2010年4月24日土曜日

下関陶器の旅 ≪その11≫ ~西周、鴎外旧宅へ~



神社を出て、春の日差しの中、また川沿いを歩き始めました。





歩くことおよそ30分、目標としていたが見えてきました。




之を渡って川沿いに行くと、森鴎外の旧宅ですが、先に西周(にし あまね)の旧宅を見に行くためにそのまま直進しました。

すなわち、西周と森鴎外の旧宅は、この川を挟んで向かいにあるのです!!






はい、到着。ここが西周旧宅





西周(1829-1897)という名前はあまり聞いたことがないかもしれませんが、知る人ぞ知る幕末から明治初期にかけての人物で、

私達が現在当たり前に使っている、

哲学・科学・理性・技術

などの言葉は、彼が西洋から学問を導入・翻訳するにあたって作り出した言葉だそうです。

その他に

学術・主観・客観・本能・概念・観念・帰納・演繹・命題・肯定・否定・
理性・悟性・現象・知覚・感覚・総合・分解

などなどといった訳語も作ったそうです。

訳にあたって新たに言葉を創出するというのは、ニュアンスが変わってくるので当然功罪があろうと思いますが、

学問の基礎を作ったと言う点でその功績は評価されるべきでしょう。






こちらが、家の中↓












こういう木と畳のにおいのする部屋で正座して物事を考えるというのは、

現代のイスと机で思考するのと、どうちがってくるのだろうか、、、

などと考えてしまいました。





左の白い建物はで、ここに籠って勉学に励んだそうです。

蔵のすぐわきに小川(水路?)が流れていました↓




こちらが庭↓




せっかく生家を保存しているなら、この池も水をはって、鯉でも泳がせとけばいいのに、、、と思いました。

本来水がある所に水がないというのは、干からびていて、死んだ風景の様で痛々しい感じがします。





つい100年ほど前の日本人は、こういうところで生活していたんですね。。。


さて川を渡って、




つぎに訪れたのが、森鴎外旧宅









西周の旧宅に比べると、チョット豪華な感じです。

先ほど無料で見学出来ましたが、なぜかこちらは見るのに100円かかります↓




森鴎外は言わずと知れた文豪ですが、私は舞姫ぐらいしか読んだことないかな、、、。




こちらが、家の中↓



















夏なんて、寝ころんでウチワをパタパタやりながら涼んだら気持ちよさそうだなぁーと思いました。




こちらのお宅は家の構えは立派でしたが、庭は有りませんでした。

二つの家に共通していたのは、質素だったこと。そしてこの津和野という美しい自然に囲まれた中にあるということです。


かつてこのブログで、数学者の藤原正彦さんが説く"
天才の出現する条件 "というのを取り上げましたが、

まさにここ津和野はその自然の美しさから、天才が出現する条件を備えているような気がしました。


さて、また川沿いを歩き、




禅寺を見に行きました↓






茅葺(かやぶき)の本殿がどーんと中央に鎮座していて、なんだか日本昔話に出てきそうな「正しいお寺」という感じでちょっと笑えました。










こちらのお寺はが有名らしいのですが、私が訪れた時は拝観を中止していました。なんとも残念です。





仕方なく、建物を見ただけで寺を出ました。。。


この時点で、1時ごろ。

電車の出発まで1時間半ほどあったので、駅の近くにあった安野光雅美術館葛飾北斎美術館を駆け足で見学する事にしました。


まずは安野光雅美術館







彼も津和野の出身なんですね。

この建物は出来たてのピカピカでとてもきれいでした。

絵の陳列が、ちゃんと順路を矢印で誘導してくれているので、見る人が

どちら側から見ようか?

と迷わずに見れるのがよかったです。これは絵本作家ならではの発想だなと思いました。

と同時に、絵を見ながら、彼の代表作である『旅の絵本』の登場人物になっているうような気分になりました。


こちらが入館記念にくれたポストカード↓




館内にはプラネタリウムもあったのですが、時間がおしていたので、今回はパスしました。次回腰を落ち着けてじっくり見たいと思います。


で、次に向かったのが葛飾北斎美術館










葛飾北斎が津和野出身というわけではなく、彼の初期の作品が津和野から出てきたので、ここに美術館を建てたとの事。

それほど展示がたくさんある訳でもなく、けっこうあっという間に見れてしまいました。(およそ15分、、、)


津和野に着いてから6時間程、ずっと歩きまわって主な観光名所をだいたい見て回れました。

しかし歩きながら、これを一日で見てしまうのはもったいないなぁと思いました。最低一泊して、腰を落ち着けてじっくり見たいものです。

帰りがけに観光案内所によると、安い宿では素泊まり3千円台であったので、次回は必ず泊まりがけてきて、

今回見れなかった、禅寺の庭と、安野光雅美術館のプラネタリウムは是非みたいですね。

あと、通りに何軒か古い酒屋さんがあったのですが、そのうちの一つのもっとも古い酒屋さんがちょうど閉まっていて利き酒ができなかったのが残念でした。

次回は是非そこも訪れて、心ゆくまで利き酒してみたいと思いました。


さて、そんなこんなで、あわただしく津和野観光を終え、





また電車に乗って移動しました。




次はどこへいくのか??



つづく、、、





参考:

西周〔ウィキペディア〕


森鴎外〔ウィキペディア〕

津和野観光協会HP(宿情報・見どころなど)
http://www.tsuwano.ne.jp/kanko/

彦兵衛のブログ:出現、数学の天才!
http://mshiko.blogspot.com/2009/04/blog-post_09.html




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