2008年9月25日木曜日

息を吐く

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最近、

『鍼を打つ人竹村文近-心とからだ、目覚めへの旅-』 金沢 英子 集英社 2004

という本を読んで、なるほどなと思うことがありました。それは、

ここぞというときには息を吐く

というものです。鍼灸師の竹村氏はよく腰痛の人を見るそうですが、ピアノを弾くにしても、写真を撮るにしても、とにかくここ一番という肝心な時に息を止めて力むと、一時的には力がでるものの、身体がその衝撃をもろに受けることにによって腰痛になるといっていました。

だから腰痛で来院する多くのひとには、ここぞというときは息を吐き、エネルギーを流すように指導しているそうです。そうすると、身体にいいばかりか仕事自体もいい方向に変わっていくそうです。

なるほどと思い、私も日常生活の中で力まなければならない場面でこれを応用してみました。息を吐くと確かに奥歯をくいしばって息を止めるときよりも力はでないような気がしますが、身体に負荷がかからない分楽で、続けられる感じがしました。

また力んで何かをやるというのは、小我でものごとをどこか強引に成し遂げるという感覚であるのに対して、息を吐きながら力まずにするというのは、小我を超えた大きな力、大きな流れみたいなものとひとつになってことが運ぶという気がするのです。

力む=息を止める=我でものごとを押し進める ⇔
力まない=息を吐く=大きな力を利用する

というこの三点はどこかでつながっているような気がします。またこれと関連していると思われるのが、鉢巻をまくのと帯をまくことの違いです。

鉢巻をまくのも、ここ一番という場面だろうと思いますが、気が上に上ってしまって落ち着かなくなるような感覚があるのに対して、武道などで丹田のあたりに帯をまくのは、気を引き締めつつも落ち着いて全体を見渡せるような気がします。

この二つは一時しのぎの力を出すために息を止めることと、息を吐いてリラックスして事に当たることと対応している気がします。

皆さんはどう思われますでしょうか。力を出さなければならない場面がありましたら、是非試してみてください。

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