に正しいんだ!というようにきめつけてしまうのではなく、

しっかりと双方の意見を紹介しつつ、話を続けていく、という構成になっており、

今後もこのような態度が大切なのかな、と思いました。


もう一つの障害者関連の番組は、東田直樹さんのものです。

今回は、かなり重い構成になっていました。

東田さんを取材していたディレクターがガンというハンディキャップを抱え、

東田さんの祖母は認知症になっており、

文通相手であるアイルランドの自閉症の子をもつ親に会いに行くというものでした。

そんな中で自閉症をもつ東田さんが

それらの人たちとどのに接し、どのような言葉をなげかけるのか、がテーマでした。


番組の中では東田さんの心に響く言葉がいくつも煌めいていましたが、

その中のひとつが、ディレクターに対して

人生で大切なのは、生のバトンを渡すことではない。

人生は個人で完結するのだ、

ということばでした。

するどいなぁ~、、と感じました。


また番組の最後に、ディレクターに投げかけたことばがタイトルの言葉です。

どんな困難を抱えていても、幸せを見つけることができる

哲学者というか、宗教家というか、仏教の高僧のような感じがしました。

番組の中には、もっとたくさんの東田さんのことばが紹介され、

たくさんの障害、困難が登場したにもかかわらず、

全体として温かい眼差しに貫かれ、

見ていてとても優しい気持ちになりました。


これからも東田直樹さんの活動には注目していきたいとおもってます。


障害者の皆さんに、勇気と感動

そして学びを与えてくださっていることにありがとう!


参照:


再放送12月16日(金)0:00(木曜深夜)
 
再放送 2016年12月14日(水)午前0時15分~1時04分(13日深夜





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