2009年7月3日金曜日

生物の多様性〔2〕:不死とアポトーシス



原初の生命において、細胞は不老不死であり、寿命が無いと紹介しましたが、

なぜ生物の個体が死ぬようになったのかの前に、

細胞に組み込まれた死、アポトーシスとはどのようなものなのかを見ていきたいと思います。


従来の考えでは、細胞には次の2種類の状態しかないと考えられていました。

すなわち、ダメージが小さい時は修復して生き伸び、ダメージが大きい時は壊死すると考えられていました。






しかし細胞を観察していると、その中間あたりで細胞が消滅してしまうような現象がみられたそうです。




この現象がはじめて論文として発表されたのが、 1972年のイギリスだったそうで、





壊死とは違う、コントロールされた細胞の消去を、ラテン語の「木の葉が落ちる」と言う意味のアポトーシスと名付けたそうです。

しかしそのメカニズムは当時不明だったそうです。


最近の研究によって分かった事によると、死のプログラムが遺伝子そのものに組み込まれており、

その遺伝子が発動する事によって細胞自身が自らを消去しているのだそうです。




細胞が周りの細胞の状況や自らの状態から判断して、自らを消去することを決定すると、2種類の酵素が作られるそうです。




ひとつの酵素が細胞の骨格を切断し、




もうひとつの酵素がDNAを切断するのだそうです。




そしてDNAが外に漏れ出さないように、細胞壁などから小胞をつくってそれらを包み込むそうです。






アポトーシスの本質は、DNAを消去してしまうことにあるそうです。

こうして毎日ひとりの人間において3千億個、約200gの細胞が死んでいくそうです。

人間全体では250日ぐらいでほぼ全身の細胞が入れ替わるそうです。


ではなぜ原始的な細胞は不老不死なのに、進化に従って
細胞は寿命をもち、またそれを構成する個体にも死があるようになったのでしょうか。


つづく、、、




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