この本は、下の著作の改題改訂版なのですが、
目下、図書館から借りてきて読んでいるものです。
私は図書館で本を借りことが多く、読み込まれた古い本には独特のにおいがあると感じていました。
本によっては、パラパラっとページをめくると、古くなった紙のいい香りがふわーっと漂ってくるのです。
本って古くなるといい香りがするものなのかなぁ~、となんとなく思っていたのですが、実はそうではないことに最近気づきました。
それは読み手のポジティヴな思いを喚起するような本は、だいたい古くなるといい香りがするのですが、
逆に読み手の怒りや憎しみなどのネガティヴな思いを喚起する書物は、嫌なにおいがするということです。
そのことにハッキリ気がついたのが、上の本を読んでいた時です。
この本は、中国人エリートが、中国共産党の危うさを指摘しているものなのですが、
毛沢東の策略、文革、80年代の民主化運動と、89年の天安門事件、90年以降の共産党維持のための反日教育 、
と、あまりの酷さに、読んでいる人の気分が悪くなるような記述がたくさん出てくるのですが、
読み進めてページをめくるたびに、紙に染みついた腐ったようなにおいが鼻につくのです。
ここまで嫌なにおいのする本は初めてでした。
本の内容自体は、限りなく中国の真実の姿をとらえているだろうと思われる良書なのですが、
それだけに、中国では平気でこんなことが行われているのか、、、ととても暗く、嫌な気持ちになるのです。
今年2009年は、天安門事件20周年で、各国の報道機関が天安門で現地の取材をしていましたが、
知っている方も多いと思いますが、天安門広場をテレビで取材しようとすると、傘を持った公安がススッーとよってきて、
カメラの映像を遮ろうとするのです。
中国ってまだこんなことやってるのかぁーと私はその幼稚な振る舞いに呆れてしまったのですが、
この本を読むと、その行動がよく理解できるのです。
多くの若い中国人は天安門事件など知らなかったり、
また天安門事件だけに限らず、報道規制や情報操作はすさまじく、著者が語るように洗脳に近いことを国家規模で行っているようです。
まぁ本の内容はこれぐらいにして、今回この本を手にして、初めてハッキリと、本のにおいの違いに気づきました。
これまで私の読む本は、たいてい人間のポジティヴな想いをかき立てるようなものが多かったので、古い本はいいにおいがするものかとおもっていたのですが、
本の内容によるんですねぇ~。今回とても勉強になりました。
そういえば、 江本勝さんは、水の結晶の形が言葉や人の気持ちによって変化するということをいっているし、
自分の体験的にも、人のにおい、物質的な匂いなのか、雰囲気から漂ってくるにおいなのか、その両方なのかも知れませんが、
あまりよくない想念をもっている人は、においでだいたいわかるような気がします。
逆に、たとえば明恵上人が亡くなったときに、
あたりいったいにとてもいい香りが立ち込めたなんて話があり、案外においって重要な情報をもたらしているのかもしれません。
これからは、借りた本のにおいをもう少し意識的に嗅いでみようかなと思ってます(笑)。
(もちろん、図書館で本を開いて、クンクン、なんてやりませんけどね)
また何かを判断するときに、五感をフル動員するってたぶん大事なんだと思います。
なんかよくわからないけど、あの人は信用できないなぁ~と感じるときは、どこかでその人の"におい"を感じているのかもしれません。
人だけでなく、部屋や場所などにも"におい"があります。
これからは、あらゆる面で"におい"の違いを意識してみようかなと思ってます。
おしまい
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