2009年6月12日金曜日

江の島の浮世絵(歌川国芳) 〔Ukiyoe by Utagaw Kuniyoshi part3〕




江の島 〔Enoshima Kanagawa pre. Japan〕



これは私の地元、江の島の写真です。

前に何回か歌川国芳の浮世絵を紹介しましたが、

ネット上で国芳の浮世絵の画像を探している過程で、彼が江の島の浮世絵も描いていたことを知りました。

江の島は、他の浮世絵師たちによっても描かれているので、彼らとの比較でここに取り上げてみようと思います。


まずは私の手元にあった、藤沢市の観光課が発行した歌川広重〔1798-1858〕によって描かれた江の島の浮世絵5枚
と、

歌川国芳〔1789-1861〕の浮世絵を比較してみます。





広重:相州江の島の図〔1842〕



広重:江の島参詣の図〔1853〕



上の二つは、歌川広重の浮世絵ですが、同じような構図を国芳が描くと、、、




無題(江の島)説明


こんな感じになったり、、


国芳:二美人江の島富士遠望



国芳:江の島遠望稚児戯れの図 説明


こうなるようです。

広重のものが写実的であるのに対して、

国芳のものはかなりのデフォルメが行われ、より奇怪(?)に、よりシュールになっているように感じます。


そのことをより感じさせるのが、下の江の島自体を描いた作品です。



広重:相模江の島岩屋の口〔1853〕






国芳:相州江之嶋之図 説明



広重のものが、さわやかで透明感のあるタッチで描かれ、素直に美しい、、、と感じるのに対して、

国芳のものは、重厚感と粘着感があり、島自体がチョコレートケーキ、

あるいは一つの生き物(妖怪?)のようにも感じられ、いまにも正体を現して動き出しそうです。


私の印象では、国芳はイマジネーションが豊かなので、風景をそのまま描くのでは物足りず、

何か自分のイメージを付け足したくなってしまうのだと思います。

それが彼の天才たるゆえんなのでしょうか。


そういう意味では、国芳は、風景画より、前にも取り上げたような物語や奇怪な絵の方が数段あっているように感じるのです。


つづく、、、、




参考:

電子博物館 みゆネットふじさわ
http://www.mus.city.fujisawa.kanagawa.jp/php/history_type.php

浮世絵画像リンク集
http://www.geocities.jp/web_ukiyoe/link2.html

江の島マニアックさんのHP

彦兵衛ブログ:
金魚づくし~歌川国芳の浮世絵≪その弐≫~〔Ukiyoe by Utagawa Kuniyosi part 2〕
http://mshiko.blogspot.com/2009/06/ukiyoe-by-utagawa-kuniyosi-part-2.html


藤沢市観光課で発行した広重の浮世絵の解説↓






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