アルフォンス・デーケン氏の著書
『よく生き よく笑い よき死と出会う』
から、印象に残った個所をページ順にピックアップしていきます。
まず最初にへぇーと思ったのは、キリスト教の祈りについてです。
キリスト教の祈りは、
第一に感謝、第二に賛美、そして最後にお願いごと
という順序で、最初に感謝が来るということでした。
デーケン氏が指摘しているように、
日本でお祈りというと、祈願=お願いごと、ですが、キリスト教ではまず最初に感謝が来るということに感心しました。
これは私達も見習わなければならないのかなと感じました。
私がよく読ませて頂いているHPの
伊勢白山道さん
http://blog.goo.ne.jp/isehakusandou
によると、
神社や日ごろのお祈りも、感謝だけをするべきだと強調しています。
~をして欲しい、~をしてください
という思いを常に発していると、そのような、何かをして欲しい存在(ある意味乞食の様な貪欲な存在)を引き寄せるそうで、
逆に有難うございますという現状を感謝する与える想念のお祈りをすると、
人に与える存在を引き寄せるのだそうで、
この逆説的な見解は、イソップの太陽と北風を思い出させるようで、とても重要なポイントであるように思います。
私が広島の原爆記念公園を訪れたときに強烈に感じたのは、人の想念は、ある種の磁気的な力というか、雰囲気を形成するということです。
何万人の人が、何十年にもわたって、同じような平和を祈願する気持ちを発すれば、その場に強烈な想念の場の様なものが形成されるのかもしれませんが、
1人の人間の発する祈り、そして普段の心のあり方、心に抱いている想念も、それが蓄積すると大きな力として内的、外的に作用するのだろうと思います。
この感謝の祈りを特定の時、特定の場だけでなく、日ごろから心に抱き、感謝の言葉を発するように習慣化できたらなぁ~と思います。
デーケン氏はナチの政権下、反ナチス活動に身を投じる父のもとで幼少期を過ごしたそうです。
その父には常に、
自分の頭で考え、自分の良心に従って生きろ
と教えられたそうです。
これは時代に関係なく、とても重要な点だと思いました。
この本の主題である“死”についてもそうですし、食に関することでもそうですが、
あまりに思い込みや受け身の姿勢が世の中の大勢を占めているように思います。
私は10代の後半から一貫して臨死体験などをはじめとする死に関する本は読んできましたし、様々なことを実践してきましたが、それらを総合すると、
どうやら人は死後も意識が残り、輪廻をしているらしい
という結論に至ってます。
従って、死後も意識が残るということを前提に生を組み立てることの重要性を常に感じています。
それは良心に従って生きるということとも通ずるのですが、死ですべてが終わってしまう訳ではないので、
今を如何に生きるか、というのがとても重要になって来るのです。
多くの人にそれとなく死についての話しをふってみると、たいていは“自分の体験”の延長のみで、
たぶん死んだらそれですべてがおしまい
と思いこんでいるようで、世の中に貴重な体験をした人々、それらを記した数多くの文献があるにもかかわらず、
それらの情報に接しないままで、一番重要なポイントの所の結論をなんとなく出してしまっているようで、私からするととてももったいない気がします。
これは、自分が外洋に出たことが無いから地球は平らだと思い続けているのと同じだと感じますし、
寝ている間のことは覚えてないから夜は無いというのと同じ論法のような気がします。
またこれはこのブログで何度となくとりあげてきた食に関する事にも通じます。
肉は元気のもと、牛乳を飲むと骨が強くなる
などの与えられた謳い文句を何の疑いもなく盲信してしまっている人のあまりの多さにびっくりしてしまいます。
こういうことも、ちゃんと情報に接し、自ら確かめてみる必要があると私は常に感じています。
またこのページでデーケン氏は、
ナチに関わった人たちが皆一様に、命令されたからそのまま実行しただけだ
と語った事を述べていますが、この点もとても重要です。
アメリカの有名な心理実験で、通称アイヒマン実験というのがあります。
これは、被験者に、人に通電する(と説明されている)電流のスイッチを押させて、どのくらいの強度まで電流をあげるものなのかを実験したものですが、
実験の主催者(権威者)が大丈夫だからどんどん強度を上げていってください
と説明されると、多くの人は相手が電流で苦しんでいるのに(本当フリをしているだけ)、言われるままに電流を上げていってしまうというものでした。
現在この種の心理実験は禁止されているそうですが、
少し大げさかもしれませんが、このアイヒマン実験が示している事は人類が共通して知っておくべきことであると思います。
多くの人は、自分の良心よりも、権威に従う事を選んでしまいがちなのです。
こういうこと人間の特性を知ってか否かで、自らのより良い行動を選択する上で、大いに参考になると思うのです。
つづく、、、
参考:
アイヒマン実験
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9F%E3%83%AB%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%A0%E5%AE%9F%E9%A8%93
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