先日のNHKスペシャルで原発の解体についてやっていましたが、あまりの惨憺たる事態に、見ていて悲しくなりました。
NHKスペシャル 10月11日(日)放送
原発解体 ~世界の現場は警告する~
原発が造られたのは、ちょうど今から半世紀ほど前になるのですが、すでにもう寿命がきているのです。
しかも作られた当初は原発を解体することなど考えてないから、解体、処分するのに、ものすごい手間と時間とお金が掛かるのです。
今後解体に掛かって来る費用は数十億、数兆円だそうで、すべて税金で賄われます。
原子力は安い発電法だと説明する人がいますが、とんでもない嘘です。トータルで見ると恐ろしくコストのかかる発電法であり、
廃棄物の処理法にしても、ただ埋めるだけというなんとも稚拙な方法しかないのです。
放射性廃棄物の放射線の半減期、半分の量になるだけでも数千年、数万年かかるものもあります。たかが50年間の電力を生み出すことと引き換えにです。
また単に手間やお金が掛かるだけならまだしも、そもそも核廃棄物の最終処分場がないのです。
地域の住民はそんなものを作ることに対しては当然反対します。
現在の核廃棄物の処理の現状は、かつてのソ連みたいに原潜を深海に沈めて知らんぷりしますかっていう感じのレベルなのです。
それにもかかわらず、現在原子力発電所は二酸化炭素を出さないという事で、その建設に拍車がかかっているというのです。
50年ほどの寿命で、運転中や解体後に出る大量の放射性廃棄物の処理のことも考えずよくそんな計画たてられるなぁ、、、と呆れてしまいました。
今の生活の享楽、快楽を維持するために、子孫に膨大なツケをまわしているのです。
しかしこれは人ごとではなく、電気を使用している私達一人ひとりにも関係していることです。
なるべく省エネに心がけ、また原発の建設などに関してちゃんと感心をもっておく責任があると私は思います。
いまが楽しければとりあえずそれでいい、というような風潮は、私には個人の病のあり方とパラレルであるように感じられます。
たとえば、ガンは漢字では癌と書きますが、病だれに品物の山です。
あれもこれもと食欲に任せて色々食べた挙句に、体の細胞が品物の山に変化します。
その他の生活習慣病、糖尿病、血管系の疾患も、多くは食べすぎが原因です。
この個人における、エネルギーの過剰摂取とその結果の病気と、
国におけるエネルギーの過剰消費とそのあとに残された地球温暖化、核廃棄物の処理問題は、
その根っこにあるものがともに同じであるように私には感じます。
それはひとことでいうと、目先のことしか見ていない、二宮尊徳がかつて語ったような"遠きをはかる"という視点、大局観の欠如だと思います。
目先のことに対処していくのも大切ですが、それと同時に50年、100年というスパンで自分のことや国、世界のことを考えることも極めて重要だと思います。
長いスパンで見たときにマイナスであるようでは、今やっていることがいかに良く見えても、結局は大きなツケをあとあと払わされることになるということです。
この原発解体の再放送は今夜あるそうなので、興味のある方は是非見てみてください。
2009年10月14日(水)
午前0時45分~1時43分 (13日深夜) 総合
原発解体 ~世界の現場は警告する~
おしまい
参考:
NHKスペシャル
原発解体 ~世界の現場は警告する~
放射性廃棄物〔ウィキペディア〕
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%94%BE%E5%B0%84%E6%80%A7%E5%BB%83%E6%A3%84%E7%89%A9#.E6.94.BE.E5.B0.84.E6.80.A7.E5.BB.83.E6.A3.84.E7.89.A9.E3.81.AE.E5.88.86.E9.A1.9E.E3.81.A8.E5.87.A6.E5.88.86.E6.96.B9.E6.B3.95
高レベル放射性廃棄物 ートイレなきマンション
http://www.nuketext.org/mansion.html
2 件のコメント:
この件に対しては、若い頃より、疑問を抱いていました。早速再放送を見たいと思います。
又、原子力発電所建設時には、「100%の安全を確保します・しましたので、ここの土地に建設させてください。」という様な、言い方で、国も企業も建設を推進してきました。
技術者であれば、100%の安全など有るわけ無い事ぐらい常識であり、どうやって、事故を防ぐかという事が重要だという事で、最近になって「失敗学」成る物が出できたくらい。
核燃料の臨界事故が発生してしまい、やっと100%安全という立場を、国も・企業も取らなくなって少し透明性が出てきたけど、まだまだという感じですよね。
まして、核燃料の最終処分に付いては、彦兵衛さんの指摘のとおりだと思います。
少しでも、関心を持ち続けなければ、いけないと感じています。
話は、変わりますが、ダムの建設に付いても似た様な所が有ると感じています。
ダム建設後50年経ったら、強度は有るのに、土砂がダムに溜まって使えなくなるので、放置して新しいダムを作るのだというのは、昔から、おかしいんじゃないかなと感じていました。
建設時の線路・貨車、或いは道路などの利用に寄り、少しずつ継続的に浚渫して、
ダム水底の腐葉土の採取をして肥料としたり、砂利を採取して建設用砂利材として利用を計画すれば、
強度が無くなるまでもっと利用できるのに、何故大きなお金と労力を掛けて、又近くにダムを作らなくては成らないのかと思っていました。
何か、この件も根本的に、似た発想の所があるような気がします。
先の事は、自分には直接関係ないという発想の様な、後の子孫がうまくやってくれるだろうからとかいう発想の様な点で。
なんじゃもんじゃさん、コメント有難うございます。
畑村氏の失敗学の視点はとても重要ですよね。
単に工業従事者だけでなく、私達の日常生活にも応用できる視点を提供しています。
ダムの寿命もそんなに短いのですかぁ。
「ダム 寿命」で検索すると色々出てきました。
やはり土砂の堆積が一番問題のようですね。
下のヤフー知恵袋のアンサーががなかなかよくまとまっていると思いました。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1411911704?fr=rcmd_chie_detail
やっぱ土砂がたまっただけで使えなくなるのではもったいないので、
皆さん色々考えているようです。
なんかもっと自然の理にかなった、安価な方法があればいいんですが。
金魚の水槽みたいに、サイフォンの原理をりようして、ホースでビュンビュン吸いとれちゃえば楽なんですけどね、、、。
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