2010年2月4日木曜日

♪ポ~ニョ、ポニョ、ポニョ、さかなのこぉ~



明日、いよいよ宮崎駿監督の『崖の上のポニョ』テレビ初放映ですね。

http://www.ntv.co.jp/kinro/lineup/20100205/index.html

私は劇場とレンタルとで既に二回観てますが、また録画して観ようかなと思ってます。

映画は9時からのようですが、特別編として8時からポニョ関連の番組をやるようですね。


この作品、私の中では今までの宮崎アニメに比べるとあまり評価が高くありません。

どちらかというと、肩すかしをくった感のする作品でした。

どうしてなんだろうか?

と観終わった後ずっと考えたのですが、それにはいくつかポイントがあるように思いました。

その一つは、今までの宮崎アニメの特徴は、

女の子が、人間の世界と別の世界の境界を行き来することで成長して行くというのが主題でした。

最初から別の世界に属している女の子もいましたが、

それでもたいてい人間に近い方の世界に属しており、みな一様に自分にとっての別の世界に接触することから物語が始まります。

別の世界では様々な困難を体験しますが、


そのときたいてい別の世界には手助けしてくれる男の子があらわれて、彼女の窮地を救ってくれたりします。

そのとき丁度化学変化のように、女の子も変わるのと同時に、助けてくれた方の男の子の方もひとまわり成長して、

最後は大円団でおしまい、おしまい、という構図になっていました。


今回も大きな流れはこれに乗っ取っているのですが、いまいち共感がもてなかったのは、

当の主人公が、そもそも人間ではないこと。

つまり人間の世界と別の世界の境界線から遠く隔たった生き物であるという点にあるのかなという気がしました。

それゆえ、その主人公にあまり人間味が感じられず、人間的な葛藤もなく、観ている側が感情移入することが出来なかったからかなと感じました。

もう一つは、細かい設定が見えてこなかったからではないかと思います。

ポニョの父親のフジモトは人間界を去った人物というところまでは分かりますが、

彼がどのようにして海の女神のような存在と出会ったのか、彼女はいったいいかなる存在なのか、そこらへんのディーテールが抜け落ちているのです。

そのことによって、全体像がつかみにくくなっていて、共感できなかったのかなと思いました。

この映画の主題はなんなんだろう?

私は、「制御できない生命力」「生命力の爆発」

ということかなと思いました。

ポニョはまさにその生命力の象徴であり、またそれは予想のつかない子供の成長というものをあらわしていると思います。

それを通して、自然を制御するのではなく、自然と調和していかなければならないという環境問題とともに、

子供はひとりでもどんどん育って行くもんだという教育観を提示しているように感じました。


さて、気が早いのですが、今年2010年夏のジブリ映画は、



借りぐらしのアリエッティ






というものだそうです。

これは、『床下の小人たち』

床下の小人たち (岩波少年文庫)



という話しをアニメ化したものだそうです。


私は去年の年末にこの本を借りて読みましたが、

ストーリー自体はあまり面白くありませんでした。(同じ岩波文庫の話しなら、前にも紹介した思い出のマーニーの方が100倍面白かったです。)

この本の原題は "The Borrowers" (借りる人たち)となってました。

この映画の趣旨は、各自が物を所有する大量消費社会に対する一つの提言であるそうです。

ネイティヴ・アメリカンやこの前のアバターの世界観である、

私たちは大いなる存在からいのちを借りている

という視点からすると、物を借りるというのは、個や物、この世に執着しないための、

またこの地球で謙虚に生きるための理にかなった方法なのかもしれません。

『床下の小人たち』がアニメ化によってどのようにアレンジされるのかが楽しみであります。


おしまい




参考:

借りぐらしのアリエッティ公式HP
http://karigurashi.jp/



視聴
http://morawin.jp/package/80312141/YCCI10064D010101/

ニュース:

ジブリ、英の児童文学を下敷きにした新作 10年夏に公開

 東宝は16日、アニメ制作会社スタジオジブリ(東京都小金井市)の新作映画「借りぐらしのアリエッティ」を2010年夏に公開すると発表した。

英児童文学「床下の小人(こびと)たち」を基にした作品で、宮崎駿氏が企画を手掛け、ジブリのアニメーター、米林宏昌氏が監督を務める。

 ジブリのアニメ映画は、08年7月公開の「崖(がけ)の上のポニョ」以来、2年ぶり。

「アリエッティ」は日本の古い民家の床下を間借りして住む小人たちの物語で、記者会見したジブリの鈴木敏夫プロデューサーは

モノを大量に消費する社会のなか、『借りる』という発想が今の時代に合っている」と話した。(16日 22:38)

http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20091216AT1D1606B16122009.html




1 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

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