2008年10月19日日曜日

ルドルフ・シュタイナーの菜食観 その四

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本日NHKスペシャルで前回の後編となる番組が放映されます。

10月19日(日)午後9時~9時59分

世界同時食糧危機(2)食糧争奪戦 ~輸入大国・日本の苦闘~
世界各地で食糧の安定確保に向けての動きが加速している。大豆調達に苦しむ日本の味噌メーカー、ウクライナを舞台に繰り広げられる農地争奪戦などを通して、食糧輸入大国・日本の進むべき道を考える。
http://www.nhk.or.jp/special/onair/081019.html

また前回の放送を見逃した方は火曜の夜に再放送があります。

2008年10月21日(火) 深夜 【水曜午前】0時55分~ 総合

世界同時食糧危機(1) アメリカ頼みの“食”が破綻する
http://www.nhk.or.jp/special/rerun/index.html


さて最近菜食についてのブログを書いているせいか、ふと英語のvegetableが何に由来しているのか疑問に思いました。単語の構成はveget が able するというわけです。調べてみると、ラテン語

vegetare (速める、元気づける)+ able(能力のある)⇒ 元気づける力のある

という意味であることが分かりました。
これはまさにシュタイナーが菜食にすると「人は活発になる」「疲れにくくなる」といったことと関連していて興味深いところです。昔のひとも野菜を食べる事で活力が得られることを実感していたのでしょう。

この語源からは他にvigor(活力のある)やvigil(徹夜)などがでているようで、特に最後のvigilの原義は「目覚めた」という意味なので、シュタイナーが菜食に対して「霊的なものに敏感になる」「ものをよく考えることができるようになる」「事物の壮大な関連を見上げることができる」と述べている精神的な「目覚め」とからめて考えると面白いと思います。

私自身の体験から、菜食にすると澄んだ活力に満ちた状態になるという感じがあります。特に暑い中でへばらなくなるので、こんな暑い中でどうしてそんなに元気なの?と聞かれることがあります。そういうとき私は

「惑星ヴェジータで育ったんで、、、あそこは重力が地球の10倍だったから」

と冗談をいいます(ドラゴンボールを知らない方スミマセン)。私がヴェジタリアンなのを知っているのでこのギャグはなかなか受けるようです。

余談になりましたが、今回シュタイナーの菜食観の最後として総まとめ的な記述を引用します。

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肉食は本能的な意志を燃え立たせるのが体験されます。無意識に情念と情動のなかを流れる意志のいとなみが、肉食によって燃え立たされるのです。ですから、好戦的な民族は平和を好む穏やかな民族よりも肉食を好むというのは、まったく正しいのです。菜食にすると勇気や活動力がなくなるのではないか、と思う必要はありません。肉食をやめることによって、本能や攻撃的な情念、情動を失いますが、それらすべては内面から魂によって補われます。(p.138-139)

肉食をすると、人間は地上に束縛されます。肉食をすると、人間は地上の被造物になるのです。「肉食の作用が身体に浸透すると、地球から解放される力を失う」と、いわねばなりません。肉食をすることによって、人間は地球と強く結びつきます。

<中略>

菜食にすると、人間を宇宙に結びつける力が刺激されます。植物を消化するときにおこなわれなければならないことが、太陽系全体に含まれている力を刺激し、人間の物質体は太陽系全体の力に関与するようになります。菜食にすると、物質体は太陽系から疎外されないのです。人智学的あるいは秘境的な修行を積んだ魂は、菜食にすると地上の重さではなく、惑星系の中心である太陽からなにかを受け取るのを体験します。菜食によって得られる身体の軽さが、地上の重さを取り去ります。

(p.140-141)

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参考:
ルドルフ・シュタイナー/西川隆範 訳 『シュタイナー 健康と食事』 イザラ書房 1992

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