東洋人と西洋人の考え方の違い

毎週月曜日の夜8時に

世界まる見え！テレビ特捜部

という番組をやっているのですが、二週間ほど前にやっていた

というのがとても面白かったので、ここに載せておきます。

問題ですが、一番下にある花をあなたは、A・Bのどちらに分類しますか？

実は、多くの東洋人は、Aと答え、西洋人はBと答えるのだそうです。


それでは次の問題です。下の絵の中央の男の人は幸せでしょうか？

この絵の場合はどうでしょう？



絵を見てわかる通り、真ん中の人は同じですが、西洋人は両方ともにハッピーと答えるのに対して、

東洋人は下の絵は幸せではないと答えるそうです。


番組の中の説明によると、東洋人は周りとの関連でものごとを判断するのに対して、

西洋の人は、周りから切り離した独立した部分だけでものごとを判断するのだそうです。


それは下のような写真を見ても違いが出てくるのだそうです。

西洋人は虎のみを見るのに対して、東洋人は背景との関係を見ているのだそうです。

なぜこのようなことが起こるのでしょう。番組の説明によると、それは古代の宇宙観の違いに由来するのだそうです。

西洋文明の起源である古代ギリシアにおいて、空間と物は独立した別の存在と考えるのに対して、

東洋文明の起源である古代中国では、 宇宙は気で満たされており、物はまわりとの関係の中で存在していると考えているからなのだそうです。





ここから西洋人は、物を周りから切り離された独立した物として認識し、

東洋人は、周りとの関係を考えるのだそうです。

このことを示す、下の実験も面白かったので考えてみてください。

草原で風船を離すと、あるところから急にスピードをあげて飛んでいってしまいました。

それはなぜでしょう？

西洋の人は、風船から空気がもれて飛んでいったからと考えるのに対して、

東洋の人は、風が吹いたからと考えるのだそうです。

西洋人は個物自体がものごとをコントロールしていると考えるのに対して、

東洋の人は、周りからの影響を考えるのだそうです。

また、この問題も面白かったのですが、サル、パンダ、バナナがあった場合、どの二つを一緒にしますか？

東洋人は、サルとバナナを一つにするのに対して、西洋人はパンダとサルを一緒にするのだそうです。

東洋人は、サルはバナナが好物だからと、サルとバナナの関係から一つのグループにするのに対して、

西洋の人は、サルとパンダは哺乳類として同じだから、それらをひとくくりにするのだそうです。

西洋人の特徴は、ものごとの関係をかんがえるのではなく、対象物を分けて考えるのだそうです。

一番最初に挙げた花の問題も、東洋人は、全体的な特徴から花びらの形がだいたい同じで葉っぱもついているからAと分類するのに対して、

西洋人は、花をパーツに分けて、唯一共通する茎がまっすぐという特徴からBとするのだそうです。





番組の最後に、ものごとを分けてとらえる西洋的な考え方の代表として、ブッシュ大統領が挙げられていました。



確かに彼は、悪の枢軸などと、世界を自分の敵か味方かでとらえていました。


それに対して、アジアで幼少期を過ごした現大統領のオバマさんは、



敵、味方という単純な二分法で物事をとらえるのではなく、よく話し合って、みんなと協調し合ってものごとをすすめていく傾向にあるのだそうです。


私はこの番組をみて、これほど見事に西洋人と東洋人のもののとらえ方に違いが出てくるのかと感動しました。

私は典型的な東洋的思考法をしていましたが、西洋的なああいう発想もあるんだぁ～と感心しました。


こうしてみてくると、自然を切って分類する「科学」が西洋に端を発したのがよくわかるような"気"がしました。

またアメリカ社会において、経営陣や一部の人たちが莫大な報酬を貰って平然としているというのも、こうしてみてくると理解できるような気がします。

しかしオバマさんがアメリカの大統領になったことが象徴的にあらわしているように、

これからは物事を切るという単純な二分法ではなく、東洋的な和の精神、全体との関係を考えることが必要とされるようになってきているんだという気がします。

社会のありよう、科学の問題点、環境問題などすべてをとっても、「切る」ということがその問題の根底にあったように思います。

これからは「切る」ことによって失われてきた、関係、総合というものごとをマクロに見る視点がより見直されるようになってくるし、そうならないと人類の存続自体も危ういと思うのです。


おしまい